[HP Application Server 8.1編]
第2回 HP Application Server
8.1のインストール
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Linux(Redhat 7.2)へのHP-ASのインストール |
JDKの1.3.1_01以上がインストールされていることと環境変数PATHに $JDK_HOME/bin が含まれていることが必要です。またX環境を正しく使えるようにしておいてください。
インストールモードはグラフィカルモード(GUIベース)とサイレントモード(テキストベース)の2種類があります。ここではグラフィカルモードでのインストールを説明します。hpas_install.bin、radpak_install.binが同じディレクトリにあることを確認してください。
インストーラを起動してください(-i silentオプションを指定することでテキストベースのインストールが行えます)。
sh ./hpas_install.bin |
以下、Windows版と基本的に同様ですのでそちらを参照してください。インストールに失敗した場合、(インストールディレクトリ)/HP_Application_Server_8.1_InstallLog.logにエラーログが書き出されているので参照してください。
起動は以下の操作で行えます。
(インストールディレクトリ)/bin/hpasw |
またこの後に説明していく基本的な使い方を学ぶためのドキュメントTrial Mapは、以下のコマンドで起動できます。
(インストールディレクトリ)/bin/start_hpasbegTrial.sh |
■Linux(Redhat 7.2)へのRadPakのインストール
インストーラを起動します(-i silentオプションを指定することでテキストベースのインストールが行えます)。
sh ./radpak_install.bin |
以下、Windows版と基本的に同様です。RadPakのTrial Mapは、
(RadPakインストールディレクトリ)/bin/start_radpakTrial.sh |
で起動できます。
HP-AS Beginner Trial mapを読む |
では、まずは「Trial Map」のBeginner編に沿って実際に動かしてみましょう。Beginner編は9つのTrialから成ります。以降は、特に断らない限りWindows版を用い、Webアプリケーション開発者向けの内容についてお話ししていきます。
スタートメニューから[プログラム]-[HP Middleware]-[HP Application Server]-[ ドキュメント]を選び、「hp
application server Trial maps初級者用」を選んでください。
■Trial1「Architectural Overview」
Trial1では、HP-ASのアーキテクチャを簡単に紹介しています。従来のJ2EEアーキテクチャに対してアプリケーションサーバとJavaVMの間にCSF(HP Core Services Framework)と呼ばれる層を追加することで、CSFに沿ったサービスをプラグインで追加できることなどが説明されています。このTrialの詳細はテクニカルガイドを読むことで得られます。
図17 HP-ASのアーキテクチャ |
■Trial2「Starting and Stopping」
このTrial2ではHP-ASの起動と停止について説明されています。
起動
起動方法はSystem ConsoleとSystem Text Consoleモードの2通りあります。
- System Console
GUIモードでHP-ASを起動します。マウスを使ってHP-ASの制御を簡単に行うことができます。開発時はこのモードを利用するとよいでしょう。スタートメニューから[プログラム]-[ HP Middleware]-[ HP Application Serve]-[System Console]を選ぶことで起動します。
- System Text Console
テキストコンソールでHP-ASを起動します。コマンドラインで操作するので効果的に操作することができます。スタートメニューから[プログラム]-[HP Middleware]-[HP Application Server]-[System Text Console]を選ぶことで起動します。
停止
System Consoleモードでは、ツールバーの[サーバーの停止]ボタンを押すか、サーバメニューから[停止]を選びます。System Text ConsoleモードではCtrl-Cを押すことで停止します。
図18 System Consoleツールバー |
動作確認
以下のURLからサーバの動作を確認することができます。
検証用のページ(http://localhost:9090/helloservlet/index.html)
■Trial3「HP-AS System Console」
System Consoleを使うと、Webアプリケーションを deploy(配備)したり、サーバの各種設定を変更することができます。以下簡単にSystem Consoleの持つブラウザについて説明します。各ブラウザは表示メニューから選ぶことで表示されます。
ログブラウザ
HP-ASの起動時、終了時のログ、アプリケーションやサービスからの標準出力、標準エラーに対する出力がこのブラウザに表示されます。
JMX ブラウザ
このブラウザは個々のHP-ASサービスとして登録されたMBeans(Manageble Beans)を操作することができます(MBeansはSystem
