IP Anycastって何ですか?

米谷嘉朗(JPRS)
2004/3/3

 IP Anycastとは、通常はインターネット上の特定のノード(インターネットに接続されているネットワークインターフェイス)に対して一意に割り当てられるIPアドレスを、特定のサービスに対して共通に割り当てることを可能にするための技術です。この技術を使うと、複数のノードで1つのIPアドレスを共有することができますから、サーバを分散配置することが可能になります。

 IP Anycastは経路制御技術との組み合わせにより実現されます。経路制御技術を適切に使用することにより、インターネット上に同一のIPアドレスを持つ複数のノードが存在していても、利用者から見てネットワーク的に近い(参照:「ネットワーク的に近い」とは何を指すのか)位置にある適切なノードが選択されます。

図1 IP Anycastでは、近い方の同一IPアドレスに届く

 あるドメイン名についてのDNSサーバ(コンテンツサーバ)数はプロトコルの制約(参照:DNSにおけるUDPの制限って何ですか?)により上限があります。

 IP Anycastを適用することにより、この制限の範囲内でDNSサーバ数を増やすことが可能となり、かつ、災害やDoSアタックなどによる障害の影響を局所化することが可能となります。

 IP Anycastは、RFC 1546により定義されています。また、DNSサーバへのIPAnycastの具体的な適用方法についてはRFC 3258で記述されていますので、興味がある方はそちらも参照するとよいでしょう。

 DNS サーバの最大数については以下のページを参照してください。
http://jprs.jp/tech/jp-dns-info/2003-07-10-max-number-of-dns-server.html

関連記事 「ネットワーク的に近い」とは何を指すのか
DNSにおけるUDPの制限って何ですか?

 

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