宮原徹的Linux生活
其の四 バージョンアップを強制する時代は終わる!

宮原 徹
2000/12/23

 皆さん、こんにちは。み。です。

 前回、風邪ひいてませんか? なんて書きましたが、そういう自分が風邪をひいてしまったっぽいです。鼻水が出て、のどが渇くような感じで痛い。一応、寝るときに加湿器をつけてケアはしていたんですが、駄目でしたね。というわけで、この原稿は体を冷やさないよう、布団に入りながら書いてます。ノートPCってこういうときに便利ですね。

12月14日

 先週に引き続き、今週もセミナー講師。今日はOracle OpenWorldだ。OOWも今回で、えーっと何回目だろう。会場も横浜でやったり、ビッグサイトでやったりと転々としてきたが、今回はなんと東京ドーム。うーん、東京ドームで呉服市やったり、輸入車の展示会やったりしているのは知っていたけど、IT系のイベントもできるんだな。

 実際にセミナーをやったのは東京ドームではなくて、2000年にドームの隣にできたドームホテルなんだけど、このホテルが変な造りで、いきなり迷子になってしまった(笑)。

 とりあえず入り口を探し当てて、日本オラクルの知り合いを見つけてやっと会場にたどり着けたのだった。うーん、結婚式にはいいかもしれないけど(屋外チャペルがあったんで見たんだけど、なかなか奇麗だった)、セミナー関係には向いてないんじゃないかなあ……。

 セミナーのテーマは「違いが分かりたい人のためのLinux&オープンソース入門」ということでお話をした。実は、私は2年前のOOW98でゲリラ的にLinuxのセミナーをしたりしてるのだ。当時はまだLinux版のOracleを日本国内で出荷するということも決まっていない時期で、堂々とLinuxをセミナーのタイトルにうたうこともできない暗黒の時代であった(笑)。そう考えると、これだけの大きいイベントでこんなセミナータイトルを付けられるなんて、いい時代になったなあと今回しみじみと思った。

 セミナーでは、「21世紀は技術情報を内にこもらせてはいけない」「21世紀は人とコミュニケーションがビジネスの中心をなすので、クローズドソースは競争力を失うのではないか」という最近考えている持論を展開してみたりした。ただ、まだロジックとして完成していないところなので、自分としても今後の課題かなと思った。このあたりをぜひ年明けぐらいに温泉にでも入りながらじっくりと議論してみたいなあ。

 あと、何度か出てきたのが「これまではシステムのバージョンアップを強制されてきて、そのたびに構築してきたシステムやアプリケーションを捨てなくてはいけなかったが、Linuxを採用したらそれは変わるのか?」という質問。確かにおっしゃる通りで、4〜5年ぐらい前に構築したシステムなんて、捨ててきちゃってるなあと思う。まあ、発展の速い世界とはいえ、もったいない話である。

 Linuxのいいところはバージョンアップが強制されないところだね。いまだにカーネル2.0ベースで動いているシステムもそれはたくさんあるだろうし、必要に応じてパッチ当てをしていけばなんとかなる? ただ問題なのはセキュリティホールへの対応だろうね。果たして、ユーザー主導型のテクノロジをLinuxは21世紀に提供することができるか、これもまた課題の1つだ。

 別の質問で「クライアント用途は?」「DBサーバやアプリケーションサーバは?」というものがあった。前者については、GNOMEみたいな分散オブジェクト型のGUI環境が本格化しそうな気配も見えたりして、これから面白い分野かなと思って、私もちょっといじってみようかなと考えていたりする。そのあたりの成果はまた見せることができると思う。後者については、こればっかりはユーザーやSIの意識の問題だろう。Windows 2000が優勢という見方もあるようだけど、果たして本当にそうなのか。

 まあ、そんなこんなで、自分にとっても課題が多いな〜と思わせてくれたセミナーでした。どこまでこなせるか分かりませんけどね。

12月18日

 申し込んでおいたイー・アクセス(ADSL接続サービス)の申込書が届く。Webで申し込んでから届くまで2週間もかかった。

 開けてみると大したものじゃなくて、これだったらPDFでダウンロードさせてくれるなり、登録フォームで申し込めた方がいいんじゃないかって気がする。紙に記入することだって、これを送ってもらうときにWebで入力した内容がほとんどなのに……。

 しかし、申し込んでから2週間の間に、NTTがフレッツ・ADSLを開始することを発表したり、回線使用料がいきなり180円に下がったり、ADSLモデムの販売が前倒しになりそうになったり、FTTHサービスが安く始まることがアナウンスされたりとか、ADSL周辺も非常に騒がしくなってきたなあと思う。相当のウォッチャーじゃないと、この動きにはついていけないですな。早くバシっと大勢が決まってほしいと思う。1円でも安くね。

 というわけで、次回はいきなり今年1年を振り返って、21世紀への展望を考えてみたいと思う。乞うご期待。

 ところで、この文章ってどれぐらいの人が読んでるんだろう? 感想とかあるのでしょうか。ぜひ、Linux Square掲示板の方に何か書いてもらえればなあと思います。

「宮原徹的Linux生活」

筆者紹介
宮原徹

Project BLUE/日本Samba ユーザ会会員。データベースの活用を中心としたLinuxによるビジネスソリューション構築のため、公私にわたり日々活動している。Linux Squareフォーラムのガイドとして、記事の執筆などを行う


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