ZABBIXの設定ZABBIXで脱・人手頼りの統合監視(3)(1/5 ページ)

この連載では、オープンソースの運用監視ソフトウェア「ZABBIX」ではどんなことができるのかを、実際の使い方とともに紹介していきます(編集部)

» 2009年11月19日 00時00分 公開
[鈴木崇文ミラクル・リナックス株式会社]

 前回「ZABBIXのインストール」ではZABBIXのインストール方法を解説しました。今回は実際の監視を行う際に必要となる基本的な設定項目であるホストの登録、アイテムの設定、トリガーの設定、グラフの設定について解説していきます。

 ZABBIXでは、監視対象のマシンをホストと呼び、監視対象のマシンのCPU使用率やメモリ使用率などの個別の監視項目をアイテムと呼んでいます。そして、各アイテムの情報に基づいて、どのような状態になっている場合に警告や障害と判断するかを定義するものがトリガーになります。さらに、各アイテムの数値を基にグラフを描画することができます。

 まず今回の設定を行う前に、前回設定したZABBIXサーバとZABBIXエージェントのサービスが起動していることを確認しておきましょう。起動していない場合には、以下のコマンドで起動してください。

# service zabbix-server start
zabbix_server を起動中:                                    [  OK  ]
# service zabbix-agent start
zabbix_agentd を起動中:                                    [  OK  ]

Webインターフェイスの言語設定

 今回は主に、ZABBIXのWebインターフェイスを使用して設定していきます。まずWebインターフェイスの言語設定を日本語に変更します。前回設定したWebインターフェイスにAdminユーザーとしてログインした後、[Administration]-[Users]の画面を開き、[Admin]ユーザーを選択します。

画面1 [Admin]ユーザーを選択 画面1 [Admin]ユーザーを選択

 [Language]の設定を[Japanese(JP)]に設定し、[save]を選択すると、画面が日本語表示になります。以降、日本語表示のWebインターフェイスを前提に解説していきます。

画面2 [Language]の設定を[Japanese(JP)]に設定 画面2 [Language]の設定を[Japanese(JP)]に設定

基本的なホストの登録

 [設定]-[ホスト]を選択すると、初期設定では以下のような画面になっているはずです。

 初期設定では、すでに監視対象としてZABBIXサーバ自身が「ZABBIX Server」というホスト名で登録されています。ただし初期設定では[ステータス]が[無効]になっているので、[無効]をクリックし[有効]に変更してください。

画面3 [ステータス]を[有効]に変更する 画面3 [ステータス]を[有効]に変更する

 次に、新規にほかのホストを登録しますが、監視対象ホストには事前にZABBIXエージェントがインストールされていることとします。ここでは、各ホストのIPアドレスが以下のように設定されていると仮定します。

ZABBIXサーバのIPアドレス:192.168.0.45
LinuxホストのIPアドレス :192.168.0.44
WindowsホストのIPアドレス:192.168.0.41

 LinuxホストへのZABBIXエージェントのインストールは前回「ZABBIXのインストール」の「ZABBIXエージェントのビルドとインストール」および「ZABBIXエージェントの設定方法」を参照してください。WindowsホストへのZABBIXエージェントのインストール方法については、記事の最後に記載します。

 なお、ZABBIXエージェントをインストールしていないホストを登録することも可能ですが、監視可能な項目が限られるため、ここではZABBIXエージェントをインストールしたホストを登録します。各ホストとも、zabbix_agentd.confのServerにはZABBIXサーバのIPアドレスである192.168.0.45を設定しておいてください。

Server=192.168.0.45    ←この行をZABBIXサーバのIPアドレスを指すよう修正

 ここでもう1点注意しておきたいのが、前回紹介したLinux版のエージェントのように、configureオプションに「--enable-ipv6」を付けてZABBIXエージェントをコンパイルした場合は、IPv6アドレスでのみZABBIXエージェントのポートが開くため、そのままではIPv4アドレスで監視できないことです。

 IPv4アドレスで監視するためには、監視対象ホストのzabbix_agentd.confで「ListenIP=」を記述して、IPv4アドレスを使用することを明示的に指定しておく必要があります。今回はIPv4のアドレスで監視設定をしていくため、監視対象のLinuxホスト上(IPアドレス:192.168.0.44)のzabbix_agentd.confにて、「ListenIP=192.168.0.44」を設定してください。

# IP address to bind agent
# If missing, bind to all available IPsListenIP=192.168.0.44                    ←この行を追加

 [設定]-[ホスト]の画面から[ホストの作成]をクリックします。

画面4 [設定]-[ホスト]の画面から[ホストの作成]をクリックする 画面4 [設定]-[ホスト]の画面から[ホストの作成]をクリックする

Linuxホストを登録する場合

 画面に従い、以下の項目を設定し[保存]をクリックします。

項目 設定例 説明
名前 centos-32-zbx 任意の名前を付けることが可能ですが、アクティブチェックを利用する際にはzabbix_agentd.confのHostnameで設定したホスト名と同一である必要があるため、zabbix_agentd.confで設定したホスト名を使用することをお勧めします。
グループ Linux servers グループを指定します。新規にグループを設定したい場合には[新規グループ作成]からグループを作成可能です。
DNS名 (空) [接続方法]にて[DNS名]を選択する場合には、マシンのDNS名を設定する必要があります。
IPアドレス 192.168.0.44 マシンのIPアドレスを設定します。
接続方法 IPアドレス マシンの監視時に[DNS名]を使用して接続するか、[IPアドレス]を使用して接続するか選択します。今回は[IPアドレス]を使用します。
表1 Linuxホストを登録する際の登録項目
画面5 各項目を設定し、[保存]をクリック 画面5 各項目を設定し、[保存]をクリック

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