Java/GrailsのWebアプリを
無料クラウド環境で動かす


【特集】Ruby on Railsも動かせる「Morph AppSpace」とは?

株式会社 クロノス
奥 清隆
2008/9/18


Web上のリソース=雲? 「クラウド環境」って何?


今回の主な内容

Web上のリソース=雲? 「クラウド環境」って何?
英語でも怖くない! Morph AppSpaceへの登録手順

クラウドで動くアプリケーションの環境を設定

クラウド上にデータベースを作成してみよう
サーブレット/JSPアプリケーションの作成
クラウドへのデプロイ(配置と公開)
Grailsアプリケーションの環境設定とデプロイ
コラム 「GroovyのRails? Grailsとは?」
無料でインフラを利用してWebアプリを世界に公開しよう

 「クラウド環境」とは、インターネットなどのネットワーク/Web上に存在するさまざまなリソース(データベースや、HTTPサーバアプリケーションサーバなど)を、利用者がリソースの所在を意識せずに利用できる環境のことです。ネットワーク/Webを“雲(クラウド)”に例え、雲の中にあるリソースを利用する環境から、「クラウドコンピューティング」などの呼び名が付いています。

 例えば、セールスフォース・ドットコムのForce.comや米アマゾンのAmazon EC2((Elastic Compute Cloud)/S3(Simple Storage Service)などが有名です(参考:Web上に登場した3種類の“プラットフォーム”)。 「設定や管理にコストが掛かかって面倒なインフラ周りを準備することなく、アプリケーションの作成のみに集中できるので、開発者/プログラマーに便利なサービスである」ということで、企業での利用も進んでいます。

 最近では、グーグルも「Google App Engine」というクラウド環境のサービスを開始しました。Google App Engineではグーグルのアプリケーションが稼働しているのと同じインフラが利用でき、拡張性の高いWebアプリケーションが公開可能になっています(参考:【詳報】「Google App Engine」ってなんだ)。

1つだけなら無料の「Morph AppSpace」とは?

 本稿では、「Morph AppSpace」というサービスを紹介します。冒頭で紹介した「Google App Engine」では、Pythonで作成したWebアプリケーションしかデプロイ(配置と公開)できません(2008年9月現在)。しかしMorph AppSpaceは、JavaGrails、そしてRuby on Railsで作成したWebアプリケーションをデプロイできます(参考:iPhoneアプリプログラマーに目を向けるMorph Labs)。

 また、ロードバランサー、データベース(PostgreSQLMySQL)、バックアップモニタリングなどのインフラ環境も提供されています。

 Morph AppSpaceは、「Cube」と呼ばれる独自に定義された単位でアプリケーションの拡張ができるようになっており、このCube単位で拡張すると課金される仕組みになっています。1Cubeだけ利用するアプリケーションであれば、無料でデプロイ可能です。

英語でも怖くない! Morph AppSpaceへの登録手順

 Morph AppSpaceを利用するには、アカウントを登録する必要があります。Morph AppSpaceのトップページにある[Sign up now]のリンクからアカウント登録ページに行きます。

図1 アカウント登録ページ
図1 アカウント登録ページ

 アカウント登録ページで以下の情報を入力して、アカウントを作成します。

表1 アカウント登録に必要な情報
Full Name 氏名
Username ユーザー名
Email メールアドレス
Password Password パスワード(確認用)
CAPTCHA 画像に表示されている文字列を入力
I have read and agree to the Terms of Use. 利用規約に同意する場合はチェック
Keep me informed about Morph AppSpace offerings via email. Morph AppSpaceに関する情報をメールで受け取る場合はチェック
Keep me informed about Morph eXchange offerings via email. Morph eXchangeに関する情報をメールで受け取る場合はチェック

 [Signup]ボタンをクリックすると、登録したメールアドレスにメールが届きます。このメールに記載されているリンクにアクセスすれば、登録が完了します。

クラウドで動くアプリケーションの環境を設定

 アカウント登録が完了したら、Morph AppSpaceのコントロールパネルにアクセスしてアプリケーションの環境設定を行いましょう。ここでは、Javaアプリケーションの環境設定例を紹介します。

 まずは、「http://panel.mor.ph/」にアクセスしてください。そして、ユーザー名、パスワードを入力してログインし、コントロールパネルにアクセスしてください。

図2 コントロールパネル
図2 コントロールパネル

 コントロールパネル上で以下の情報を入力して、アプリケーションの定義を作成します。

表2 アプリケーションの定義に必要な情報
Subscription Name この定義に付ける名前
Description 概要
Morph Domain アプリケーションに使用するドメイン名
Type アプリケーションのタイプ(Ruby on Rails、Javaから選択)
Database 使用するデータベース(PostgreSQL、MySQLから選択)
Size 使用するCubeのサイズ

 アプリケーションの定義を作成すると、コントロールパネルに新しいアプリケーションの情報が表示されます。

図3 作成したアプリケーションの定義
図3 作成したアプリケーションの定義

 次ページでは、クラウド上にデータベースを作成して、サーブレット/JSPアプリケーションをデプロイする方法を説明します。

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 INDEX
Page1
  Web上のリソース=雲? 「クラウド環境」って何?
英語でも怖くない! Morph AppSpaceへの登録手順
クラウドで動くアプリケーションの環境を設定
  Page2
  クラウド上にデータベースを作成してみよう
サーブレット/JSPアプリケーションの作成
クラウドへのデプロイ(配置と公開)
  Page3
  Grailsアプリケーションの環境設定とデプロイ
コラム 「GroovyのRails? Grailsとは?」
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