ステップバイステップで学ぶ

初めてのWebアプリケーション・サーバ




第4回 WebSphere Studioで開発するための準備

 2.WebSphereテスト環境を使う準備

 それでは早速WebSphereテスト環境(WebSphere Test Environment)を使ってみましょう。WebSphereテスト環境は、WASを使わずにVAJ単体でWASの実行エンジンをエミュレーションし、サーブレットやJSPなどのデバッグをシームレスに行えるようにしたものです。

 WebSphereテスト環境について何も知らずに作業を始めてしまうとStudioとVAJを連携させるときに、どうしてこうするの? といった疑問点がたくさん出てきてしまいます。そこで、前もってWebSphereテスト環境の設定方法などについて一通り説明をしておきます。ここからは「wsdemo」ユーザーで作業を行います。

VisualAge for Java(VAJ)の開始

1. VAJを起動します。[スタート]−[プログラム]−[IBM VisualAge for Java for Windows V3.5]−[IBM VisualAge for Java]を選択します

2. VAJを初めて起動するとAdministratorのネットワーク・ログイン名を尋ねるウィンドウが現れます。このAdministratorとはその名のとおりVAJの管理者を意味しています。チーム・サーバーへのセットアップやユーザーの管理などの作業を行うためのユーザーです。実際にプロジェクトを開発する際は新規にユーザーを作って作業をします。VAJのエンタープライズ版はチーム・サーバーを使って開発することを想定して作られているので、ユーザー名とネットワーク・ドメイン・ユーザーをリンクさせて登録しなければなりません。ここではローカルだけで作業をしますので、とりあえずローカルのユーザーである「wsadmin」をAdministratorとしておきます。「wsadmin」と入力して[OK]ボタンをクリックします

画面1 「wasadmin」と入力してログインする

3. [Welcome to VisualAge(VisualAgeにようこそ)]が現れました。
「Go to the Workbench(ワークベンチへジャンプ)」を選択して[OK]ボタンをクリックします

画面2 「Go to the Workbench」を選択する

4. これでやっとVAJワークベンチを開くことができました

画面3 起動したWorkbench

5. それではWebSphereテスト環境に必要なフィーチャーを追加します。メニューから[File(ファイル)]−[Quick Start(クイック・スタート)]を選択します

6. [Quick Start]にはVAJワークベンチで行える作業を4つに大別して用意しています。フィーチャーの追加もここから行えるようになっています。左側のメニューから「Features(フィーチャー)」を選択して、右側に表示された2つのメニューから「Add Feature(フィーチャーの追加)」を選択し、[OK]ボタンをクリックします


画面4 「Add Feature」を選択する

7. [Selection Required(項目の選択(必須))]が現れ、そこにはたくさんのフィーチャーがリストされているのが分かります。ここから「IBM EJB Development Environment 3.5」(EJB開発環境)を選択し、[OK]ボタンをクリックします。この「IBM EJB Development Environment 3.5」には、いくつかの必須のフィーチャーがあり、その中には「IBM WebSphere Test Environment 3.5」も含まれています。ですから、EJB開発環境を追加するだけで、WASのエミュレートに必要なすべての環境が自動的に整うわけです

8. フィーチャーの追加が終わるとVAJワークベンチの[All Project(すべてのプロジェクト)]にはたくさんのプロジェクトが追加されたのが分かります。このままですと少し見づらいのでプロジェクトの表示方法を変更します。メニューから[Window(ウィンドウ)]−[Flip Orientation(向きの反転)]を選択します。すると「All Project」の枠が縦方向に伸び、本当にすべてのプロジェクトが見渡せるようになったはずです

画面5 すべてのプロジェクトが見渡せるようになる

9. 次はVAJの新規ユーザーを作ります。VAJのエンタープライズ版はチーム開発機能を持っており、そのためのユーザーを作ることができます。ユーザーはチーム・サーバーにアクセスするためにネットワーク・ドメインのユーザーとリンクしていなければなりません。これから作る新規ユーザーはローカルでしか使いませんので「wsdemo」を使います

10. メニューから[File]−[Quick Start]を選択して「Quick Start」を開きます

11. 「Quick Start」の左側のリストから「Team Development(チーム開発)」を選択し、右側に表示されるリストから「Administer Users(ユーザーの管理)」を選択し、[OK]ボタンをクリックします

画面6 「Administer Users」を選択する

12. [User Administration(ユーザー管理)]が開いたら右側の「User(ユーザー)」の枠内にUnique Name(固有名)は「MASAXI@jp.ibm.com」、Full Name(完全名)は「Masaki Ono」、Network Login Name(ネットワーク・ログイン名)は「wsdemo」とし、[Save(保管)]ボタンをクリックします。そしてユーザーが左側のリストに追加されたら、[Close(クローズ)]ボタンをクリックして、[User Administration]を閉じます

画面7 User Administrationでユーザーを設定する

13. 今度はいま作ったユーザーをVAJワークベンチのワークスペース所有者にします

14. メニューから[Workspace(ワークスペース)]−[Change Workspace Owner...(ワークスペース所有者の変更...)]を選択します

15. ユーザーのリストが現れたら、いま作ったユーザーを選択して[OK]ボタンをクリックします


画面8 作成したユーザーでログオンする

16. これで、ワークスペース所有者が変更されました。ワークスペース所有者はウィンドウのタイトル・バーに表示されています。また、[Resources(リソース)]タブを開けば、プロジェクトとその所有者(Owner)をリストして見ることができます。チーム開発機能ではプロジェクトの所有者のみがプロジェクトに対してバージョンを付けることができるようになっています

画面9 ワークスペース所有者が変更されたところ

プロジェクトを開発できるユーザーの管理は[Managing(管理)]タブを開いて行うことができます。

画面10 ユーザーの管理は[Managing]タブで行う

 次はWebSphereテスト環境をデフォルトの構成で動かしてみます。


3.WebSphereテスト環境の稼動

初めてのWebアプリケーション・サーバ(第4回)
  1.開発ツールのインストール
2.WebSphereテスト環境を使う準備
  3.WebSphereテスト環境の稼動
  4.データソースの構成
  WebSphere Studio 3.5.2 Entry Editionのインストール
  VisualAge for Java 3.5 Entry Enterprise Editionのインストール

連載内容
 

第1回 開発者キットの入手とDB2までのインストール
第2回 WebSphereのインストールと動作確認
第3回 WebSphereを使う前の基礎知識
第4回 WebSphere Studioで開発するための準備
第5回 MVCモデルとWebSphere+VisualAge for Javaの連携
第6回 PageDesignerによるJSP開発
第7回 EJBツールによるEJB開発


連載記事一覧



Java Agile フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Java Agile 記事ランキング

本日 月間