2000年11月から12月にかけて行った第2回IT Business Reviewアンケートでは、「Webのビジネス利用」に注目し、フォーラム読者が関与するサイトの活動目的や、導入しているマーケティングツールについての実態把握を試みた。
本題に入る前に、読者のWebビジネスへの取り組み状況を確認しておこう。
(図1)Webサイトを活用したビジネスやサービスへの関与状況
この結果(図1)から、自社/客先合せておよそ8割の読者がWebビジネスに携わっていることが分かった。ここからはこのWebビジネス関与者(71人)にしぼって、そのビジネス目的などを見ていくことにする。
仕事でWebに関わっているといっても、広報的なサイトからECまでその種類は多様だろう。そこでWebサイト構築の活用目的(活動内容)について、以下の6つの項目から「現在の主な目的」「今後取組みたい内容」の各々にあてはまるものを尋ねた。その結果が(図2)である。
- 自社情報発信+受け手からフィードバックを得るコミュニケーション
- コンテンツやポータル機能等でアクセスを増やし、広告収入を得る
- 消費者向け(B2C)電子商取引ビジネス
- 企業間(B2B)電子商取引ビジネス
- ソフトウェア機能をインターネット経由で提供するASPビジネス
- その他
(図2)関与しているWebサイトの活動目的(n=71 複数回答 %)
- 「現在の主な目的」では“コミュニケーション”を挙げる人が過半数(62%)となった。それに比べると収益に直結する活動の実施率は、まだ全般的に高くはない。
- 「今後取組みたい内容」では“企業間電子商取引”の実施意向がおよそ6割に達しており、Webビジネス関係者の B2B への期待の大きさを感じさせる結果となった。
今後、企業の中でのWebサイトの位置付けは「コミュニケーション手段の一環」から「本業を支えるインフラ」へと大きく変化していくのかもしれない。
次に上記のようなWebビジネスのマーケティング活動を支援する機能(ツール)について、下記の8つの項目から「現在導入している機能」「今後導入したい機能」にあてはまるものを尋ねた(図3)。
- ページビューや訪問者数を分析するアクセスログ解析機能
- 他サイトから顧客を誘導するアフィリエートプログラムやバイラルマーケティングツール
- メーリングリストや電子掲示板等のコミュニティ機能
- チェックボックス方式で顧客の嗜好を登録し、Web画面のカスタマイズやオプトインメールを配信する機能
- 取引履歴から優良顧客を選別したり、併買状況などを分析するデータマイニング機能
- 顧客のプロフィールや行動履歴等から、お薦め商品を生成するレコメンデーション機能
- iモードなどの携帯インターネットとの連動機能
- その他
(図3)Webサイトで導入しているマーケティング支援機能/ツール(n=71 複数回答 %)
- 「現在導入されている機能/ツール」ではベーシックな“ログ解析”の他に、“コミュニティ”の導入率が高くなっている。現在の主目的である「コミュニケーション」をより深いレベルで実現するために、コミュニティ機能を付加するサイトが増えているものと思われる。
- 「今後導入したい機能/ツール」に目を向けると、B2C/B2Bの効率を高める“データマイニング”“レコメンデーション”に加えて、“携帯インターネットとの連動”のポイントが高い点が注目される。
21世紀にはこれらの機能が多くのサイトで実装され、ケータイ端末の普及率が高い日本ならではの“Mコマース(Mobile Commerce)”が開花する……日が来るのだろうか?
参考記事)【特集】One-to-Oneマーケティングツール
○調査概要
- 調査方法:IT Business Review サイトからリンクした Webアンケート
- 調査期間:2000年11月10日〜12月5日
- 有効回答数:88件
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