
| 今回の内容 | |
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から回復する3つの手順
木村尚義
グローバル ナレッジ ネットワーク インク
2001/8/17
稼動中のWindows 2000のシステムに障害が発生した。「ドライバの更新をしようとしたら、OSが再起動しない」「設定を変更したら、うまく動作しなくなった」など、障害の原因はいろいろ考えられる。連載の最終回である今回は、こういったシステム障害時の対処方法について解説していこう。
| システムファイル保護機能 |
マイクロソフトの調査によると、ブルースクリーンの原因の大半が「適切でないデバイスドライバ」であるという。そこでWindows 2000では、不用意にドライバの置き換えが起こらないように工夫をしているのだ。
●システムファイル保護機能(Windows File Protection)
システムファイル保護機能は、Windows 2000のシステムファイルが不用意に変更されてしまうことを禁止する。「〜.sys」「〜.dll」「〜.ocx」「〜.ttf」「〜.fon」「〜.exe」といった拡張子がつくシステムファイルが上書きされたり、削除されてしまった場合には、自動的に元の状態に復元する。試しに、「\winnt」フォルダ(Windows
2000がインストールされているフォルダ)にある「notepad.exe」(メモ帳)を消してみると、数秒後には自動的に生成されることが分かる*1。
![]() |
| 画面1 「winnt」フォルダ内にある「notepad.exe」を消去してみると、数秒後にファイルが復活することが分かる |
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システムファイル保護機能は、Windows上で動作するプログラムが、保護されたシステムファイルを置換したり移動したりするのを検出する。さらに、新しいファイルのデジタル署名を確認し、マイクロソフト社によって提供されている正しいバージョンのファイルであるかどうかを判別する機能を持つ。バージョンの正しくないファイルは、「%systemroot%\system32\dllcache」フォルダに格納されているバックアップファイルか、Windows 2000のCD-ROMの中から正しいバージョンのものに自動的に戻される。%systemroot%は通常は「c:\winnt」を指す。「c:\」はインストールするときに選んだドライブである。
保護されたファイルを入れ替えることができるのは、以下の正規の手順だけである。
- 「Update.exe」を使ってWindows 2000のService Packをインストールする場合
- 「Hotfix.exe」を使って配布されているHotfixをインストールする場合
- 「Winnt32.exe」を使ってOSをアップグレードする場合
- 「Windows Update」をインストールする場合
| 障害回復の第一歩は「セーフモード」 |
上記のように、Windows 2000では耐障害性を高めるための工夫がなされているのだが、それでも障害が起こってしまった場合には、次の方法で障害回復を行うことになる。
1. セーフモードおよび前回正常起動時の構成
2. 回復コンソール
3. システム修復ディスク
障害を復旧する場合には、次の順で実行してみることが推奨される。
セーフモードで最小限のサービスで起動してみる
↓
セーフモードで解決できない場合、回復コンソールを使用
↓
セーフモードと回復コンソールで問題が解決できない場合、システム修復ディスクを更新している場合はシステム修復ディスクによる回復を試みる
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| 図1 Windows 2000の拡張オプションメニュー |
Windows 2000では、Windows NT時代から引き続き採用されている「前回正常起動時の構成」での起動に加え、Windows 9xでおなじみの「セーフモード」も用意されている。セーフモードは、基本的なファイルとドライバを使う「セーフモード」と、ネットワークが使用可能な「セーフモードとネットワーク」、GUIを使わない「セーフモードとコマンドプロンプト」のいずれかが選択できる。
●セーフモード
基本的なファイルとドライバのみを使って、GUIモードでWindows 2000の起動を試みる。基本的なファイルとドライバとは、マウス(シリアルポートを使用するタイプを除く)/キーボード/モニタ/大容量ディスクである。セーフモードは最小限の構成で起動するため、新しくインストールしたドライバが原因で起動できないときなど、問題となっているドライバを読み込まないため、正常に起動できる可能性が高い。
また、セーフモードでもService Packの適用やWindows 2000システムファイルの入れ替えはできる。ただし、セーフモードは高速性を犠牲にして最小限の構成で起動しているため、通常に比べ起動や動作が多少遅くなってしまう。
