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ITインフラ】【サーバ】【仮想化

いつの間にか増えてしまった
サーバ台数を減らしたい

三木 泉
@IT編集部

2009/10/1

小さい会社なのに、各部署で別々にサーバ機を導入しているうちに、多数に膨れ上がってしまった。各部署ではPCをサーバ機の代わりに使っているケースも多い。これらのコンピュータは机の下など、あまりいい環境に置かれていないし、何よりも管理が行き届かない状況だ。サーバ仮想化でサーバ機を少数にまとめられると聞いたが、どうすればいいのだろうか。

 サーバ仮想化は、増えてしまったサーバ機を少数にまとめるには非常に便利な技術です。しかも、小規模環境での利用なら低コストで始められます。

 サーバ仮想化が実現することは、まずサーバ機にカバーをかぶせるような形で本来のハードウェア(チップセットやネットワークアダプタ、ストレージなど)を隠して標準的な単一のハードウェアとして見せることです。

 一方で、OSとその上で動くアプリケーションを、標準的なドライバでくるんだ仮想マシンを作れます。このことで、仮想マシンは異なるサーバ機の間をいつでも移動できるようになります。

 つまり、いったんOSとアプリケーションを仮想マシンにしてしまえば、いままでのようにそれぞれのサーバ機にまずOSをインストールし、次にアプリケーションをインストールするという手順がまったく不要になるのです。

 1台のサーバ機上で、こうした仮想マシンを複数稼働することができます。1台のサーバ機のCPUやメモリを、複数の仮想マシン間で分割して使えるようになるのです。

 DNSやDHCP、LDAPなどのネットワークサービスを行っているコンピュータは、すぐにでもサーバ仮想化で集約してしまうべきでしょう。各部署で利用している業務アプリケーションも、処理負荷が高くないものが多いので、例えば10台のサーバ機を1台に減らすなどが、比較的容易に実行できます。

サーバ仮想化でさまざまな効率化が実現できる

 多数のコンピュータに散在するようになったアプリケーションやデータを、サーバ仮想化によって少数のサーバ機に集約することは、次のようにさまざまなメリットがあります。

1. ハードウェアコストに加え、電力コストの節約ができる

 複数の仮想マシンを1台のサーバ機上で動かせるので、サーバ機の数を減らせます。現在運用しているサーバ機のCPUやメモリ、ハードディスクの利用率を考えてみてください。利用率はかなり低いのが普通です。サーバ機の数を減らすことは、個々のサーバ機で現在発生している大きな無駄を減らすことにもつながるのです。

 また、サーバ仮想化でほぼ確実に消費電力を減らせます。サーバ機は必要がなくても常時動き続けているのが基本です。従って、サーバ機が増えれば増えるほど、無視できない電力コストが発生していることになります。

 サーバ機1台当たりの消費電力が300Wだとしても、すべてのサーバ機のそれを合算すると非常に大きなコストになっている可能性があります。

2. 一括した管理ができるようになり、サーバ機を安定的に運用しやすくなる

 いままで各部署でばらばらに稼働していたサーバ機を、例えばシステム担当部署で一括管理すれば、サーバ機にとってこれまでよりも望ましい環境に置くことができるようになります。必要に応じてハードディスクのRAID化やデータバックアップなどの対策もとれるようになります。

3. 新しいサーバ機で古いOS上のアプリケーションを使い続けられる

 アプリケーションをインストールしているOSが古く、新しいサーバ機がそのOSに対応していないために、サーバ機を入れ替えたくてもままならないことがよくあります。そういうときでも、仮想化してしまえば、OSとアプリケーションを変えることなく、サーバ機を入れ替えることができます。

 つまり、アプリケーションを延命できるわけです。必要に応じてCPUやメモリを多く割り当てて、パフォーマンス向上を図ることも可能です。いったんOSとアプリケーションを仮想化してしまえば、何度でもサーバ機を瞬時に入れ替えできます。入れ替えコストはまったく掛かりません。

