英語が苦手なITエンジニア必見!
体験レポート TOEIC 600点への道
第2回 スタートレックでヒアリング能力を高める

北浦訓行
2001/8/10

■教材の選択理由

現在のTOEICの点数430点。第85回のTOEICを受けた筆者の点数は!?

 英語の勉強を始めて1カ月が過ぎました。前回の記事から今回までの学習状況は、学習日記を付けていますので、そちらもご覧ください。今回は、使っている教材の詳しい内容を紹介します。前回紹介した3つのソフト、サービスのうち、現在はソースネクストの「英語上達 スタートレック ミレニアムパック」を使っています。新宿の家電量販店で9880円で購入しました。「英語上達」シリーズには、スタートレックのほかにも、「刑事コロンボ」や「ジェシカおばさんの事件簿」「ビバリーヒルズ青春白書」といった有名人気ドラマを題材にしたものがあります。

 「英語上達」を選択した最大の理由は、「勉強を続けるには興味が持続することが大切」だと考えたからです。これまでも、英語を勉強しようと、本を買ったり、英会話のテープを聞いたりしましたが、どうしても続きませんでした。スタートレックならば、子どものころから親しんできましたし、いまもケーブルテレビの放送を見ていますから、興味が持続するハズです。

 私にとって心配な点は、「英語上達」はTOEICの点数向上を目指した教材ではないということです。英語でコミュニケーションが取れるようになるのであれば、TOEICの点数なんてどうだっていいのですが、連載のタイトルを考えるとそうもいってはいられません。とはいうものの、今回は「点数」よりも「持続」に重点を置いて教材を選択しました。

ご注意!
 この企画では、学習ソフトが役に立つかどうかについてレポートしていますが、学習方法や学力アップの判定方法について、(いうまでもなく)学術的な手法は取っていません。また、結果については筆者個人の能力によるものであり、すべての方に有効または無効とは限りませんし、それを筆者およびアットマーク・アイティ社が保証するものでもありません。このレポートは参考とするにとどめ、学習については自己の責任において行ってください。

■「英語上達」の学習方法

 「英語上達」による学習には3段階あります。STEP 1は「レッスンモード」です。約700シーンの会話がオリジナルの音声で収録されていて、通常の速度とゆっくりした速度で何度でも聞くことができます。また、セリフを吹き出しで表示したり、日本語訳や1つの単語の意味を表示することもできます。

吹き出しでセリフを表示した「レッスンモード」の画面。日本語訳や吹き出しで選択した単語の意味は、画面右に表示されます。 TM, (R)&(c)1998 Paramount Pictures. All rights reserved. STAR TREK and Related Marks are Trademarks of Paramount Pictures. 英語上達(c)1998 Softrade International, Inc. All rights reserved. U.S. Patent No. 5,697,789, Issue Date December 16, 1997. (以下同じ)

 レッスンモードが、「英語上達」による学習の基本となります。マニュアルには、具体的な学習方法についての記述はありませんが、ソフトのオートデモの中で説明されています。つまり、「オートデモ=学習方法の説明」になっているのです。

 オートデモは、最初の画面で「DEMO」ボタンをクリックしますが、これはいくら何でも不親切すぎます。デモというのはそのソフトの機能を紹介するものですから、通常は購入前に見ます。ある程度PCの操作に慣れた人は、買った後にデモを見ることはないと思います(それは私だけ?)。マニュアルには、ちょうど中ほどに「オートデモ」の見出しがあって、「『英語上達』には、学習をスムーズに進めるガイドとなる、わかりやすいオートデモがついています。学習を始める前にぜひ一度ごらんになることをお奨めします」と書かれていますが、この文章に目をとめる人はほとんどいないのではないでしょうか。

 「DEMO」ボタンを「学習方法について」という名前に変えるだけで、「英語上達」を初めて使う人はオートデモを見るでしょう。開発元には、配慮をお願いしたいものです。

「英語上達」を実行すると最初に表示される画面。「DEMO」ボタンをクリックすると、オートデモという名前の学習方法の説明が行われます。

 オートデモで推奨されている学習方法は、以下のとおりです。

 まず、通常の速度で会話を何度も聞いて発音やセンテンスに耳を慣らし、聞き取れない場合は遅い速度で繰り返し聞きます。次に、吹き出しを表示させて原文を確認します。吹き出しは、画面上のスピーカーマークにマウスポインタを合わせることによって表示できます。

 英単語の意味が分からないときは、その単語をクリックすると、画面の右側に単語の意味が表示されます。ここで表示される内容は英和辞書と同じです。従って、原文で使われているものだけではなく、その単語の持つ意味や単語の発音を確認することができます。単語をダブルクリックすると、ネイティブスピーカーが発音する映像が表示されます。

ネイティブスピーカーが発声する様子が動画で表示されます。この画面だけを見るとちょっと不気味ですが、意外と役に立ちます。

 また、発音を確認するために、自分の声を録音し、ネイティブスピーカーの発音と比較することもできます。ただし、比較といっても、両方の音が順に再生されるだけです。残念なことに、最近の英会話学習ソフトに付いている音声認識システムを使った発音採点機能はサポートされていません。