●セーフモードとネットワーク
セーフモードの基本的な構成に加え、ネットワーク接続ができるようになる。「セーフモードとネットワークで起動できなければ、ネットワークドライバかネットワーク系のサービスでトラブルを起こしている可能性が高い。
用途としては、ネットワーク経由でファイルを退避させたいときや、正常なドライバをネットワーク経由で転送したいときなどに使う。
●セーフモードとコマンドプロンプト
構成自体はセーフモードと同様だが、こちらはGUIではなく「コマンドプロンプト」を起動した状態で実行される。GUIの管理ツールではなく、直接コマンド入力するほうに慣れている管理者向けの仕様である。
セーフモードを起動した状態で「ファイル名を指定して実行」から「cmd」と入力するか、「スタート」→「プログラム」→「アクセサリ」→「コマンドプロンプト」を選択した場合と同様だ。
●ブートログ作成を有効にする
システムによって読み込まれた(または読み込みに失敗した)すべてのドライバとサービスをログファイル内に記録する。ログファイルは「ntbtlog.txt」として、「%systemroot%」に保存される。ブートログを読むことで、システム起動における問題点を分析する。
●VGAモードを有効にする
リフレッシュレートを高くするとちらつきが押さえられ、画面表示が見やすくなる。ところがリフレッシュレートを高くしすぎると、画面に何も表示されなくなってしまう。通常のテスト実行なら、15秒程度待てば元のリフレッシュレートに戻るのだが、テストを省略してOKを押してしまうと問題が発生する。また、設定時に間違ったビデオカードを選択した場合、画面に何も表示されなかったり、ちらついて何が表示されているのか判別できないことがある。こんなとき、上級管理者には“心眼”で操作したりする者もいるが、なかなかそうはいかない。シャットダウンのためには何のキーを何回押したらいいのかは覚えておくべきだが、再起動後はVGAモードを有効にしておけばいいだろう。
通常のビデオカードはVGAモードを持っている。Windows 2000は800×600ドット以上の解像度がないと操作はつらいが、画面が見えないよりははるかにましだ。ビデオ周りのトラブルのほとんどは、VGAモードかセーフモードの組み合わせで修復が可能だ。
●前回正常起動時の構成(LastKnownGood)
ドライバの入れ替えはしていないが、間違った機器設定をしたと思われる場合は、再起動時に「前回正常起動時の構成」を選ぶ。「前回正常起動時の構成」では、レジストリの内容を最後にログオンしたときの状態に戻す。Windows
2000では、ログオンしたときに現在の構成情報をレジストリに記録する。「前回正常起動時」とは、このときの情報を元に前回ログオンした状態で起動することである。つまり、システムの設定変更後に一度もログオンしていない状態であれば、システムが正常に戻るとは限らない。
構成を誤って再起動した場合は、ログオンせずにすぐにシャットダウンし「前回正常起動時の構成」を起動すれば、前回ログオンしたときのレジストリに戻すことができる。
ただし、「前回正常起動時の構成」では、破損または消失したドライバやファイルがトラブルの原因の場合には、問題を解決できない。
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| 図2 ハードウェアプロファイル/構成の回復メニュー |
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●ディレクトリサービス復元モード(ドメインコントローラのみ)
Windows 2000のドメインコントローラだけが対象である。「ディレクトリサービス復元モード」は、ドメインコントローラの「SYSVOL」フォルダとActive
Directoryを復元する。Active Directoryには、連載の第1回目で説明したように各種のオブジェクトが保存されている。また、「SYSVOL」フォルダの中にはドメイン内のすべてのドメインコントローラで複製される情報が保存されている。
●デバックモード
システム起動の情報をシリアルケーブル経由で別のコンピュータに送信しながら、Windows 2000を起動する。遠隔地でトラブル情報を確認したいときなどに使用する、特殊なオプションである。
| 回復コンソールでNTFSパーティションを操作 |
セーフモードでシステムの修復ができなかった場合は、回復コンソールを使用してみる。
起動時にブルースクリーンになってしまった場合、HDDをNTFSで初期化してしまうと、DOSを起動した状態での修正ができない。そこで、Windows NT時代からの管理者の中には、システムパーティションやブートパーティションはDOSで初期化するほうがよいと思っている人もいる。これは、DOSのシステムを使って起動するとNTFSのパーティションにアクセスすることができないため、トラブル発生時にトラブルシューティングが容易にできなかったためだ。「回復コンソール」を使用すれば、NTFSで初期化したHDDにもアクセスができるため、デュアルブート以外の環境でFAT/FAT32を使う積極的な理由はなくなった。