4. 動かしておく必要があるアプリケーションであるかを整理するきっかけになる

 企業では、もう使われる可能性がないアプリケーションが動いているというケースがよくあります。これは、各部署で導入したアプリケーションで、導入時の担当者が異動や退職などでいなくなってしまったことで起こることも多いようです。サーバ仮想化技術を使ってサーバ機の集約を行うことは、こうした無駄なサーバ稼働を見直す良いきっかけになります。

 ファイルサーバを部署単位でばらばらに運用しているケースもよくありますが、これこそ全社で集約することによって大きな効率化と運用性の向上が図れます。ファイルサーバは仮想化をしなくてはならないことはありません。ストレージにファイルサーバ機能の付いた、NAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)でまとめ上げるのも1つの手です。

サーバ仮想化をするのに必要なもの

 では、サーバ仮想化には具体的に何を使えばいいのでしょうか。

 まず必要なのはサーバ仮想化ソフトウェアです。Windows Server 2008にはOS自体にHyper-Vという仮想化機能が付属しています。また、シトリックスはXenServerという仮想化ソフトを無償で提供しており、これによって複数サーバ機にわたる仮想化環境を作ることができます。ノベルのSUSE Linux Enterprise Serverにも仮想化機能が統合されています。そのほか、ヴイエムウェアも高機能なVMware vSphere 4という仮想化ソフトウェアの単一サーバ版であるVMware ESXi 4.0を無償で提供しています。

 こうしたソフトをサーバ機にインストールすれば、サーバの仮想化はすぐにできます。@ITの入門記事を参照すれば、特別な知識なしにとりあえず仮想化環境を構築できると思います。

 次に仮想化ソフトウェアを導入するサーバ機を用意する必要があります。最新の仮想化ソフトウェアは、64ビットの仮想化支援技術を搭載したCPUが必須であることがほとんどです。つまり、あまり古いサーバ機を仮想化に利用するのは困難です。

 また、複数の仮想マシンを動かすわけですから、CPUやメモリにはある程度の処理能力や容量が必要です。特にメモリの容量は重要なポイントです。単純に考えれば、512Mbytesのメモリを必要とする仮想マシンを5つ動かすなら、3Gbytes程度のメモリが必要になります(実際にはもっと高い効率で利用できるケースもあるので、確認が必要です)。

 サーバ機に仮想化ソフトウェアをインストールしたら、好きなOSをインストールし、その上にアプリケーションを導入することができます。複数のOSをインストールできるので、1台のサーバ機でもあたかも複数台のサーバ機であるかのように使えるわけです。

 一般的な企業では、古いサーバ機で動かしている多くのアプリケーションをそのまま仮想化したいことと思います。その際にも、上記の仮想化ソフトウェアでは既存のOSとアプリケーションを仮想マシンに変換するソフトウェアツールを提供していますので、これを使えば大丈夫です。

 なお、1台のサーバ上で複数の商用OSを動かす場合、その数に応じたOSのライセンスが必要になることに注意してください。Windows Server 2008にはStandard、Enterprise、Datacenterという3つのエディションがあって、それぞれ仮想マシンで利用できるOSライセンスの数が異なります。Standardでは仮想化で1ライセンス、Enterpriseでは4ライセンス、Datacenterでは無制限のOSが使えます。

関連リンク:
リンク 無償仮想化ソフトVMware ESXiを30分以内で使う
http://www.atmarkit.co.jp/fserver/articles/esxi/01/01.html
リンク VMware vSphere 4の登場
http://www.atmarkit.co.jp/fserver/articles/vsphere/01/01.html
リンク 無償になったXenServerを設定する
http://www.atmarkit.co.jp/fserver/articles/freexenserver/01/01.html
リンク Windows Server 2008の基礎知識
第14回 Windows OSに標準搭載された仮想化機能「Hyper-V」
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/winsv2008/14hyperv_01/14hyperv_01_01.html
リンク 用語解説 Hyper-V 2.0
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/words/006hyperv2/hyperv2.html

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