
WebDAVクライアント/サーバ環境の構築
− 次世代プロトコルWebDAVの可能性[中編] −
宮本 久仁男<kmiya@coe.nttdata.co.jp>
NTTデータ COEシステム本部
システム技術開発部第三技術開発担当
2001/10/10
WebDAVサーバ環境の構築
WebDAVの機能を実装しているプロダクトはいろいろあるが、今回はオープンソースのWebサーバであるApacheで、WebDAV機能を提供するためのモジュールであるmod_davを使えるようにしてみよう。
mod_davは、純粋にRFC 2518に記述された範囲の実装である。ファイルの読み書き/作成/削除およびフォルダ(コレクション)の作成/削除を行うことはできても、それ自身がセキュリティ関連の機能を持っているわけではない。そこで必要となるのが別の規約の利用である。例えば、Apacheに実装されているBASIC認証などのセキュリティ機能を用いることが挙げられる。それだけでは不安という人は、SSLやssh、Zebedeeなど、すでに確立された暗号化通信の手段を利用することが可能である。
以下ではRed Hat Linux 6.2を念頭に置いて解説するが、あえてRPMは使わず、tarアーカイブからのインストール方法で説明する。最近のLinux系OSであれば同様の手順で問題はないだろう。
| コラム Windows 2000をサーバにする場合 |
| MicrosoftのWindows 2000上で動作するIIS 5.0でもWebDAV機能は利用可能である。機能の利用方法は、Microsoftのサイト(http://www.microsoft.com/JAPAN/developer/library/jpiis/core/wcwbdav.htm)に必要十分な記述があるので参考にしてほしい。 |
■mod_davのインストール
mod_davのインストール手順を大ざっぱに述べると、以下のようになる。
1.Apacheの構成をチェックする
DSO(Dynamic Shared Object)が利用可能であればmod_davのコンパイル→インストールのみでOKだが、そうでない場合はApacheをDSO利用可能にする必要がある。また、スタティックにmod_davを組み込むことも可能だが、以後の構成変更などを考えると特段の理由がない限りはDSOを使った方がよいだろう。
筆者の試験環境では以下のようにしてApacheをconfigureしたが、適宜必要なパラメータを追加/変更するなどして試してほしい。
$ ./configure --enable-module=most
--enable-shared=max |
configureがうまくいけば、
$ make |
でApacheのインストールは終了する。
2.mod_davのアーカイブを入手する
mod_dav-1.0.2-1.3.6.tar.gzはhttp://www.webdav.org/mod_dav/より入手できる。2001年9月現在のバージョンは1.0.2だ。
なお、Apacheのバージョンは1.3.6以降が対象である。Apache 1.2.xでも動かせるが、バグフィックスなどの関係もあるので、最新のバージョンにしておいた方が望ましい。
3.コンパイルとインストール
mod_davのアーカイブを入手したら、適当なディレクトリで展開してコンパイルおよびインストールを行う。
$ ./configure --with-apxs=apxsコマンドをフルパスで指定 |
ここまでうまくいったら、次は設定である。configureで失敗する場合は、後述の「インストールのトラブルシューティング」を参照してほしい。
■WebDAVを有効化するための設定
mod_davのインストールが終了した時点で、以下の行がhttpd.confファイルに追加されていることを確認する。
LoadModule dav_module libexec/libdav.so |
これが確認できたら、いよいよWebDAVを使うための設定を行う。例では、Webサーバ上の/pagesでDAV機能を有効にする。この場合、httpd.confに以下のような記述を追加すればよい。
<Location /pages> |
このほか、ロックデータベースを格納する場所をDAVLockDBディレクティブで指定する。例えば、
DAVLockDB /usr/local/apache/var/DAVLock
|
とhttpd.confに記述することで、/usr/local/apache/var/というディレクトリにロックデータベースファイルを作成する。このディレクトリは、Userディレクティブで指定するユーザー(編注)でApacheが書き込める設定になっている必要があるので注意してほしい。
| 編注:httpd.confのUserディレクティブ参照。デフォルトはnobodyになっている。 |
ここまでの設定でDAVによるアクセスが可能になるわけだが、これだけだと利用上の不具合がある。このままでは、だれでもDAVアクセスOK(ファイル作成OK)状態なので、/pagesに対応するディレクトリ配下に対して.htaccessなどを使ってアクセス制限をかけておく必要がある。例えば、筆者が自宅で利用しているWebDAVサーバでは、.htaccessの中に
AuthUserFile /home2/wakatono/htpwd/user.pwd |
などとしておいて、GETとOPTIONS以外のメソッドについては認証を行うようにしてある。
また、http://www.webdav.org/mod_dav/install.htmlに設定の例がいくつか掲載されているので参考にしてほしい。その中の1つを参考に解説すると、httpd.conf中での以下のような設定が挙げられる。
<Location /pages> |
このように設定すると、GET、HEAD、OPTIONS以外のメソッドはユーザーwakatonoとして認証が必要となる。
■インストールのトラブルシューティング
mod_davの./configure実行時に、環境によっては以下のようなエラーを出力してconfigureが停止してしまうことがある。
checking for dynamic Apache module
support (via APXS)... found at /usr/local/apache/bin/apxs |
このようなときのトラブルシューティングについて、エラーメッセージ中のURLを参照すると、PHPのFAQを見るようにという旨の指示がある。PHPをビルドするときにもmod_davと同様の現象が発生する可能性があり、PHPのFAQにはその対処方法が掲載されているのだ。
PHPのFAQ(http://www.php.net/manual/en/faq.build.php#AEN63052)には、以下のように記述されている(原文は英語なので、簡単に邦訳してある)。
apxs(編注)中の、
my $CFG_CFLAGS_SHLIB = '
'; |
となっている行(式の右辺は違うことがある。筆者の場合は q()となっていた)を探し、この部分を
my $CFG_CFLAGS_SHLIB = '-fpic
-DSHARED_MODULE'; |
と変更することで対処可能になることがある。
そのほか、Red Hat Linux 6.1/6.2などではapxsの内容が不正な状態になてっていることがあるので、
my $CFG_LIBEXECDIR =
'modules'; # substituted
via APACI install |
という行を探し、
my $CFG_LIBEXECDIR =
'/usr/lib/apache'; # substituted
via APACI install |
に変更すればOKになることがある。
これでもダメならば、Apacheの再構成/再インストールをした方がよいだろう。
| 編注:apxsは、例えば/usr/sbin/apxsや/usr/local/apache/bin/apxsなどにある。Apacheのインストール方法などによって場所が異なるため、localeなどで検索した方が早いだろう。 |
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