回復コンソールでは、コマンドを使って特定の問題を修復するためのコマンドライン・インターフェイスを提供する。
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| 表1 回復コンソールで使用可能な(主な)コマンド |
回復コンソールでは、サービスの有効/無効、LinuxなどのほかのOSをインストールして変更されたマスター・ブート・レコードを元に戻すことや、システムファイルのFD/HDDからのコピーができる。
Windows NT系OSには、起動用のシステムを格納している「システムパーティション」とOSそのものが格納されている「ブートパーティション」がある。これらのパーティションも含め、サーバ系のファイルシステムはシステムファイル復旧機能とアクセス制御ができるNTFSにしたほうが絶対によい。
回復コンソールの起動方法は、Windows 2000のCDをセットしてブートする方法と、起動オプションとして登録する方法とがある。起動オプションに登録するには、Windows 2000のCDをセットして、コマンドプロンプトから次のように入力すればいい。
x:\i386\winnt32.exe /cmdcons
(x はCDの挿入されたドライブ名)
これで、次回起動時にOS選択画面で回復コンソールが選択できるようになる。
![]() |
| 画面2 回復コンソールを起動オプションに組み込んだところ(画面をクリックすると拡大表示します) |
| 最後の砦「システム修復ディスク」 |
セーフモード、回復コンソールでの起動に失敗した場合は、システム修復ディスクによる復旧を試みることになる。
●システム修復ディスク(ERD:Emergency Repair Disk)
システムの修復に絶対になくてはならないのが「システム修復ディスク」である。ブルースクリーンになりシステムが起動できないときなど、システム修復ディスクがあると修復できる可能性が高くなる。
マシンの構成情報を変更したときに、こまめにシステム修復情報を保存しておけば、いざというときの修復時間が短くなる。
Windows NT 4.0では、コマンドプロンプトから「Rdisk」を実行することで作成できた。システム修復ディスクには、レジストリ情報の一部とSAMに登録されているアカウント情報の一部が保存される。
ユーザーの追加や新たなアプリケーションをインストールしたなど、システムの構成を変更したときは、「Rdisk /s」と「/s」オプションを追加しておく。ただし、「/s」オプションを使うとSAMや構成情報の大きさによっては、FDの容量では収まりきらなくなる。また、「/s」オプションを使用したときでも、すべてのシステム構成情報を保存できるわけではないので、システムのバックアップは大切である。通常、最悪のトラブルは、修復ディスクの更新とバックアップを怠ったときを狙ってやってくるものなのだ。
Windows 2000では、システム修復ディスクの作成はバックアップメニューからおこなうようになった。Windows 2000のシステム修復ディスクはWindows NTのときと異なり、レジストリファイルのバックアップは含まない。レジストリファイルは「%systemroot%\repair\RegBack」フォルダに保存されている。
Windows 2000のシステム修復はユーザーの操作を必要としない「高速修復」オプションか、慣れた管理者が行う「手動修復」オプションのいずれかが使用できる。高速修復オプションは、レジストリ/システムファイル/ブート・ボリュームのパーティション/ブート・セクタ/スタートアップ環境 (デュアルブート・システムまたはマルチブート・システムを使っている場合)を修復する。「手動修復」オプションでは、高速修復でのオプションを選択して修復が行える。
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| 図3 回復コンソールとシステム修復ディスクを使う場合の操作手順 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
システム修復ディスクによる修復方法の詳細については、Windows 2000 Insiderフォーラムの「修復セットアップ完全マスター」でも解説されている。さらに詳しい情報を入手したい方は、こちらの記事を参照してみるといいだろう。
起動途中でよくわからないエラーが発生しても、リブートしてしまうと治ることも多いのだが、それは根本的な解決にはならない。いずれにせよ、システムの復旧には深い知識が必要である。トラブルの分析は重要だが、緊急のシステム復元においてバックアップに勝るものはない。
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本連載は、今回をもちまして最終回となります。
ご愛読、ありがとうございました。
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