
第1回 インストールと環境構築
住商情報システム株式会社 中嶋一樹(著)
VA Linux Systems Japan株式会社 高橋浩和(監修)
2007/10/17
Xenの基本コマンド
設定が終わると、ログインプロンプトが表示されます。この時点ではコンソール画面はゲストOSの端末にアタッチされている状態になっています。ゲストOSの端末からデタッチしてホストOSの端末に戻るにはCtrl +]キーを入力します。ゲストOSの端末に再びアタッチする場合は、以下のコマンドを実行します。
# xm console vm01 |
vm01のところには、起動中のゲストOSの識別名を指定します。
上記はxmコマンドの一例です。Xenの操作はこのxmコマンドにさまざまな引数を与えることによって行うことができます。
本連載は実際のシステム構築をイメージし、それに必要な事柄に的を絞って解説することが主旨ですので、xmコマンドを網羅的に紹介するのは別の機会に譲ります。ただ、Xenを操作するうえで基本となる部分について簡単に紹介したいと思います。
■ゲストOSを起動する
# xm create -c /etc/xen/vm01 |
/etc/xen/vm01の部分には、ゲストOSの識別名ではなく、ゲストOSの設定ファイルを指定することに注意してください。virt-installで作成したゲストOSの設定ファイルはデフォルトで/etc/xen/以下に保存されています。
「-c」スイッチはゲストOSの起動後、現在のコンソールをゲストOSの端末にアタッチすることを指定するオプションです。「-c」を付けなかった場合はゲストOSの起動後にホストOSのコマンドプロンプトが返ってきます。
■稼働しているゲストOSの一覧を表示する
# xm list |
以下、各項目の説明です。
| 項目名 | 内容 |
| Name | ゲストOS(あるいはホストOS)の識別名 |
| ID | ゲストOS(あるいはホストOS)の識別番号。 デフォルトでは起動したときによって変動します |
| Mem(MiB) | ゲストOS(あるいはホストOS)に割り当てている物理メモリ容量 |
| VCPUs | ゲストOS(あるいはホストOS)に割り当てている仮想CPU数 |
| State | 現在のゲストOS(あるいはホストOS)の状態。以下の値があります |
r |
稼働中であり、CPUを使用している状態です |
b |
I/O待ち、またはタスクがなくCPUを使用していない状態です |
p |
一時停止中。xm pauseコマンドによってこの状態になります |
s |
シャットダウン中。 *完全にシャットダウンした後はxm listの一覧には表示されなくなります |
c |
不具合によって稼働不能となった状態 |
d |
cになるまでの経過状態 |
■ゲストOSを停止する
# xm shutdown vm01 |
vm01の部分には、ゲストOSの識別名を指定します。このコマンドはホストOSからゲストOSを停止させる場合に使用します。ゲストOSが自分で停止する場合にはshutdownコマンドなど、通常のオペレーションで停止することができます。
xmコマンドではほかにも多くの操作を行うことができますが、それらについてはおいおい、必要になった段階で順次ご紹介してきます。
最後に、Xenの内部ネットワーク構成について簡単に触れておきます。
デフォルトではホストOSやすべてのゲストOSは内部的に「xenbr0」という仮想スイッチに接続されています。このため、各ゲストOSやホストOSは、実際に同一LAN上につながっているかのように相互に通信が可能です。
xenbr0は最終的に物理インターフェイスに接続されているため、ゲストOSは通常の物理サーバと同じように、DHCPでIPアドレスを取得することもできますし、固定IPを割り当てることも可能です。ゲストOS側では何ら、自身が仮想マシンであることを意識する必要はありません。
![]() |
| 図3 内部ネットワーク構成 |
| コラム●内部ネットワーク構成に手を加える |
