
真ゼロ円でできるXサーバ[Windows XP編]
Cygwin/XFree86最新事情と日本語化
Cygwin環境はいまも進化し続けている。多くのパッケージが標準インストーラでインストールできるようになり、日本語化も可能になった。今回は日本語化を中心に、Cygwin環境の構築方法を解説する。(編集局)
北浦 訓行
2003/3/25
「真ゼロ円でできるXサーバ Windows 2000で動かすXFree86」を書いてから1年7カ月がたち、その間にCygwinの開発もかなり進んでいます。そのため、上記の記事の内容の中にはCygwinの現状と乖離してしまっている部分もあります。
今回は、当時から変更された点を中心に、CygwinをXサーバとして活用するための設定方法を紹介します。なお、前回は対象OSをWindows 2000としましたが、今回はWindows XPがリリースされてからかなりの時間を経ているので、Windows XPをターゲットにしています(注)。
| 注:Windows 2000でも同様の設定で動作すると思われます。 |
容易になったCygwinのインストール
Cygwinのインストーラはウィザード形式になっていて、インストールは簡単です。しかも、前回(インストール編)の時点ではXFree86を独自にダウンロード/インストールする必要がありましたが、現在はXFree86までインストール可能なパッケージとしてリストアップされています。そして、XFree86カテゴリにはWindow Makerも含まれているのです(注)。
| 注:XFree86カテゴリは、デフォルトではインストールされません。 |
■setup.exeの問題点と解決
しかし、現在の正式版(バージョン2.249.2.5)を日本語版のWindowsで実行すると、ウィンドウ内のメッセージが一部表示されないという問題があります(画面1)。
![]() |
| 画面1 起動直後のsetup.exe。Copyright表示の3行目が表示されていない |
標準的なインストールを行う場合はこれでもよいのですが、ダウンロードサイトを選択する画面では問題になります。
Cygwinには、Cygwin.com以外にも、独自に開発・改良されたCygwin用のプログラムをダウンロードできるサイトがあります。setup.exeのダウンロードサイトを選択する画面でそのURLを指定すると、インストールするパッケージをGUIで選択でき、インストールも自動的に行われます。Red Hat Linuxなどは、RPMなどのパッケージをダウンロードしてrpmコマンドでインストール作業を行いますが、それに比べると手軽で便利な仕組みです。
ところが、現在のsetup.exeでは[User URL]のボックスの大部分が表示されないため、入力したURLが正しいかどうかの確認がほとんどできない状態なのです(画面2)。
![]() |
| 画面2 [User URL]のボックスが切れてしまい、入力した文字が確認できない |
そこで今回は、早田恭彦氏によって日本語化されたsetup.exe(setup-2.249.2.5-jp.exe:http://matsu-www.is.titech.ac.jp/~sohda/cygwin/dist/)を使って紹介します。setup-2.249.2.5-jp.exeは、メッセージが日本語化されているだけでなく、オリジナルのsetup.exeでは中途半端に切れてしまっていたメッセージやボックスがちゃんと表示されるのです(画面3)。
![]() |
| 画面3 日本語化されたsetup.exeの画面 |
■パッケージの選択とインストール
インストーラの機能面は、前回(インストール編)で紹介したものとほとんど変わりません。基本的にデフォルトの設定のまま、[次へ >]ボタンをクリックしていけば問題ありません。異なるのは、インストールするパッケージを選択する画面とデフォルトでインストールされるパッケージの構成です(画面4)。
![]() |
| 画面4 パッケージ選択画面。デフォルトでは、カテゴリ別の表示になっている |
カテゴリの左端に表示されている「+」をクリックすると、各パッケージの名前やバージョン番号、インストールの有無などが表示されます。また、そのカテゴリに属するパッケージをインストールするかどうかを指定することができます。最初は[Default]になっていますが、その文字部分をクリックすると、「Install」→「Reinstall」→「Uninstall」→「Default」(以下繰り返し)の順にインストールの設定が変わります。
カテゴリの内容は以下のとおりです(一部のプログラムは複数にカテゴライズされている)。
|
カテゴリ名
|
内容
|
Default
|
| Admin | cronやshutdownなどの管理ツール |
×
|
| Archive | sharやunzip、zipなどのアーカイブツール |
×
|
| Base | bashやLibraryなどの基本ツール |
○
|
| Database | データベース関連ツール |
×
|
| Devel | gccなどの開発ツール |
×
|
| Doc | manやCygwinのドキュメント、TeXなど |
△
|
| Editors | Emacsやmc、vimなどのエディタ関連 |
×
|
| Games | ゲーム |
×
|
| Graphics | ghostscriptやグラフィック関連ライブラリなど |
×
|
| Interpreters | PerlやPythonなどの言語関連 |
△
|
| Libs | 各種ライブラリ |
△
|
| メールやニュース関連ツール |
×
|
|
| Math | 数値演算関連 |
×
|
| Net | ApacheやIRCなどのネット関連ツール |
×
|
| Publishing | TeX関連ツール |
×
|
| Shells | 各種シェルなど |
△
|
| System | システム関連ツール |
×
|
| Text | groffやTeX関連など |
△
|
| Utils | diffやMidnight Commanderなどのユーティリティ |
△
|
| Web | Apacheやwget、PHP4などのWeb関連プログラム |
×
|
| XFree86 | X Window System関連プログラム |
×
|
| _PostInstallLast | info/dirファイル生成ツール |
○
|
| 表1 カテゴリの内容 注:○=すべてインストール、△=一部インストール、×=すべてインストールしない |
||
何をインストールすればいいかは、Cygwinをどのような目的で使用するかによって異なります。この記事はCygwinをXサーバとして使うことを目的としているので、XFree86は必須です。また、ファイルを編集する必要がありますから、テキストエディタもインストールしたいところです。ハードディスクに空きが十分あるのなら、すべてをインストールしてもいいと思います。筆者は、インストールするファイルを選ぶようなちまちまとした作業が苦手ですので、リストの先頭行の[All]を[Install]にしました。
ちなみに、[All]の右にある「
」をクリックすると、しばらくの間プログラムが無反応になります。場合によっては、Cygwin
Setupのタイトルバーに「(応答なし)」と表示されるかもしれませんが、数分間待っていると[Default]が[Install]に変わります。すべてのパッケージをインストールすると、ハードディスクを約958Mbytes(ファイルサイズは約831Mbytes)占有します。
インストールしたら、すぐにCygwinを起動できます。以前は環境変数を設定したり、ホームディレクトリや.bashrcなどを作成する必要がありましたが、現在のCygwinは、Xサーバとして使う分にはホームディレクトリの作成や環境変数の設定は必要ないようです(Cygwinのデフォルトで問題ない。Windows
XPで確認)。
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