エンジニアが語るリレーエッセイ
エンジニアに資格は必要か?
第13回 資格と自分の考えるエンジニア像

KSR-II氏
2002/10/23

毎回さまざまな分野のエンジニアに、「エンジニアに資格は必要か?」をテーマに、自身の実体験などを織り交ぜて語っていただく。エンジニアの“生”の声を紹介する月刊リレーエッセイ。今回は、文系出身のエンジニアが、資格のよい点と悪い点について考えながら、今後資格とどう付き合おうとするのか、筆者の決断を紹介する。

資格のよい点とは

 当たり前の話かもしれませんが、技術者にとって資格はよい点もあり、問題点もあると考えています。

 資格は、自分の知識の裏付けであり、また知識を増やすスキルアップのための道具です。また、エンジニアは技術についていくため、仕事を続けていくため、常に最新の技術を勉強しなくてはなりません。以上の点から、資格はよい勉強の教材や機会になっていると思います。

 現在勤めている会社(どこの会社もそうであるとは思いますが)は資格取得を推奨しており、通常業務以外に資格を取ることが必要だと考えているようです。

 資格を取得した場合は、一定の基準に従って、その資格によって給与や昇進などが決められています。同業他社でも一時金を支給するなど、さまざまなことを行っていることは、ほかの会社から派遣されているエンジニアから聞くことがあります。

 私はまだ転職の経験がありませんが、たまに社員を募集している企業の募集要項などを見ると、一定の実務経験とともに、指定した資格を必要とする会社もあります。このように、この業界で仕事をしていくうえでは、資格取得は有益なように思います。

資格は出世や能力を測る道具ではない

 しかし、出世や仕事の能力を測る道具として資格を用いるのは、筋が違うと思っています。確かに、前述のように資格を取れば優遇されることが多い業界だと思います。しかし、実際にある資格を持っている人に、その資格に関連する技術的なことを聞いても、質問に答えることができない場合があります。逆に、資格を持っていなくても、別に困ることなく普通に仕事をしている人はたくさんいますし、資格を持っている人以上にその分野の技術に詳しい人もいます。一概に資格を持っている、持っていない、ということだけでは、その人のスキルを測る判断材料にならないと、業務を通してよく感じます。

プロセスが大事か、結果が大事か

 ある人から、資格を取得することに執着するのではなく、勉強をし続け、知識を身に付けていくことを重視しなければならないという意見を聞いたことがあります。しかし、それとは逆に結果がすべてだという人もいます。この2つの意見は、相いれないもののように感じますが、どちらもとても大切なことだと思っています。

 私は、もともと大学の学部は情報系ではないので(そもそも理系の人間でもありません)、この業界に飛び込んだ当初、コンピュータを操作するのがやっとというレベルでした。そのため、入社当初から資格を取得することは、経験も知識もない人間が仕事をし続けるうえで必要なことだと考えていました。それもあって、現在も次のステップに進むために、資格取得を目指しています。

私のエンジニア像は

 資格についての考え方は、それこそ千差万別で、さまざまな考え方があるでしょう。私自身は、資格を持ちながらも内容を伴ったエンジニアになりたいと考えています。ただ、資格を取得しようと思っていても、なかなか自分自身でうまく時間管理ができず、最近も悲しい結果となってしまいました。これにめげずに再挑戦しようと思っています。

 資格がよいか悪いかは、このように一言ではいえません。ただ、どうせ資格がこの世の中にあるのであれば、うまく資格を活用すること(勉強のため、知識の整理のためなど)を私はお勧めします。

筆者紹介
KSR-IIさん仕事はそれなりにやっている文系出身のエンジニア。趣味が酒になってしまっていたのを反省し、最近3年ぶりに単車を購入した。秋晴れの休日はどこへ行こうかと、常にウキウキしているという。

「リレーエッセイ エンジニアに資格は必要か?」



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