帳票の実現

帳票ソリューションの事例を教えてください

テンアートニ 中越智哉
2001/9/28

 ここでは、WebアプリケーションでPDFによる帳票出力を実現している事例をご紹介します。

■ネットワークサービス申込書作成支援システム

 このシステムは、ある大手通信事業会社の、法人向けネットワークサービスの申込書の作成を、Webブラウザを介して行い、申込書のプレビューや印刷を、PDF形式の文書を用いて実現するというものです。この会社では、従来クライアント/サーバ型で構築していたシステムを、一度Webベースのシステムにリプレースしていたのですが、エンドユーザー、そしてシステム管理担当者からは以下のような不満があったそうです。

  1. 従来のクライアント/サーバ型はクライアントの運用・保守にコストがかかりすぎる
  2. 帳票をHTMLで作成しており、印刷時の表現能力に不満
  3. クライアント/サーバ型のシステムをそのままJava化(アプレットベース)していたため、レスポンスが悪い

 そこで、次のような解決策をとることとし、弊社がそのシステム構築を担当することになりました。

  1. に対しては、Webアプリケーション化によりクライアント側のセットアップ作業をなくす
  2. に対しては、PDFなどの高品位な出力をJava経由で行うことのできるフレームワークを採用する
  3. に対しては、3階層モデルのWebアプリケーションとして設計し、クライアント側のロジックを排除し、レスポンス向上を図る

 このシステムの開発には、テンアートニでのWebアプリケーション開発において数多くの実績を持つフレームワーク製品であるWebWorkBenchを採用し、さらにそのフレームワークに組み込んで使用できる帳票処理フレームワークを適用して、Webアプリケーション経由でのPDF出力を実現しています。この帳票処理フレームワークもテンアートニで開発し、多くの実績を持つ製品です。

 このシステムに求められる機能は、以下のようなものです。

●新既契約、契約変更、解約の申し込み内容入力
  この部分については、HTMLフォームを用いて実現しています。

●申込書プレビュー、印刷出力
  この部分については、帳票処理フレームワークを用いています。

 このシステムの構成を図にまとめたものが、下図です。

システム構成図

■導入効果

 このシステムの導入によって、以下のような効果がありました。

●PDFを使用することで、申込書の表示、印刷の品質が格段に向上

●オペレーションのレスポンスが高い
 営業サイドの作業効率向上につながりました。

●契約内容の変更が容易
  それまでは契約内容の変更は、専用の帳票に手書きで書き写す必要があったのですが、帳票出力がWebアプリケーションと連動することで、その必要もなくなり、営業サイドの作業効率が向上しました。

●管理者がサーバサイドのメンテナンスに集中できる
 サービス品目追加に柔軟に対応でき、管理者のプログラム保守工数削減につながります。

など、Webアプリケーションと帳票処理を組み合わせたことによるメリットが生かされたシステムになっているといえるでしょう。

「Java Solution FAQ」




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