読者調査結果発表IT Business Review(2)

» 2000年12月26日 12時00分 公開
[小柴 豊,@IT]

 2000年11月から12月にかけて行った第2回IT Business Reviewアンケートでは、「Webのビジネス利用」に注目し、フォーラム読者が関与するサイトの活動目的や、導入しているマーケティングツールについての実態把握を試みた。

 本題に入る前に、読者のWebビジネスへの取り組み状況を確認しておこう。

(図1)Webサイトを活用したビジネスやサービスへの関与状況

この結果(図1)から、自社/客先合せておよそ8割の読者がWebビジネスに携わっていることが分かった。ここからはこのWebビジネス関与者(71人)にしぼって、そのビジネス目的などを見ていくことにする。

Webサイト構築の主目的は、コミュニケーションからB2Bへ

 仕事でWebに関わっているといっても、広報的なサイトからECまでその種類は多様だろう。そこでWebサイト構築の活用目的(活動内容)について、以下の6つの項目から「現在の主な目的」「今後取組みたい内容」の各々にあてはまるものを尋ねた。その結果が(図2)である。

  1. 自社情報発信+受け手からフィードバックを得るコミュニケーション
  2. コンテンツやポータル機能等でアクセスを増やし、広告収入を得る
  3. 消費者向け(B2C)電子商取引ビジネス
  4. 企業間(B2B)電子商取引ビジネス
  5. ソフトウェア機能をインターネット経由で提供するASPビジネス
  6. その他
(図2)関与しているWebサイトの活動目的(n=71 複数回答 %)

  • 「現在の主な目的」では“コミュニケーション”を挙げる人が過半数(62%)となった。それに比べると収益に直結する活動の実施率は、まだ全般的に高くはない。
  • 「今後取組みたい内容」では“企業間電子商取引”の実施意向がおよそ6割に達しており、Webビジネス関係者の B2B への期待の大きさを感じさせる結果となった。

 今後、企業の中でのWebサイトの位置付けは「コミュニケーション手段の一環」から「本業を支えるインフラ」へと大きく変化していくのかもしれない。

今後のWebビジネスで重視されるマーケティング機能/ツールは?

 次に上記のようなWebビジネスのマーケティング活動を支援する機能(ツール)について、下記の8つの項目から「現在導入している機能」「今後導入したい機能」にあてはまるものを尋ねた(図3)。

  1. ページビューや訪問者数を分析するアクセスログ解析機能
  2. 他サイトから顧客を誘導するアフィリエートプログラムやバイラルマーケティングツール
  3. メーリングリストや電子掲示板等のコミュニティ機能
  4. チェックボックス方式で顧客の嗜好を登録し、Web画面のカスタマイズやオプトインメールを配信する機能
  5. 取引履歴から優良顧客を選別したり、併買状況などを分析するデータマイニング機能
  6. 顧客のプロフィールや行動履歴等から、お薦め商品を生成するレコメンデーション機能
  7. iモードなどの携帯インターネットとの連動機能
  8. その他
(図3)Webサイトで導入しているマーケティング支援機能/ツール(n=71 複数回答 %)

  • 「現在導入されている機能/ツール」ではベーシックな“ログ解析”の他に、“コミュニティ”の導入率が高くなっている。現在の主目的である「コミュニケーション」をより深いレベルで実現するために、コミュニティ機能を付加するサイトが増えているものと思われる。
  • 「今後導入したい機能/ツール」に目を向けると、B2C/B2Bの効率を高める“データマイニング”“レコメンデーション”に加えて、“携帯インターネットとの連動”のポイントが高い点が注目される。

 21世紀にはこれらの機能が多くのサイトで実装され、ケータイ端末の普及率が高い日本ならではの“Mコマース(Mobile Commerce)”が開花する……日が来るのだろうか?

参考記事)【特集】One-to-Oneマーケティングツール

○調査概要

  • 調査方法:IT Business Review サイトからリンクした Webアンケート
  • 調査期間:2000年11月10日〜12月5日
  • 有効回答数:88件

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