
実用 Apache 2.0運用・管理術
第5回 Poundで作るロードバランサとSSLラッパ
鶴長 鎮一(book@tsurunaga.jp)
2005/11/8
Poundによる負荷分散とSSLラッパ
Squidは高機能なプロキシサーバであり、単なるリバースプロキシとして使用するのはSquidにとって役不足といえるでしょう。逆に、ロードバランサとしての機能には不十分な面があります。
■Poundとは
そこで、さらに一歩進めてPoundを使用します。Poundはもともとリバースプロキシ専用として作られているため、プログラムも大変小さく導入も簡単です。また、リバースプロキシに加えて以下の処理が可能です。
- ロードバランシング
- SSLラッパ
- フェイルオーバー
- フィルタリング
- リクエストのリダイレクト
SSLラッパとは、HTTPSに対応していないWebサーバに代わり、PoundがクライアントとHTTPS通信を行う機能です。Pound−Webサーバ間はHTTPで通信を行い、Pound−クライアント間ではHTTPSで通信します。
Pound配布元http://www.apsis.ch/pound/
■Poundのインストール
Poundのビルド済みパッケージを提供しているディストリビューションはまれなため、ソースからインストールすることになります。http://www.apsis.ch/pound/からソースファイルをダウンロードし、適当なディレクトリに展開したらconfigureとmakeを実行します。インストール先は/usr/localになります。
# wget http://www.apsis.ch/pound/Pound-1.9.1.tgz |
| 注:configure時に、SSLのインストール先を指定すること(SSLラッパ用)。 |
インストールが完了したら、/usr/local/etc/pound.cfgを編集します。例として3パターンのpound.cfgサンプルを紹介します。各パターンを組み合わせるなどの応用も可能です。
■単純なリバースプロキシの設定
Squidリバースプロキシと同じく、バックエンドにWebサーバが存在する環境でPoundをリバースプロキシとして利用してみます。ここでは、PoundサーバのIPアドレスを「10.0.0.1」、バックエンドのWebサーバを「192.168.0.10」「192.168.0.20」としています。
ListenHTTP 10.0.0.1,80 |
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pound.cfg
|
UrlGroup〜EndGroupは複数記述可能で、バックエンドのサーバをコンテンツ(ファイル)の種類で切り替えることができます。
BackEndタグの書式は、以下のとおりです。
BackEnd サーバのアドレス,サービスポート,分散頻度 |
「分散頻度」については、次の「ロードバランサの設定」を参照してください。
■ロードバランサの設定
1つのUrlGroup〜EndGroup中に複数のBackEndを記述することで、ロードバランサを実現できます。
BackEndタグの末尾の分散頻度は優先順位を表し、値が大きいほどリクエストの優先度が高くなります。以下の例では、「192.168.0.30」のバックエンドサーバの優先度を高くしています。
ListenHTTP 10.0.0.1,80 |
| pound.cfg |
■SSLラッパの設定
Poundサーバを前面に立てることにより、HTTPSを実装していないWebサーバでも、(見かけ上は)HTTPS通信が可能になります。
![]() |
| 図3 PoundによるSSLラッパ |
まず、HTTPSに使用する証明書を作成します。この作業は/usr/local/etcで行います。
# cd /usr/local/etc |
| サーバの秘密鍵を作成 |
# openssl rsa -in server-key.pem -out server-key.pem |
| httpd起動時にパスワードを聞かれないように、秘密鍵にパスフレーズを書き込む |
# openssl req -new -key server-key.pem -x509 -out pound.pem |
| 証明書の作成(必要に応じて「-days 365」として有効期限を設定する。デフォルトでは1カ月) |
# cat server-key.pem >> pound.pem |
| パスフレーズを書き込んだ秘密鍵ファイルでPound用のサーバ証明書を完成させる |
以上で証明書の作成は完了です。この過程で作成した秘密鍵や証明書は、パーミッションを変更するなどして、外部に漏れないように厳重に管理する必要があります。
続いてpound.cfgファイルを編集します。1行目の「ListenHTTPS」で、作成した証明書を読み込んでいます。
ListenHTTPS 10.0.0.1,443 /usr/local/etc/pound.pem |
| pound.cfg |
■Poundの起動と動作確認
pound.cfgファイルの編集が終わったら、Poundを起動します。起動後、Webブラウザなどで確認します。
# /usr/local/sbin/pound |
Poundのログは、デフォルトでは「/var/log/messages」に出力されます。
Sep XX XX:44:04 ホスト名 pound: starting... |
| 起動の場合 |
Sep XX XX:23:15 ホスト名 pound: backend 192.168.0.10:80 connect: Connection refused |
| バックエンドのサーバがダウンしている場合 |
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