ステップバイステップで学ぶ

初めてのWebアプリケーション・サーバ




第1回 開発者キットの入手とDB2のインストール

 
 インストールの開始

まず、WASの実行環境を作ります。必要なものは次のとおりです。

● IBM DB2 UDB V6.1 + fixpack4
 DB2 UDB(以下DB2)はIBMのRDBMSです。多くのWebアプリケーションはデータベースへのアクセスを行っており、Webサーバとともに必須の製品といえます。

●IBM HTTP Server 1.3.12
 IBM HTTP Server(IHS)は世界で最も普及しているApacheをIBMが拡張したものです。Windowsプラットフォームでの高速キャッシュ機能とすべてのプラットフォームでのセキュリティ機能を提供しています。

●IBM WebSphere Application Server V3.5 + fixpack2(*1)
●Microsoft Internet Explorer V5.0(*2)

(*1)fixpack2はこちらからダウンロードしてください。
(*2)開発環境のVisualAge for Java V3.5のオンライン・ドキュメントを読むためにはInternet Explorer V5.0以降が必須となります。

 インストールのステップは次のとおりです。このステップは筆者が実際に実験してみたインストール方法なので、必ずこの順番に作業を進めてください。

1 ユーザーの作成
2 ネットワーク・アダプタのインストール
3 Internet Explorerのインストール
4 DB2のインストール
5 WASのインストール

 手順が多くなりますので、今回はDB2のインストールまでを説明します。


1. ユーザーの作成

 これからWindowsのユーザーを作成します。作成するのはAdministratorsグループのユーザーとPower Usersグループのユーザーです。前者はこれからのインストール作業に使用するもので、後者は今後の開発作業で使います。

■Windows2000 Professionalでのユーザーの追加手順

1.コントロールパネルを開きます([スタート]→[設定]→[コントロールパネル])

2.「ユーザーとパスワード」を開きます(ユーザーとパスワード」アイコンをダブルクリック)
画面1 ユーザーとパスワードのアイコン

3.初めにAdministratorsユーザーを作ります(「ユーザーとパスワード」の中段にある[追加]ボタンをクリックし[新しいユーザーの追加]を開く)

4.[新しいユーザーの追加]でユーザー名「wsadmin」、フルネーム「wsadmin」、説明「WebSphere Administrator User」を入力し、[次へ]ボタンをクリックします
画面2 新しいユーザーの追加

5.次のページでパスワード「wsadmin2」を入力し、[次へ]ボタンをクリックします

6.最後のページで「その他」を選択し、「Administrators」を選択します
画面3 許可アクセス権の選択

7.[完了]ボタンをクリックして「ユーザーとパスワード」に戻ります

8.今度はPower Usersユーザーを作ります。もう一度、[追加]ボタンをクリックし、[新しいユーザーの追加]を開きます

9.[新しいユーザーの追加]でユーザー名「wsdemo」、フルネーム「wsdemo」、説明「WebSphere Demonstration User」を入力し、[次へ]ボタンをクリックします

10.次のページでパスワード「wsdemo1」を入力し、[次へ]ボタンをクリックします

11.最後のページで「標準ユーザー」を選択し、[完了]ボタンをクリックして「ユーザーとパスワード」に戻ります


12.最後に[OK]ボタンをクリックして「ユーザーとパスワード」を閉じます

 これ以降、特に断りのない限り、インストール作業をするときはwsadminユーザーでログインして行い、開発作業はwsdemoユーザーでログインして行います。

 それでは、次のステップに進みましょう。次はネットワーク・アダプタのインストールです。

2. ネットワーク・アダプタのインストール

 WASをインストールするにはサーバに固定IPアドレスを設定しておく必要があります。ここではネットワークには接続せず、スタンドアロンでテストするための環境を設定します。設定する内容は次のとおりです。

 ネットワーク・アダプタにMicrosoft Loopback Adapterを使い、通信プロトコルにTCP/IPを使います。IPアドレスは192.168.0.1、サブネットマスク値は255.255.255.0とし、デフォルト・ゲートウェイサーバは空白のままにします。

■Windows2000 Professionalでのネットワーク・アダプタの追加手順

1. 「システム情報」を開きます([スタート]→[プログラム]→[アクセサリ]→[システム ツール]→[システム情報])

