LANで使われているこの機械は何ですか?(物理層)〜これで入門書が読める!超初心者のためのインターネットの仕組み〜インターネットのモヤモヤを解消する(2)(1/3 ページ)

社内のネットワークで使われている機器からLANについて学習しよう。芽衣子と一緒にそれぞれの役割を覚えてしまおう。

» 2008年10月06日 00時00分 公開
[山本洋介山bogus.jp]

イーサネットとインターネットは違います

今回学ぶこと

 初出社からいきなり大男によく分からない説明を受けて困惑気味の芽衣子さんです。インターネットって意外と面倒だったんですね。

 昨日言いわれた瞬間は分かったような気がしていましたが、朝になるとよく分かりません。とにかく用語を思い出すだけで精いっぱいです。

 いつもの冷静な私に戻らないと、駄目よ。しっかりしなきゃ。

 いつも以上に気合を入れた格好で出社しますが、いきなり引っ越しの会議だということで、作業着のオッサンたちに囲まれてしまいます。

会議室トーク 「サーバの移設について……」

会議室トーク 「ネットワークの配線が……」

 冷静な顔をして分かったように聞いていますが、ちっとも意味が分かりません。しょうがないのでメモしているふりをしながらノートにお絵描きしているうちに、会議は終了です。

正男さん

IT立国を目指すべく北の国からやって来た。お父さんの体調が悪いのでそろそろ国に帰らなければならない。ディズニー好き。無駄な知識を披露したがる。


芽衣子さん

キャリアアップを図るべく入社したものの、ネットワークの仕事を押し付けられる。無駄なことは知らなくてもいいと思っている。MかSかでいうと間違いなくS。2ちゃんねらー。ニコ厨。転職の回数だけ過去がある。


 会議が終わって、芽衣子さんの元にまたまた正男さんがやって来ます。

正男 「いまの会議でいってたことで何とかなると思うんだけど、分かった?」

芽衣子 「いえ、まったく分かりませんが」

 芽衣子さんは当たり前のように堂々と答えます。堂々と答えると意外と納得されるものです。

正男 「やっぱりね」

芽衣子 「いきなりルータとかサーバとかいわれてもちょっと……」

 正男さんは話を続けます。今日もしばらく居座るつもりのようです。

LANでは普通イーサネットが使われています

正男 「昨日説明したように、インターネットに接続するにはケーブルを通って、サーバとクライアントがやりとりしているということは、分かったよね」

芽衣子 「ええ、まあ」

 インターネットはタワーマンションのようなものということですね。確か。

正男 「まずはうちの会社のネットワーク、言い換えると社内LANだけど……、これについて物理的な方から説明をしますよ」

芽衣子 「文系なので物理はちょっと……」

 話の腰を折ってみましたが、正男さんは気にせず話を続けます。

正男 「うちの会社のネットワークはイーサネット(Ethernet)で構成されています」

芽衣子 「それは聞いたことあるけど、インターネットと何が違うのですか」

正男 「レイヤがちが……、イーサネットはインターネットなどのデータの通り道の規格なんですよ」

芽衣子 「よく分からないけど、きっとこの後詳しい説明が待ってるのね。期待してるよ」

正男 「え、ええ」

正男 「あと、わが社では基本的に100Base-Tのネットワークです」

 なぜか偉そうな不意打ちを食らって攻守逆転です。

正男 「基本的に社内ネットワーク、いわゆるLANではイーサネットを使っているところがほとんどです」

芽衣子 「ええ、了解したわ。イーサネットね。忘れないようにするわ」

 どちらが教えているのか分かりません。

正男 「イーサネットの規格では見えないデータの規格も決まっているのですが、それだけじゃなくて、コネクタの形やケーブルなんかも決められています。そのおかげで違うメーカーのものを買ってきても簡単に使えるようになっているのです」

芽衣子 「そっか、イーサネットで決まってることは、廊下の床材の幅とか、玄関の大きさとか、そんなところね」

 芽衣子さんは分かったようにいいますが、いきなりいわれた正男さんは困惑気味です。

正男 「いや、まあ……、似たようなもんすね。電話だって電気だってみんな同じコンセントですしね」

芽衣子 「壊れたときに同じ寸法じゃないと、ドア、取り換えられないもんね」

正男 「なので機械はイーサネット用の機器を買いましょうということですよ」

LANで使われている機器って?

正男 「そして、ここからはお待ちかね、わが社のLANで使われているたくさんの機器について説明をします」

というと、また芽衣子さんのマシンの方にボテボテと歩み寄ってきます。

芽衣子 「それって全部イーサネットってやつの機械なんでしょ。われながら素晴らしい理解力」

 自分に酔いしれる芽衣子さんをほったらかしにして、正男さんはPCの裏を指して話します。

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