
第2回 すべての基礎、マスター・ゾーンサーバの設定
今回は、マスター・ゾーンサーバとキャッシュサーバの機能を1つのnamedで実現してみよう。シンプルな構成だが、BINDの基本をマスターするにはちょうどいいだろう。(編集局)
鶴長 鎮一
2003/1/25
第1回では、BIND 9のインストールまでを解説しました。今回は、BINDを動かすための基本的な設定について解説します。複雑な構成や大規模な運用環境でも今回の内容がベースになります。基本をしっかり身に付けておきましょう。
BIND自体の基本設定
BINDのインストールが完了したら、次は設定ファイルの準備です。第1回で説明したように、DNSには3つの働きがあります。ここでは以下のような規模のネットワークを想定し、ローカルネットワーク内だけのマスター・ゾーンサーバとキャッシュサーバを1つのnamedで立ち上げるように設定します。
![]() |
| 図1 想定ネットワーク環境 |
■設定の準備
BIND 9専用ユーザー/グループとしてnamedを作成します。BINDに限らず、スタンドアロンサービスをrootユーザーで起動することの危険性はご承知のことと思います。専用ユーザーを使用することで操作が数ステップ増えますが、安全性には代えられません。
# groupadd named |
| /var/namedをホームディレクトリに、/bin/flaseをデフォルトシェルに割り当てる |
# mkdir /var/named/ |
| ホームディレクトリを作成し、オーナーを変更 |
このほか、BIND 9のために必要なファイルは次のようになります(注)。
| /etcディレクトリ下 | |
| named.conf | 基本設定ファイル。ほかの設定ファイルの場所はこのファイルで指定 |
| /var/namedディレクトリ下 | |
| named.ca | キャッシュ用 |
| example.zone | 正引き用ゾーンファイル |
| example.rev | 逆引き用ゾーンファイル |
| local.zone | 「ループバック」と呼ばれる、ホスト自身内で通信を行うための特殊なアドレスのための正引き用 |
| local.rev | ループバックの逆引き用 |
| /var/run/namedディレクトリ下 | |
| named.pid | プロセスID(PID)を記録するファイル |
| 注:ファイル名はnamed.conf内で自由に定義できます。上記の例のとおりでなくても構いません。本連載では正引き用ファイルに*.zone、逆引き用ファイルに*.revを用いています。 |
■named.confファイル
named.confファイルは、「{};」でくくられたセンテンスが1つのブロックとなり、センテンスの前の修飾子に関する設定を記述します。「/* */」 で囲まれた部分と「#」や「//」から行末まではコメントとして扱われます。
//コメント行になります |
| /etc/named.conf |
| (1) アクセス制御用センテンス。宣言名「example-net」は適当に変更可能 (2) プライベートネットワーク内からのみアクセスを許可 (3) 自分自身からの問い合わせを許可 (4) 動作全般を制御するセンテンス (5) 下のzoneセンテンス中に出てくる設定ファイルの位置やnamedデーモンのワークディレクトリを指定 (6) PIDファイルの指定。詳細は後述 (7) キャッシュサーバとしての設定 (8) BIND 8以降では「キャッシュ」ではなく「ヒント」と呼ばれる (9) キャッシュサーバとして動作するためのルートサーバが記述されたファイルを指定 (10) ここからはマスター・ゾーンサーバとして動作させるためのzoneセンテンスになる。「zone "ゾーン名" {};」で記述する (11) ループバックアドレス正引き用 (12) マスターサーバの場合に指定 (13) localhostに対する正引き設定ファイル名。optionsセンテンス中のdirectoryで指定したディレクトリからの相対パス (14) ループバックアドレス逆引き用 (15) 127.0.0.1アドレスに対する逆引き用設定ファイル名の指定 (16) example.jpドメインのためのzoneセンテンス (17) example.jpドメインに対する正引き設定ファイル名の指定 (18) 192.168.0.0/24アドレス逆引き用 (19) 逆引き用設定ファイルの指定 |
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