連載 Eclipseを使おう!(1)

オープンソースのEclipseは
仕事に使える開発環境


NTTデータ ビジネス開発事業本部 山口卓也
NTTデータ 技術開発本部 岡本隆史
2002/12/19


 簡単な操作をしてみる

 さて、Eclipseが起動したら、まず、これから作成するプログラムや設定などの管理の単位であるプロジェクトを作成します。以下のようにしてください。

  1. メニューバーの左上から、「ファイル」→「新規」→「プロジェクト」を選択します
  2. 起動された新規プロジェクトウィザードの左画面で「Java」が選択されていることを確認します。次に、右画面で「Javaプロジェクト」を選択して、「次へ」をクリックします
  3. プロジェクト名」に適当なプロジェクトの名称を入力します。今回は、 定石である「Hello World」を入力します。プロジェクトのデフォルトの保存場所が指定されていますが、「デフォルトの使用」のチェックを外すことで、 別な場所に変更することも可能です
  4. 終了」をクリックします

 画面は以下のようになりました。続いて、パッケージを作成します。以下のような手順になります。

画面2 クリックすると拡大します
  1. メニューバーの左上から、「ファイル」→「新規」→「クラス」を選択します
  2. Javaクラスの作成ウィザードの左画面で「名前」にクラスの名称を入力します。ここでも先ほどと同様、「Hello World」を入力します。 パッケージにしたい場合は、適宜「パッケージ」にも入力してください
  3. このクラスにmain()を作成するため、「public static void main(String[] args)」にチェックをします
  4. 終了」をクリックします

 画面は以下のようになりました。HelloWorld.javaの表示されているウィンドウが、Javaエディタと呼ばれる部分になります。

画面3 クリックすると拡大します

 このエディタのmainの中に、以下を入力します。

System.out.println("こんにちは、Eclipse!");

 「.」だけ入力してちょっと待っていると、補完できる入力の候補が表示されます。待ちたくない場合には、「Ctrl」 +「Space」を入力すれば、すぐに入力候補が表示されます。

 入力は以上です。メニューバーの左上から、「ファイル」→「HelloWorld.javaを保管」を選択してセーブします。なお、保存すると同時に、コンパイルが実行されます。入力にエラーがある場合などは、画面下の「タスク」にエラー情報が出ますので、それを基に修正します。

 では、早速実行してみます。メニューバーの「実行」→「実行」を選択すると、「起動構成」が表示されますので、ここでは「Javaアプリケーション」を選択して「新規」をクリックします。起動時の各種情報が表示されるので、「実行」をクリックすると、コンソールウィンドウが表示され、以下のような画面になります。

画面4 クリックすると拡大します

 なお、この手順はFAQとしてもまとめられています(*5)。これに限らず、各種手順が非常に丁寧にまとめられていますので、適宜参照されることをお勧めします。

コラム 日本語化の際の問題点

 普段利用しているマシンがWindows環境であれば、ほぼ意識する必要はなく使えるのですが、LinuxGTK)環境で日本語を利用しようとすると、以下の問題にぶつかります。

  1. 日本語化されたヘルプの検索について
  2. Javaエディタ内の日本語入力について
  3. プロパティファイルの日本語の扱いについて
    ※Windowsでも同様の問題があります

 では、順に見ていきましょう。

(1)日本語化されたヘルプの検索について

  日本語化されたヘルプを使おうとすると、以下のような問題点が出てきます。

  • 日本語で検索できない
  • 英語で検索しても、検索結果の表示が「??????」と文字化けする

 これは、 以下の理由によるものです。

  • Eclipseのドキュメントは、Windows-31J(IANA登録名。Javaでは、MS932)で書かれている
  • 検索エンジンへの入力は、システムのデフォルトエンコーディングを使用する
  • 日本語のLinux環境では、デフォルトのエンコーディングEUC-JPのため、ヒットしないか、ヒットしても検索結果の日本語表示部分が化ける

 この事象は、バージョン2.1系のCVS版では修正されています(もちろん、WindowsはデフォルトのエンコーディングにWindows-31Jを利用するので文字化けすることなくヘルプを使えます)。

 2.0系の修正版jar(help.jar)ファイルをここからダウンロードして、Eclipseインストールディレクトリ配下のplugins/org.eclipse.help_2.0.2/help.jarと置き換えてください。なお、一度でも検索して文字化けした結果などを表示させている場合は、.metadataディレクトリ配下にキャッシュが残っているので、いったんそのディレクトリを全部消去する必要があります。

(2)Javaエディタ内の日本語入力について

  Linux版(GTK版)では、2.0系の場合、本体のコードが日本語入力に対応していません。エディタ内で直接キーイベントを拾って文字を入力していることが原因ですが、このあたりは、2.1系で修正されつつあるので、正式リリースを待つのがよいでしょう。Windows版は問題ないので、そちらを利用するという選択肢もあります。

(3)プロパティファイルの日本語の扱いについて

  2.0系では、Unicode Escape方式で保存できないため、プロパティファイル(*.properties)に日本語を使いづらく非常に不便です。これについては、Unicode Escape方式に対応したプラグインが提供されています(プロパティファイル用エディタプラグイン、Unicodeエスケーププラグイン)ので、 小物プラグイン」からダウンロードして利用してください。筆者は前者のプラグインを試しましたが、問題なく動作することを確認しました。このようなプラグインを配布してくれる開発者に感謝したいと思います。


 まとめ

 過去、Java Solutionフォーラムで行った読者調査「第5回 読者調査」において、開発環境の状況は、やはり、エディタ+JDKが多数派でした。しかし、関連情報がよくまとまっているサイトも増えつつあり、それらを簡単に入手できるようになった現在、これまで述べたようなメリットが広く認識され、今後Eclipseの利用は急増していくと筆者は確信しています。

 次回は、Eclipseを本格的に利用するに当たって、押さえておきたい基本事項、およびちょっと高度な使い方をご紹介します。

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 INDEX
  Page1
  連載のはじめに
Eclipseとは何か?
開発者のニーズに応じて柔軟に活用できる
  製品版IDEと同等の充実した開発機能
  プラグイン・アーキテクチャ
  動作の速さ、充実したヘルプ
  柔軟なライセンス内容
実際にダウンロードして使ってみよう!
Page2
  簡単な操作をしてみる
コラム 日本語化の際の問題点
  日本語化されたヘルプの検索について
  Javaエディタ内の日本語入力について
  プロパティファイルの日本語の扱いについて
まとめ
  @IT関連記事
  関連情報サイト

筆者プロフィール
山口 卓也(やまぐち たくや)
現在、NTTデータ ビジネス開発事業本部に所属。社内技術支援業務に携わり、主に、J2EEをベースにしたWebシステムに関する障害対応やトラブルシュートから方式設計、オープンソース製品関連のサポートを担当している。

岡本 隆史(おかもと たかし)
Debian GNU/Linuxの優れたメンテナンス性と他のディストリビューションを圧倒するパッケージ数に引かれDebianを使い始めたのをきっかけに、Debian プロジェクトの開発者となりJavaサポートの強化を行う。 『Jakartaプロジェクト徹底攻略』(技術評論社)、『WEB+DB PRESS』(技術 評論社)、『Java World』(IDGジャパン)、『JAVA Developer』(ソフトバンクパブリッシング)などで執筆活動を行っている。




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