Consoleのような管理プログラムから呼び出すことができる共通のメソッドを実装しているBeansです)。このブラウザによって、アプリケーションをdeploy/undeployしたり、各サービスの振る舞いを変更することができます。
JNDI ブラウザ
JNDIサービスレジストリに登録されているサービスのリストの一覧を参照することができます。ほかのサービスから利用するようなサービスは、このリストに含まれている必要があります。JNDIブラウザは主にサービス開発者向けのものです。
配備ウィンドウ
配備ウィンドウはWARファイルや、EARファイル、Webアプリケーションを含むディレクトリをdeployするためのものです。
左側のターゲットウィンドウには、deploy可能なコンテナが表示されます。デフォルトでは、kernel.j2ee-pertitionのアイコンのみが表示されているかと思います。右側のファイルウィンドウで、ファイル/ディレクトリを選択し、ターゲットウィンドウのアイコンにドラッグ&ドロップすることでdeployできます。deployしたものは、JMXブラウザに現れます。
図19 配備ウィンドウ |
■Trial4「Servlet」
このTrialではサーブレットのサンプルプログラムを動かしてみることを目的としています。ほかのWebアプリケーションサーバを触ったことのある方にはおなじみのHelloWorldやクッキー、セッションオブジェクトなどのサンプルプログラムの動作と、そのコードを確認できます。
■Trial5「JavaServer Pages(JSP)」
このTrialではJSPのサンプルプログラムを動かすことができます。こちらもNumberguessや簡易ショッピングカートなどおなじみのものです。
■Trial6「Web Applications」
WebアプリケーションやWebアーカイブ(*.warファイル)とはどういったものなのか、そしてそれらをHP-ASにどのようにdeployするのかを説明しています。簡単に確認しておきましょう。
Webアプリケーション
htmlやgif、jpegといった画像ファイル、さらにJ2EEであればServletやJSP、実行時のアプリケーションの振る舞いを規定するDeployment
Descriptor(web.xml)などから成るWebベースのアプリケーションです。
Webアーカイブ
WebアーカイブはWebアプリケーションに関するファイルをひとまとめにして圧縮したものです。これにより簡単にWebアプリケーションを配布できます。
warファイルを作るには、JDKに付属のjarコマンドを使う方法もありますが、RadPakを使って簡単に作ることもできます。こちらはRadPakの解説をするとき(次回)に触れます。
HP-ASにWebアプリケーションをdeployするには次の3つの方法があります。
- HPが無償で提供する開発ツールRadPakを用いる
- System ConsoleのDeployment Windowを用いる
- 手動で設定ファイル(j2ee-partition-config.xml)を記述する
■Trial7「Enterprise Application」
このTrialでは、Enterpriseアプリケーションや、Enterpriseアーカイブ(*.earファイル)について説明しています。
Enterpriseアプリケーション
EnterpriseアプリケーションはWebアプリケーションの要素に加えてEJBコンポーネントなど大規模システム向けの要素を含みます。
Enterpriseアーカイブ
Enterpriseアプリケーションの要素をひとまとめにして圧縮したものです。earファイルもwarファイルと同じ方法で作成、deployができます。
■Trial8「Stateless Session Enterprise Java Beans」
Enterprise Java Beans (EJB)もJ2EEの重要な要素であり、ビジネスロジックを内包し、永続性、セキュリティ、トランザクション、データベース接続性などを持つアプリケーション独立なコンポーネントです。
HP-AS 8.1は、無償のアプリケーションサーバでありながらJ2EE 1.2で規定されるEJB 1.1を完全サポートしており、さらにEJB 2.0の一部(MDB、CMP 2.0、ローカル・インターフェイスなど)を実装している点が大きな特徴となっています。
このTrialでは、EJBの説明と、EJBのうち最もシンプルなStateless Session EJBのHP-ASでのdeployについて解説しています(次回のRadPakの解説で触れます)。
今回は、HP-ASのインストール、そしてドキュメントについて簡単に見てきました。スペックとしては、ほかの無償のアプリケーションサーバや、10ドル以下のローエンドのものと比べると最高レベルでしょう。前身であるHP bluestoneを継承しており大規模システムを意識した製品となっています。
ドキュメントは、量、質ともにかなり充実しているといえます。HP-AS 8.1リリースに合わせてかなりの量の日本語文書も公開されており、これらを元に活用していけるかと思います。また、汎用的なJ2EEアプリケーションの構築方法についてはほとんど述べられていませんので、初心者の方は別途、入手する必要があります。もう一点、実際の開発者発の情報などがコミュニティ自体まだ小さいため見つけにくい印象があります。魅力ある製品ですので、今後広がっていくことを期待します。
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INDEX |
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