 それぞれの単語の意味や発音を把握したら、セリフの意味を考えます。「和訳」ボタンをオンにすると、画面右上に日本語訳が表示されます。これで、1つのセリフが理解できたことになります。1つのセリフを録音して、比較することもできます。

 意味が分からない単語や文章は、スタディリストに記録することができます。スタディリストは、ファイルに保存したり、印刷することができます。通勤時などに復習する際に役立つでしょう。

 STEP 2は「シネマモード」です。シーンを連続して再生し、これまでのレッスンでどれくらい聞き取れるようになったかをチェックします。シネマモードでは、原文を表示したり、日本語訳を表示したりできます。また、何も表示せずに、ヒアリングの実力を試すこともできます。

シネマモード。吹き出しのオン/オフなどはワンクリックで切り替えることができます。

 STEP 3は「リスニング専用CD」による耳慣らしです。このCDは、PC用のソフトウェアではなく、音楽CD(CDプレーヤで再生するCD)になっています。入っているのは、オリジナルとは別のネイティブスピーカーが発音したセリフです。日本語でもそうですが、人によって発音は若干異なります。別の人の発音を聞いて、英語に耳を慣らせることによって、英語に対する自信を深めるのです。

■「英語上達」の効果はいかに?

 繰り返しになりますが、「英語上達」で勉強を始めて1カ月が過ぎました。スタートレックに対する私個人の興味とこの連載への使命感によって、学習を継続することができました(仕事で時間が取れない時期がありましたが)。単語力の不足はさておき(実は一番重要なのですが)、リスニングに関してはそれなりに効果が出てきたように感じます。ネイティブの速度ではまだまだ聞き取れないことが多いのですが、ゆっくりの速度ではだいたい聞き取れるようになりました。

 「英語上達」のスタディリストには、大いに不満(7月の学習日記)がありますが、それ以外の学習機能に関しては、おおむね満足しています。

 コラムにもあるとおり、先日2回目のTOEICを受験しました。結果は第3回の原稿でお知らせします。もちろん、今後も学習を続けていきますし、学習日記も随時更新します。

コラム:第85回 TOIEC受験の結果
 7月29日に「第85回 TOEIC」を受験しました。結果を一言でいうならば「惨敗」です。正直に告白します。曲がりなりにも1カ月勉強したことによって、ヒアリングに関しては若干の自信と期待がありました。

 最初の20問(写真を見て質問の答えを選択する問題)は、確かに前回よりも手ごたえがあったのです。ところが、次のパートに進んだ途端、私の小さな自信と期待は木っ端みじんに砕け散りました。何をいわれているのか、全然聞き取れないし、もちろん意味も理解できません。頭の中は、就任早々時の外務大臣のようにパニックです。

 「なんだよぉ、全然分かんないじゃん」「まずいぞ、前回よりも出来が悪い」「でもこれってネタになる。ライターとしてはちょっとおいしいかも(つくづくバカですねぇ)」。そんな思いが頭の中をグルグル回り、気が付くと問題を聞き逃していたり……。初めて受けたとき(結果は430点)は、「分かった答えが2割、自信ないけど答えたのが2割、残りがカン」でした。今回は「分かった答えが1割、自信ないけど答えたのが1割、残りがカン」です。しかも、時間配分がうまく行かず、最後の20問は満足に取り組むことすらできませんでした。おそらく、得点は前回を下回るでしょう。

 英語が少しでもできる人ならお分かりでしょうが、集中力が切れて日本語で考え始めると、頭を英語モードに戻すことが難しくなります。特に、TOEICのような試験では、英語の実力もさることながら、頭を英語モードに維持できるかどうかが勝負(?)の分かれ目になるのです(いかにも分かったようなことを書いていますが、これは英語ができる人の受け売り)。ですから、今回の私のように、日本語で考え始めた時点でアウトということになります。

 唯一の救いは、妻の「私もTOEICを受けると、自分って英語ができないなぁって思うよ」という一言です(単なる慰めでしょうか?)。泣いても笑っても(笑うことはまずありませんが)、結果は8月末に出ます。次回、この連載のタイトルが、「TOEIC 500点への道」に変わっていたとしても、それは誤りではありません。結果のひどさにサジを投げた筆者をなだめすかすために、編集者が考えた苦肉の策なのです。

担当編集者からの緊急告知
 当連載開始前に、筆者とは十分な打ち合わせを行い、TOEICの目標点数を600点にすることになりました。しかし、上記コラムで筆者が告白しているように、第85回 TOEIC試験の結果によっては、前回の430点を大幅に下回ることも予想され、その場合、担当編集者としては、筆者ならびに当社編集局で協議し、連載タイトルの変更の可能性があることを、ここでお知らせいたします。今後、連載タイトルが変更した場合、読者の皆さまには大変ご迷惑をおかけいたしますが、何とぞご容赦、ご理解をたまわりたく、お願い申し上げます。本当に困った筆者です。

「連載 TOEIC 600点への道」


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