2. 「システム情報」のメニューから「ハードウェア ウィザード」を開きます([ツール]→[Windows]→[ハードウェア ウィザード])

3. 「ハードウェアの追加と削除ウィザード」で[次へ]ボタンを2回続けてクリックします

4. 「ハードウェア デバイスの選択」が表示されたら、デバイスのリストから「新しいデバイスの追加」を選択して[次へ]ボタンをクリックします
画面4 ハードウェア・デバイスの選択

5. 「新しいハードウェアの検索」で「いいえ、一覧からハードウェアを選択します」を選択して[次へ]ボタンをクリックします
画面5 新しいハードウェアの検索

6. 「ハードウェアの種類」で「ネットワーク アダプタ」を選択して[次へ]ボタンをクリックします
画面6 ハードウェアの種類

7. 「ネットワーク アダプタの選択」で製造元「Microsoft」、ネットワーク・アダプタ「Microsoft Loopback Adapter」を選択して[次へ]ボタンをクリックします
画面7 ネットワーク・アダプタの選択

8. 「ハードウェアのインストールの開始」で「Microsoft Loopback Adapter」が表示されていることを確認して[次へ]ボタンをクリックします
画面8 ハードウェアのインストールの開始

9. 最後に「ハードウェアの追加と削除ウィザードの完了」で[完了]ボタンをクリックします
 次にTCP/IPプロトコルに固定IPアドレスを設定します

■Windows 2000 ProfessionalでのTCP/IPプロトコルの追加・設定手順

1. 「ネットワークとダイアルアップ接続」を開く。デスクトップにある「マイ ネットワーク」アイコンを右クリックして「プロパティ」を選択します
画面9 マイ・ネットワークのアイコン

2. 「ネットワークとダイアルアップ接続」の中から「ローカル エリア接続」アイコンを右クリックして「プロパティ」を選択します。「ローカル エリア接続」アイコンが複数あるときは下図のようにMicrosoft Loopback Adapterを使っているものを選びます
画面10 ローカル・エリア接続

3. ローカル・エリア接続のプロパティの中段にあるリストの中から「インターネット プロトコル(TCP/IP)」を選択して[プロパティ]ボタンをクリックします
画面11 インターネット・プロトコル(TCP/IP)のプロパティ

4. インターネット・プロトコル(TCP/IP)のプロパティで「次のIPアドレスを使う」を選択して、IPアドレス「192.168.0.1」、サブネットマスク「255.255.255.0」を入力して[OK]ボタンをクリックします
画面12 IPアドレス

5. 最後にローカル・エリア接続のプロパティの[OK]ボタンをクリックして終了します。  「ローカル エリア接続」の状態で接続されていることを確認してください

■Windows 2000 Professionalでの接続の確認手順

1. 「ネットワークとダイアルアップ接続」の中から「ローカル エリア接続」アイコンを右クリックして[状態]を選択します

2. 状態が接続になっていることを確認します
画面13 接続の状態

3. 確認したら[閉じる]ボタンをクリックして終了します

 これでネットワーク・アダプタのインストールが完了しました。次にInternet Explorerのインストールを行います。


3. Internet Explorerのインストール

 Internet Explorer(IE) V5.5をインストールして使います。Windows 2000 Service Pack 1でもIE V5.01 SP1がすでにインストールされているので、これをそのまま使うこともできます。IEのインストール手順は雑誌などに紹介されているのでここでは省略します。IEのインストールが終わったら、DB2のインストールへ進みます。

DB2のインストール


初めてのWebアプリケーション・サーバ
  WebSphere V3.5開発者キットを入手する

インストールの開始
  1.ユーザーの作成
  2.ネットワークアダプタのインストール
  3.Internet Explorerのインストール

    4.DB2のインストール


連載内容
 

第1回 開発者キットの入手とDB2までのインストール
第2回 WebSphereのインストールと動作確認
第3回 WebSphereを使う前の基礎知識
第4回 WebSphere Studioで開発するための準備
第5回 MVCモデルとWebSphere+VisualAge for Javaの連携
第6回 PageDesignerによるJSP開発
第7回 EJBツールによるEJB開発




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