ネットブックで動く軽量Linuxディストリ大全(後編)
 〜 ネットブック専用にサーバ用、よりどりみどり 〜


小型で廉価な「ネットブック」が人気を集めています。日本では少数派ですが、ワールドワイドで見ると価格を抑えるためにLinux、それもさくさく動作する軽量なLinuxディストリビューションを搭載して出荷されるケースが多いようです。その特徴をご紹介します。皆さんもお手元のネットブックで試してみませんか?(編集局)

Shin.鶴長
2009/2/25


 前編では、3Dデスクトップなどの付加機能をそぎ、ネットブックでの利用に最適化した「軽量Linuxディストリビューション」のうち主要なものを紹介しました。後編では、特定のネットブックに特化したものやサーバ用など、さらにいくつかのユニークなディストリビューションを紹介します。

ネットブック専用Linuxディストリビューション

 軽量Linuxディストリビューションはもともと、限られたHDD容量のネットブックでも利用できるよう、コンパクトにまとめられています。中には、特定のネットブックに特化したものもあります。

 例えば、ネットブックに搭載されることが多い、インテルのモバイル端末向けの低消費電力CPU「Atomプロセッサ」用にチューニングを施したり、無線LANドライバやトラックパッドといったネットブック独自のデバイスのためのカーネルモジュールが用意されており、インストールに掛かる負担を軽減しています。

 こうした特定ネットブック向けのディストリビューションの中には、一般に配布されず、ベンダにのみ供給される場合があります。そうしたLinuxはインスタンスOSとしてオンボードROMに書き込まれ、ブラウザやメーラーのランチャとして利用されています。電源投入後5秒で稼働するアプリケーションランチャの多くが、軽量Linuxで作られています。

 一般に入手可能なものでは、やはり市場に出回っている数に比例して、ASUS EeePC向けのものが目に付きます。ただネットブックはハードウェア構成が似通っているため、入手が可能であれば流用も可能です。ただし、Bluetooth/オーディオ/無線LANといったデバイスは各ネットブックで構成が異なるため、流用できるかどうかはディストリビューションによります。

 なお、ネットブックに軽量Linuxディストリビューションをインストールして期待されるのは「起動の早さ」「動作の軽快さ」ですが、電源の管理ではWindows系OSに軍配が上がります。Linuxを起動した場合、総じてバッテリの持続時間はWindowsの場合に比べ劣ります。

Xandros
http://www.xandros.com/

 海外で発売されているLinux版 EeePCにインストールされているLinuxディストリビューションです。Windowsユーザーの取り込みを狙っており、NTFSパーティションの読み書きが可能なほか、Office文書の互換性を保つ仕組みを備えることなどが特徴です。

Ubuntu Netbook Remix
http://www.canonical.com/projects/ubuntu/nbr

 Ubuntuの運営主体であるCanonicalとインテルが共同で開発したUbuntu派生のディストリビューションです。アプリケーションを起動するためのランチャを備えています。Atomプロセッサに最適化されています。

EeeDora
http://wiki.eeeuser.com/howto:eeedora

 EeePC用のFedora派生ディストリビューションです。Fedoraではデスクトップ環境にGNOMEが標準で使用されていますが、EeeDoraではXfceに変更されています。

Puppeee
http://murga-linux.com/puppy/viewtopic.php?search_id=1743416936&t=25896

 EeePC用のPuplet(Puppy Linux派生ディストリビューション)です。EeePCに搭載されている無線LANやWebカメラ、サウンドといったハードウェアのほとんどを利用できます。

eeeXubuntu
http://wiki.eeeuser.com/ja:ubuntu:eeexubuntu:home

 EeePC用のXubuntu派生ディストリビューションです。XubuntuはUbuntu派生ディストリビューションで、デスクトップ環境をGNOMEからXfceに置き換えたものです。

Splashtop
http://www.splashtop.com/index.php

 DeviceVM社によって開発されたLinuxディストリビューションです。数秒で起動することをうたい文句にしており、Webブラウザやメールソフト、場合によってはメディアプレーヤといったアプリケーションを起動するランチャに利用できます。ASUS社のマザーボードに採用された実績をはじめ、ネットブックにも一部採用されています。

Cloud
http://www.thinkgos.com/cloud.php

 ネットブック用のgOSです。Splashtop同様、ブラウザなどのアプリケーションランチャとして使用されています。GIGABYTE社での採用が予定されています。

MIE
http://www.hp.com/united-states/campaigns/mini1000/hpmini1000_mie.html#mie

 MIE(Mobile Internet Experience)は、HPのネットブック「Mini 1000」用にカスタマイズされたUbuntuベースのLinuxディストリビューションです。HPのネットブックを所有していないユーザーでも、HPのサイトからインストーラをダウンロードし、MIEの起動が可能なUSBメモリを作成することができます。

関連記事:
参考 レノボ、「IdeaPad S10e」で国内UMPC市場に参入
http://www.atmarkit.co.jp/news/200812/03/lenovo.html

 
1/3

Index
ネットブックで動くLinuxディストリ大全(後編)
 ネットブック専用にサーバ用、よりどりみどり
Page 1
 ネットブック専用Linuxディストリビューション
  Page 2
 サーバ用途の軽量ディストリビューション
  Page 3
 Tips 1:Live CD用ISOイメージファイルをUSBメモリで利用する
 Tips 2:Liveメディアで作業したデータを永続的に使用する
 皆さんの選択は?

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