とにかく社内でWinnyの起動をやめさせたい 〜Windows制限とRetina Winny Monitor〜ツールを使ってネットワーク管理(11)(1/4 ページ)

情報漏えい対策で、社内のクライアントPCの利用アプリケーションを監視しているというのに、社員たちはもうネットで遊びまくりの様子。今度は、Winny自体の通信を強制的にやめさせることに……。

» 2006年06月20日 00時00分 公開
[山本洋介@IT]

監視してるっていうのに、みんなネットで遊びまくり

 ネットワーク内のマシンを監視したりして、何とか会社のネットワークの余計な私的利用をやめさせようとした律子さんですが、社内ネットワークが静かになったのは少しの間だけのようです。ログを見ていると夜中にまたトラフィックが増えているではないですか。

  早速怪しいマシンの監視に取り掛かってみたのですが、何人かゲームにいそしんでいるのを発見しただけで、肝心のPtoPのアプリケーションが起動している様子は画面を見ただけではよく分かりません。

 律子さんは、会社のネットワークの私的利用はいけない、これは何とかしないと、と管理者としての使命を果たそうと思ったのですが、とはいえ夜中に目視で監視、というのはできるだけ避けたいものです。

  そこで自分の分身として博君を見張りに立ててみることにしました。ですが、上手に隠されているのか間が抜けているのかなかなか見つけられません。さすがにネットワーク管理の人間がいるときにはあまりしっぽを出さないようです。

 だけども博君が帰った後のトラフィックを見るとやはりかなり増加しています。情報漏えいなんかしたら管理者にもとばっちりが来て怒られるというのに、こっちの気も知らずに会社のネットで遊びやがって、ということで、これからはやはり会社のマシンのアプリケーションに制限を加えようと課長に相談に行ってみることにしました。

律子 「監視してるっていうのに、みんな、もう忘れてネットで遊びまくりですよ、ほら」

 帯域のグラフを見せますが、課長の反応は鈍いです。

課長 「別に夜中にトラフィックが増えるのはうちとしては問題ないんだけどなあ。昼間に仕事もせずに遊ばれたり、社内から悪いことされると困るけど」

律子 「でも、情報漏えいとかあるじゃないですか。わが社から漏れたらどうするんですか」

課長 「そういやそうか。まあ、確かに、ソースコードなんか流出したら問題だしな、どうしたものだろう」

律子 「やっぱり、もっと規制すべきなのではないでしょうか」

課長 「じゃあ……、取りあえず、みんなのマシンからWinnyとShareとかそんなのは使えないようにしといて」

律子 「はい、分かりました。任せておいてください」

 本当は他人が遊んでいるのに自分が怒られる状況にはなるべく持っていきたくないというだけなのですが、うまく自分の主張が認められてちょっとうれしい律子さんです。

律子 「さて……、Winnyのポートって何番だったっけ?」

 ルータの設定でWinnyに使っているポートをふさいでしまおうと思った律子さんですが、調べてみるとWinnyもShareもポートは可変です。

律子 「ダメだこりゃ。どうすればいいの??」

 律子さんが思ったほどそんなに簡単にはいかないようです。やはり1日中張り付いて社内のマシンの起動アプリケーションを監視しなきゃいけないのか。そんなことをやっていると本業は進まないし、社内の人にはストーカーだと思われるし、社内に居場所がなくなってしまいます。

 そんなことを思いながら仕事をさぼって携帯ゲーム機でネット対戦していると、メッセージが流れてきます。

「グループポリシーでソフトウェアの起動を制限できますよ」

 そうだった、グループポリシーでWinnyやShareの起動を制限すればいいのか。早速Windowsの設定で起動を制限することにします。これならアプリケーションのハッシュで制限できるので、アプリケーションの名前を変えられても大丈夫です。親切な人がWinnyやShareのハッシュ値を計算していてくれるのもあって、それを利用することにします。

  とはいえ律子さんの管理するネットワークはActiveDirectory環境ではないので、個別に設定するしかなくつらいところです。でも、やるといった以上仕方ありません。

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