Linux Square
第8回 読者調査結果発表

〜 Linux用DB/APサーバ市場に変化の兆しか!? 〜

小柴豊
アットマーク・アイティ
マーケティングサービス担当
2003/1/21

 Linuxの業務利用は、「Webサーバなどのフロントエンド層が中心」と長らくいわれてきた。では、カーネル2.4のリリースから2年を経た今日、システム中心部へのLinux利用はどの程度進んでいるのだろうか? Linux Squareフォーラムが実施した第8回読者調査から、その実態と今後の見込みをレポートしよう。

Linuxサーバ適用状況:今後はDB/APサーバへの適用が進む

 まずは業務システムに使われる各種サーバの機能分野別に、Linux適用状況を聞いた結果が図1だ。「現在Linuxを適用済み」の分野(青色)としては、やはり「Webサーバ」を中心に「メール/グループウェアサーバ」「ファイル/プリントサーバ」といった、おなじみの用途が続いている。ここで注目されるのは、Web3層システムのミドル層を担う「Webアプリケーションサーバ」(以下APサーバ)や、同バックエンド層の「データベースサーバ」(以下DBサーバ)へのLinux適用率が、すでにファイル/メールサーバなどと同様の水準に達していることだ。

 さらに、「今後Linux適用を予定している」分野(黄色)を見ると、DB/APサーバがそのトップ2に挙げられている。あくまで予定の回答ではあるが、Linuxをシステムの中心部分に採用する需要は、確実に増えているようだ。

図1 業務システムへのLinux適用状況(複数回答 n=288)

Linux用ハードウェア:“スケールアウト”で業務システム対応

 ところで、Linuxを業務システムの中心に適用するには、ハードウェア的な拡張性/可用性向上が欠かせない。そこで読者に、「今後のLinuxシステムに必要なハードの種類」を尋ねたところ、「Linux対応のラックマウント型サーバ」および「Linuxシステム用のRAID装置やネットワークストレージ」が上位に挙げられた(図2)。Linuxで業務システムを構築する方向性としては、いまのところ「64bit IAサーバ」に「スケールアップ」するよりも、ラックマウント機によるクラスタリング(スケールアウト)を望む人が多いようだ。

図2 Linuxシステムに今後必要なハードウェア(複数回答 n=288)

データベース利用状況:Linux DB市場でも“3強”?

 ここからは、Linuxシステムにおける業務ソフトウェアの利用状況を紹介していこう。

 システムのバックエンド層となるDBサーバでは、現在はオープンソースの「PostgreSQL」および「MySQL」の利用率が高いものの、その間に「Oracle」が割り込む結果となった(図3:青色)。オラクルは2002年に「Real Application Clusters for Linux」をリリースしており、前述したLinuxユーザーのスケールアウト志向にマッチした製品展開として、市場の反応が注目される。

 一方、今後のDBサーバ導入予定では、現在のトップ3に加えて「DB2 UDB」のポイントが上がっている点に注目したい(図3:黄色)。Microsoft SQL Serverが存在しないLinux DB市場では、オープンソース/オラクル/IBMが「3強」となっていきそうだ。

図3 Linux業務ソフト利用状況【データベース】(複数回答 n=288)

APサーバ利用状況:Tomcat主流に変化は起きるか?

 次に、Linux版APサーバの利用状況を見てみよう。現在はオープンソースの「Tomcat」がこの分野をリードしており、データベースと違って商用製品の利用はあまり進んでいないことが分かる(図4:青色)。ただし、今後の導入予定では、Tomcatに加えて「Oracle9i AS」「WebSphere」「Zope」といった製品のポイントが拮抗しており、今後Linux APサーバも多様化していくものと思われる(図4:黄色)。

 商用製品/ベンダに注目すると、APサーバ全体では高いシェアを持つ「WebLogic」が、なぜかLinux版では存在感が希薄となっている。DB/APサーバを併せたLinux商用ミドルウェア盟主の座は、しばらくオラクルとIBMによって争われていくもようだ。

図4 Linux業務ソフト利用状況【Web APサーバ】(複数回答 n=288)

メール/グループウェア利用状況:MTAの主役はqmailへ

 最後に、Linux版のメール/グループウェアサーバの利用状況を紹介しておこう。この分野の利用率では、現在「qmail」および「sendmail(オープンソース版)」が、ほぼ同率でトップとなっている(図5:青色)。しかし今後の導入予定を見ると、この対等関係は崩れ、qmailが今後の主利用ソフトウェアとなることが予見される(図5:黄色)。

図5 Linux業務ソフト利用状況【メール/グループウェア】(複数回答 n=288)

調査概要

調査概要
調査方法
Linux SquareフォーラムからリンクしたWebアンケート
調査期間
2002年10月21日〜11月14日
有効回答数
405件(うち、Linux業務システム導入/管理者288人を集計)

Linux Square読者調査

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