ZABBIXのインストールZABBIXで脱・人手頼りの統合監視(2)(4/4 ページ)

» 2009年09月29日 00時00分 公開
[森山将之ミラクル・リナックス株式会社]
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ZABBIXエージェントのビルドとインストール

 ZABBIXエージェントをコンパイル、インストールする手順を解説します。ZABBIXエージェントのすべての機能を有効にするため、次のオプションを指定してconfigureを実行します。

メソッド名 説明
--enable-agent ZABBIXエージェントのバイナリをコンパイルします
--enable-ipv6 IPv6のサポートを有効にします
--with-ldap LDAP監視を行う場合に指定します
表3 ZABBIXエージェントのconfigureオプション

                           

# ./configure --enable-agent --enable-ipv6 --with-ldap

 makeを実行し、コンパイルを行います。

# make

 特にエラーが出力されずに終了すれば成功です。以下のコマンドを実行してインストールを行います。デフォルトでは/usr/local以下にバイナリファイルがインストールされます。

# make install

 以上でZABBIXエージェントの動作に必要な実行ファイルがインストールされました。

ZABBIXエージェントの設定方法

 ZABBIXエージェントの設定ファイルのサンプルファイルは、ソースファイルのmisc/confディレクトリに置かれています。/etc/zabbixディレクトリを作成し、ファイルをコピーします。

# mkdir /etc/zabbix
# cp misc/conf/zabbix_agentd.conf /etc/zabbix/

 /etc/zabbix/zabbix_agentd.confの以下の設定を修正します。Server=ZABBIXサーバのIPアドレスを設定します。ZABBIXエージェントはこのIPアドレスからの監視にしか応答せず、ZABBIXエージェントが能動的に監視データを送る場合も、このアドレスに送付されます。

Hostname=ZABBIXエージェントが導入されているサーバのホスト名を設定します。
ListenIP=ZABBIXエージェントがListenするIPアドレスを設定します。
PidFile=/var/run/zabbix/zabbix_agentd.pid
LogFile=/var/log/zabbix/zabbix_agentd.log

 ZABBIXエージェントの起動スクリプトとサンプルファイルはソースファイルのmisc/init.dディレクトリに置かれています。起動スクリプトを/etc/init.d/に置き、必要な個所を修正します。

# cp misc/init.d/redhat/8.0/zabbix_agentd /etc/init.d/zabbix-agent
# chmod 755 /etc/init.d/zabbix-agent
# vi /etc/init.d/zabbix-agent
# chkconfig: - 85 15        ← この行を修正
# description: zabbix-agent
progdir="/usr/local/sbin/"  ← この行を修正
prog="zabbix_agentd"

 起動スクリプトのrestartコマンドが正常に動作しないためstop()の中で実行しているkillコマンドをkillprocに変更します。

kill -TERM $pid
    ↓ 次のように変更
killproc $progdir$prog

 以上でZABBIXエージェントのインストールは完了です。以下のようにコマンドを実行するとZABBIXエージェントを起動、停止、再起動することができます。

# service zabbix-agent start : 起動
# service zabbix-agent stop : 停止
# service zabbix-agent restart : 再起動

 OS起動時にZABBIXエージェントを自動的に起動するためには、以下のコマンドを実行します。

# chkconfig zabbix-agent on

トラブルシュート

 ここでは、導入時にはまりがちなポイントやエラーが生じがちなポイントについて、実際のエラーメッセージとその対処方法を説明します。

ZABBIXサーバが起動しない

# service zabbix-server start

zabbix_server を起動中: [失敗]


 上記のように表示されZABBIXサーバが起動しない場合は、/var/log/zabbix/zabbix_server.logファイルのメッセージを確認します。以下にログのメッセージと対処方法を説明します。

■エラーメッセージ■

13175:20090907:162023 [Z3001] Connection to database 'zabbix' failed: [2002] Can't connect to local MySQL server through socket '/var/lib/mysql/mysql.sock' (2)


■対処方法■

 MySQLサーバが起動していないことが考えられます。以下のコマンドを実行してMySQLサーバを起動させます。

# service mysqld start

 OS起動時にMySQLサーバを自動起動させるために、次のコマンドを実行しておきます。

# chkconfig mysqld on

■エラーメッセージ■

13355:20090907:162355 [Z3001] Connection to database 'zabbix' failed: [1045] Access denied for user 'zabbix'@'localhost' (using password: YES)


■対処方法■

 /etc/zabbix/zabbix_server.confのDBPasswordに設定したパスワードがMySQLのzabbixデータベースに設定したパスワードと同じかどうかを確認します。間違っているようであれば正しいパスワードを設定します。

Webインターフェイスのインストーラのエラー

■エラーメッセージ■

* Configuration file: Fail


 このようなエラーが表示される原因として、Apacheユーザー権限で動作しているインストーラ

/var/www/html/zabbix/conf/zabbix.conf.phpに設定を書き込めないことが考えられます。

ALT 画面11 エラー表示画面

 rootユーザーで次のコマンドを実行し、インストーラーの“Retry”ボタンをクリックしてください。

# rpm -Uvh http://www.zabbix.jp/rpms/rhel5/i386/zabbix-jp-release-5-1.noarch.rpm

 設定が書き込めたら、次のコマンドを実行しておいてください。

# chmod 755 /var/www/html/zabbix/conf

■エラーメッセージ■

* Error in query [SELECT ...


 このようなエラーメッセージが表示されている場合、MySQLのzabbixデータベースにZABBIX用のテーブルが作成されいない可能性が想定されます。「データベースへの初期データのインポート」を実行してテーブルを作成してください。

ALT 画面12 データベースに関連するエラー表示画面

他のマシンからZABBIXのWebインターフェイスにアクセスできない

 CentOS 5.3は、デフォルトでファイアウォールが設定されていて、80ポートがブロックされています。他のマシンからZABBIXインターフェイスにアクセスする場合は、外部から80ポートにアクセスできるよう設定を変更します。手順は次の通りです。

  1. 画面上部のメニューから「システム」-「管理」-「セキュリティレベルとファイアウォールの設定」を起動
  2. 「ファイアウォールのオプション」の中の「信頼できるサービス」の一覧の「WWW(HTTP)」を選択
  3. 「適用」ボタンをクリック
  4. 「OK」ボタンをクリック

 今回はZABBIXのインストールについて解説を行いました。次回は実際にさまざまなサービスの監視を行うための設定手順を解説します。

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