SugarCRM

第1回 SugarCRMの紹介とインストール手順


オープンソースのSFA/CRMアプリケーション「SugarCRM」は、利用者に合わせてカスタマイズを加えていくことで、より真価を発揮することができます。この連載では、ソースコードの内容を把握した上でさまざまなカスタマイズを加えていくまでを紹介します(編集部)

河村 嘉之
オープンソースCRM株式会社
2008/9/2


オープンソースのSFA/CRM「SugarCRM」

 現在、さまざまな場面でオープンソースソフトウェアの利用が進んでいます。例えばOSではLinux、データベースではMySQLやPostgreSQL、WebサーバではApache HTTP Serverなど、さまざまなレイヤに着々とオープンソースソフトウェアは浸透しています。そしてその波は、業務アプリケーションのレイヤにも少しずつ入ってきています。

 SugarCRMは、SFA/CRMアプリケーションで、顧客表や案件の情報などを管理し、営業活動をサポートします。SugarCRMは、その基本的な部分をGPL v3ライセンスの下に「Sugar Community Edition」としてオープンソースとして公開しています。Sugar Community Editionは、業務アプリケーションレイヤのオープンソースソフトウェアの代表例の1つであるといえるでしょう。

 Sugar Community Editionはオープンソースで公開されているため、ソースコードをすべて参照することができます。そのため、開発者はアプリケーションがどのように動くか把握しやすく、必要に応じてより深いカスタマイズを加えることができます。

 例えば、導入する企業に合わせてそれぞれ異なるドメインのデータを管理したい場合、それに合わせた仕組みを柔軟に作ることができます。それに加え、その企業の業務フローに合わせたユーザーインターフェイスを作成するといった深いカスタマイズも可能です。また、レポーティングツールやBI、ERP、CTIなどほかのオープンソースアプリケーションともより深いレベルで組み合わせることができます。

 また、問題が起きたときには、より深く問題点を探ることができます。SugarCRMは、データの一覧、詳細の参照、作成、変更、削除などを行うためのユーザーインターフェイスとデータベースとやりとりするフレームワークを持っています。これを用いることにより、SugarCRMをアプリケーション構築のためのベースフレームワークとして活用することも可能です。

 本連載では、アプリケーション開発者の視点からSugarCRMを深く探っていく予定です。今回は、最初の一歩としてSugarCRMをインストールしてみましょう。

SugarCRMの動作環境

 SugarCRMには、商用版の「Sugar Enterprise」および「Sugar Professional」とオープンソース版の「Sugar Community Edition」があります。本連載では、オープンソース版のSugar Community Editionの最新版、バージョン5.0を利用します。

 SugarCRMは、Webブラウザをクライアントとして動作するWebアプリケーションです。Webアプリケーションでは、WebブラウザからWebサーバにアクセスし、アプリケーションを動作させていきます。

 SugarCRMは、Webサーバ側のコンポーネントをPHPで記述しています。そのため、SugarCRMでは、PHPが動作するWebサーバが必要です。Webサーバとしては、Apache HTTP Serverの1.3、2.0、2.2とMicrosoft IIS 5.x、6.0、7.0をサポートしています。PHPは4.4系もサポートしていますが、今後のバージョンでは4.4系のサポートが打ち切られる予定ですので、ここでは5.1系および5.2系をお勧めします。

 またデータベースサーバは、MySQL 4.1、5.0、5.1とMicrosoft SQL Server 2005をサポートしています。ここでは、MySQL 5.0を利用します。

 OSは、ここではLinuxのディストリビューションの1つのCentOSを利用しますが、Windowsでも動作可能ですので、Windows上で動かす場合に特に注意が必要なところは補足していきます。

■PHPの設定

 SugarCRMを動作させるには、前提としてApache HTTP ServerMySQLPHPをインストールしておく必要があります。また、Apache HTTP ServerとMySQLは、サーバを起動しておいてください。

 次に、PHPに必要なエクステンションを追加します。SugarCRMでは、以下のエクステンションが必要です。また、データベースに接続するためのエクステンションも必要です。ここでは、MySQLを利用するため、MySQL用のエクステンションを追加しておきます。

  • php-mbstring(マルチバイト文字列を扱うためのエクステンション)
  • php-imap(IMAPプロトコルをサポートするためのエクステンション)
  • php-mysql(MySQLにアクセスするためのエクステンション)
  • php-mysqli(MySQLの拡張機能を利用するためのエクステンション)
    注:php-imapは、IMAPプロトコルを使ってメールを取得したいときのみ必要

 CentOSでは、yumコマンドを使ってエクステンションをインストールします。

# yum install <エクステンション名>

 また、利用するPHPがClient URLライブラリ(ネットワーク接続用ライブラリ)に対応している必要があります。CentOS上にインストールされるPHPでは、このエクステンションを組み込む形で(--with-curlオプション付きで)コンパイルされているので、このエクステンションを追加する必要はありません(なおWindowsでは、インストーラを立ち上げて、必要なエクステンションを追加します。php-curlも追加する必要があります)。

 これらがインストールできたら、SugarCRMが動作するようにPHPを設定します。PHPの設定は、php.iniファイルに記述します。CentOSでは/etc/php.iniにあります(WindowsにPHPをインストールしたときは、PHPをインストールしたディレクトリ直下にあります)。

1. 追加エクステンションの有効化

 先ほど追加したエクステンションが有効になっているかを確認します。

extension=php_mbstring.so
extension=php_imap.so
extension=php_mysql.so
extension=php_mysqli.so

※Windows上では、エクステンションの拡張子は.soではなく.dllです
※Windows上では、cURLエクステンションもdll形式で提供されているので、以下の設定を加えてください

extension=php_curl.dll

2. PHPでアップロード可能なファイルサイズの設定

 アップロード可能なファイルサイズは20Mbytes以上にする必要があります。

upload_max_filesize = 20M

3. メモリ上限値の設定

 PHPで利用可能なメモリ上限値を40Mbytes以上にする必要があります。

memory_limit = 40M

4. マルチバイト関数の設定

 PHPでマルチバイト文字列を扱うためのmbstringエクステンションを以下のように設定します。

mbstring.language = Japanese
mbstring.internal_encoding = UTF-8
mbstring.http_input = auto
mbstring.http_output = pass
mbstring.detect_order = auto
mbstring.substitute_character = none
default_charset = UTF-8

 
1/3

Index
徹底解剖、SugarCRM(1)
 SugarCRMの紹介とインストール
Page 1
 オープンソースのSFA/CRM「SugarCRM」
 SugarCRMの動作環境
  Page 2
 SugarCRM導入前の準備
 SugarCRMのインストール
  Page 3
 SugarCRMのインストール(2)

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