アフラックダイレクトドットコム株式会社

メール配信マーケティングシステムの導入で、
配信効率を大幅アップ

松本 すみ子

2002/1/9

 
郵送によるダイレクトメールに比べて、各段に反応が良いこと、費用と手間が掛からないことなどにより、電子メールを販促手段の重要な柱として活用する会社が増大している。まして、ネットビジネスを展開している会社にとっては、その効率化は死活問題だ。その中でどのようなメール配信システムを構築するか、複数のソリューションからを選び、どう使うかに企業の浮沈が掛かっている

  配信先の増大に、どう対処するか

 アフラックダイレクトドットコムは、アメリカンファミリー生命保険会社(社名略称:アフラック)とエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(社名略称:NTTコムウェア)が合弁で設立した日本初のインターネット専用の保険販売会社だ。事業の開始は2000年7月。電子メールは、ホームページと並ぶユーザーへの重要な情報発信手段との認識で、設立当初からメール配信サービスを重視してきた。1999年夏は、資料請求者など約1万人を対象に、実験的に始めたシステムをそのまま利用。これは市販のメール配信ソフトを使ったもので、顧客や登録者に対してメール配信を行っていた。

 しかし、2000年夏にはキャンペーンなどが功を奏し、配信数は4万人を超える規模にまで拡大。従来のシステムでは対処し切れなくなってきた。問題は、1回に送信できる配信先が限られているだけでなく、必要な年齢や性別などの属性を絞り込んでメールを配信するといった、マーケティングに不可欠な機能が備わっていないことだった。今後、さらに会社が成長するには、柔軟性で拡張性のあるシステムへの移行が急務となっていた。

  セキュリティを重視、自社内でのシステム構築・運用を選択

 システムの選択に当たっては、パッケージソフトの導入、ASPの利用、自社開発などが検討された。パッケージソフトを社内に導入すると、すべて自社内で管理・運用することになり、セキュリティに関しても自社で責任を持てるという利点がある。一般に、パッケージソフトを導入する納品型は初期導入コスト、ASPはランニングコストが掛かるが、長い目で見た場合や配信数が多い場合、納品型のほうがコストパフォーマンスは良いといわれる。

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 ASP=Application Service Providerは、ネットワークを通じてアプリケーションの機能を提供する業者のこと。ASPでは業者にアウトソーシングする形になり、メールアドレスなどをはじめとするユーザーの個人情報をASP業者に預けなければならない。共有サーバなどで運用されることが多いため、預けた顧客のデータは、ほかのASPユーザーのデータと背中合わせのような状態で保存・運用されることになり、セキュリティに問題があると考えられた。同社のように顧客情報の管理を重要視している企業では、ユーザーのプライバシーに関するデータを外部に預けることは考えられない。当然、ASPは除外された。

 また自社開発については、必要となるコストと時間の両方からまったく折り合いがつかず、選択肢にはなり得なかった。結局、残ったのはパッケージソフトの自社への導入だった。コスト面とセキュリティの両立を図ろうとした場合、それが現実的と考えられたのである。

  Webでユーザー自身が登録できる

 システム選択に際して、アフラックダイレクトドットコム株式会社 IT企画部システムエンジニアの牛島康哉氏は、次のような要求項目を持っていたと語る。

  1. 住所や年齢、性別などの属性を絞り込んで、属性別メール配信が簡単にできること
  2. メール配信日時の設定が容易なこと
  3. メール配信サービスの設定をWebブラウザから安全に行えること(SSLで暗号化されている)
  4. オプトアウト(配信停止依頼や登録内容の変更作業)の処理も、ユーザーが自分自身で行えること
  5. コストパフォーマンス

 この条件に合ったのが、「HDE Customers Care」だった。これは、顧客の属性とメールアドレスの統合管理を行えるマーケティングツールである。データベースを利用した配信ターゲットの絞り込みや、iモードも含むWebフォームとデータベースの連携、あらかじめ登録された顧客の興味に応じた情報の配信、配信日時予約機能などを備えている。操作はすべてWebブラウザから行えるので、操作側のOSを選ばない。サポートするプラットフォームはLinuxとSolarisである。

 アフラックダイレクトドットコムのシステムの場合は、メール配信システムサーバのOSはRed Hat Linux 6.2J、CPUはPentiumIII/600MHz、メモリは256Mbytes。8.3GbytesのHD 2基によるミラーリングを行う。Webなどで収集したデータをCSV形式でメール配信サーバのデータベース(PostgreSQL)に登録し、メール配信者がブラウザ上でメール文章作成、メール配信者抽出などのメール配信作業を行う。これにより、1時間当たり3000人までの配信が可能となった。

 HDE Customers Care基本システム構成図

  セキュリティとコスト削減に効果あり

 同社では、HDE Customers Careの導入効果にはかなり満足している様子だ。これまでは、セグメントされたユーザーごとに配信する文面を切り分ける作業や、ユーザーからの配信停止依頼(オプトアウト)の処理に、大変な時間とコストが掛かっていた。いまでは、HDE Customers CareのWeb-DB連携機能により、オプトアウトの処理はユーザー自身がWeb上で行う。これだけでも、時間的・金銭的なコスト削減はかなりのものである。

 また、同社では、資料請求や懸賞への応募など、複数のチャネルからメールの購読希望を受け付けており、それらのデータを1つのデータベースで一元管理する必要がある。HDE Customers Careの顧客抽出機能を活用することでセグメントごとにメールを配信できるため、セグメントを切り分けるための時間、コストは大幅に削減される。その結果、より顧客に合わせた内容のメールを頻繁に配信できるようになり、顧客の満足度向上につながっている。

  One to Oneマーケティングの実現へ

 HDE Customers Careのインターフェイスは非常に使いやすく、また、データベースへのデータの注入もCSV形式で簡単に行えたため、同社では導入時の苦労はほとんどなかったという。ただし、運用上の問題として、顧客自身がWebでデータ登録を行うため、データの管理作業に手間が掛かることがあるようだ。どのデータが入力されていて、どのデータが入力されていないかを、定期的にチェックしなければならないからだ。

 また、効果測定に関しても現状では毎回手作業で実施する必要があるために、集計作業を継続して行おうとすると手間が大変だという。

 将来のビジョンとしては、ユーザーの経歴データなどほかのデータも取り込み、データマイニングなども活用して、ユーザーが望んでいる情報・ニーズをさらに細かく分析し、必要な情報やサービスを提供していくつもりだ。それにより、本当の意味でのOne to Oneマーケティングというレベルまでに持っていくのが理想だという。

 メール配信機能自体はそれほど難しい技術ではないが、配信量が多くなれば、手間やコスト、セキュリティなどの面で問題が発生し、適切なソリューションがなければ破綻してしまいかねない。その一方でメールマーケティングの持つ可能性は大きい。そこにどのような意味を見いだし、どう効果的に使っていくか、ほかにシステムとどのように連携させるか、各社各様の使い方が問われる。

Corporate Profile
アフラックダイレクトドットコム株式会社
所在地:東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス22F
TEL:0120-155-255
設立:2000年5月11日
事業開始日:2000年7月5日
URL:アフラック会社概要ページへ

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