図3の中には、「vif」や「peth」など、通常は見掛けないインターフェイス名が存在しています。これらのインターフェイスは、Xenが起動する際にシェルスクリプト:/etc/xen/scripts/network-bridgeを実行して作成されています。このスクリプトや設定ファイル:/etc/xen/xend-config.sxpを編集することで、VLANによってLANを分割したり、仮想スイッチを複数作成したりと、より複雑な内部ネットワークを構成することが可能です。 VLAN構成を組むには、これ以外にも/etc/sysconfig以下のネットワークの設定をあらかじめ施して、VLANサブインターフェイスを作成しておく必要があります。腕に覚えがある方は、ぜひこのあたりのファイルをのぞいてみてください。 |
ここまでで、ゲストOSを稼働させるまでの基本的な流れと手順を確認しました。次回以降、実際に「サーバ集約」という目的に沿って仮想化システム構築をシミュレーションし、そのプロセスを1つずつ解説していきます。
次回は中でも、仮想化システム構築の際に最初のハードルとなるサイジングに焦点を当て、
|
といったところを中心に解説したいと思います。
|
3/3 |
|
||||||
|
||||||
| Linux Square全記事インデックス |
| Linux Squareフォーラム 仮想化技術関連記事 |
| 連載:実践! Xenで実現するサーバ統合 有力な仮想化技術として注目を集めるようになった「Xen」。このXenを活用してサーバ統合を実践していく手順を具体的に紹介します |
|
| 特集:サーバの仮想化技術とビジネス展開の可能性 jailからUML/VMwareまで 1台のマシンで複数のサーバを動かす「仮想化技術」。VMwareやUMLの登場により、WebサイトだけでなくOS自体を仮想化できるようになった |
|
| 特集:仮想化技術のアプローチと実装 VMwareから要注目技術Xenまで 1台のサーバで複数の仮想マシンを実行する仮想化技術は、空間コストを引き下げる可能性を持つ。最新の仮想化技術を概観してみよう |
|
| 特集:仮想OS「User Mode Linux」活用法 技術解説からカーネルカスタマイズまで Linux上で仮想的なLinuxを動かすUMLの仕組みからインストール/管理方法やIPv6などに対応させるカーネル構築までを徹底解説 |
|
| 特集:仮想化技術の大本命「Xen」を使ってみよう インストール & Debian環境構築編 高いパフォーマンスで本命の1つとなった仮想マシンモニタ「Xen」。日本語による情報が少ないXenを、実際に動かしてみよう |
|
| 特集:仮想化技術の大本命「Xen」を使ってみよう Xen対応カスタムカーネル構築編 Xen環境およびその上で動作する仮想マシン用カーネルを自分で構築しよう。これにより、自由にカスタマイズしたカーネルを利用できる |
|
| 特集:IPv6、UML、セキュリティ機能の統合 全貌を現したLinuxカーネル2.6[第4章] 今回は、これまでに紹介し切れなかった機能を一気に紹介する。これを読めば、カーネル2.6の正式リリースが楽しみになるだろう |
|
| Linux Squareプロダクトレビュー VMware Workstation 4 PC/AT互換機エミュレータとして不動の地位を築いたVMware。その新バージョンがリリースされた。新機能を早速試してみよう |
|
| 古くて新しい「サーバ仮想化技術」の行方 サーバ仮想化を実現するための技術がソフトウェア、ハードウェアの両面で出そろってきた。ハイパーバイザーのさらなる高速化に向けた動きを紹介する |
|
| Linux Squareフォーラム全記事インデックス |
TechTargetジャパン
- 新しい記事も入っていて安心しました (2012/2/7)
Linux Squareのアクセスランキングを公開します。定番の記事ばかりでなく、連載中の記事もよろしくお願いいたします - エラーメッセージをどう扱うか? (2012/2/2)
今回は、スクリプト実行時にエラーが発生したことを知らせるメッセージの扱い方を説明します - ファイルのアップロードを制限する (2012/1/30)
HTTPクライアントがアップロードしてくるファイルの扱いについて解説します。そもそも受け入れる必要があるのか? ということのほかにも、いろいろ設定が必要です - OSに付属するシェルスクリプトを読んで技術を盗む (2012/1/27)
シェルスクリプトマスターに近づくには、他人から技術を盗まなければならない。OS付属のスクリプトから技術を盗もう
|
|
キャリアアップ
スポンサーからのお知らせ
- - PR -
イベントカレンダー
- - PR -

