
連載:ツールを使ってネットワーク管理(19)
PC環境の移行。あなたならどうする?
〜イメージ作成ツールを使ってディスクごとお引っ越し〜
山本洋介
bogus.jp
2007/3/5
| 期末だからなのか、新しくて速いマシンに買い換える人が続出。PCのすべての設定をそのまま簡単に移行させる手伝いをすることに。 |
| 簡単にPC環境を移行させたいといわれても…… |
このところ会社のネットワークが安定しているのもあって、ネットワーク管理者からなぜかPC便利屋さんになりつつある律子さんです。ほかの人だってPCには詳しいはずなのに、と理不尽な気もしますが、ネットワーク関連の設定なんかが入っているからといって強引に押し付けられてしまうのです。
最近律子さんの会社では、このところ立て続けに古いマシンの調子が悪くなってきたようで、新しいマシンに買い替える人が立て続けに出てきました。以前一斉に買ったPCが、やはり一斉に調子が悪くなってきたようです。
とはいえ、新しいマシンになるのはいいけれど、新しいマシンとともに仕事も新しくなるわけでもなく、これまでのマシンで使っていたメールソフトの設定やブックマーク、開発環境などを移行する必要が出てきます。新しくて速いマシンは使いたいものの、できればすべてをいまのまま使いたいという人が、律子さんのところに押し掛けてきます。
陽一:「律子さん、ちょっといい?」
律子:「あ、陽一さん、新しいマシンになったんですって」
陽一:「そうそう。で、いまのマシンのデータを全部新しいマシンに移行させたいんだけど、できる?」
律子:「必要なデータだけ移動させればいいじゃないですか。そっちの方が無駄なファイルが消えて軽くなりますし」
律子さんはなるべく自分がかかわらない方向に持って行こうとしますが、そうもいきません。
陽一:「でも、大体、何か忘れるんだよね」
律子:「まあそうですよね」
陽一:「あと、メールのパスワードとか記憶させてるんだけど、思い出せないしね」
陽一:「律子さんが何とかしてくれないかなあ」
律子:「何で私が…・・・」
陽一:「ネットワーク担当だし、どうせメールの設定とかしてもらわないといけないし、ついでに頼むよ」
こういった人が何人も現れて、困ったものです。
自分の仕事も進まなくなるので、通りかかった部長に不満をぶつけてみることにします。
部長:「設定も全部ネットワーク担当の律子さんがやってやりなよ。どうせヒマなんでしょ?」
律子:「いや、そんなことないっすけど……。 じゃあ、なんか便利なツールとか買っていいですか?」
部長:「会社も新しいPC買うだけでどれだけ苦労してると思ってんだよ。もちろん律子さんが自腹で買うならいいけど」
律子:「えっ、そんなお金ないし、インストールとか設定とかすごい面倒……」
部長:「細かいことはよく分からないけど、データの移行は律子さん担当にするから、じゃ」
そう言い残すと部長は風のように消えていきます。
さあ、どうしよう。困った。
最近律子さんは仕事のストレスを週末のパチンコで解消しているのですが、負けてばかりでどんどんローンが増えています。もちろん自腹でソフトを買うほどの余裕は1円もありません。
データの移行に失敗したら、どうしよう。やっぱクビかなあ。ただでさえ自転車操業なのに、ペダルをこぐ足を止めてしまったら倒れてしまうじゃないですか。
ディスクを外して差し替えることを考えたのですが、PCの中をいじったことなんかありませんし、取り外して差し替えて使えるものかも分かりません。そもそもディスクがおかしいから交換するマシンもあるので、話になりません。
これは博君に頼るしかありません。データをバックアップしてコピーするタダのツールを博君に探してもらうとClonezillaというツールを見つけてくれました。条件をちゃんと提示すると、博君はちょっと頼りになります。
早速、律子さんはClonezillaを使ってディスクをバックアップしてコピーすることにします。
| Clonezilla Liveの使い方 |
Clonezilla LiveはLinuxのバックアップツールClonezillaを手軽にCDから起動し使えるようにした1CD Linuxです。また、USBメモリに書き込む用のイメージも用意されていますので、余ったUSBメモリを使うことも可能です。
ディスクイメージ作成やファイルのバックアップ、ディスクの完全コピーなどが行えます。もちろんブート領域も含めて移動できますので、起動ディスクもバックアップできます。
全体にまだコマンドラインを使う必要があり面倒なのは否めませんが、Unixのddコマンドなどと違い、ディスクのデータのない部分はコピーしないので、イメージファイルを作る時間が大幅に短くなっているのがいいところです。
台湾の方が作っているようですので、英語のほかに繁体字の中国語が使えますが、残念ながら日本語には対応していません。
Clonezilla Liveを使うには、まず、CDイメージファイルがありますので、これをダウンロードして、CDに書き込みます。書き込み方は、@IT Windows Insider .ISOファイルをCD-Rに書き込むなどを参考にしてください。
作ったClonezilla LiveのCDをドライブにセットして、PCをCD-ROMドライブからブートするようにBIOSを設定し、起動すると、CD-ROMドライブからClonezilla Liveが起動します。
| PC環境の移行。あなたならどうする? | |
| 簡単にPC環境を移行させたいといわれても……│Clonezilla Liveの使い方 | |
| ハードディスクのイメージファイルを準備する | |
| イメージを書き込もう | |
| ディスクサイズを上げるには│一難去ってまた一難 | |
ツールを使ってネットワーク管理 バックナンバー
- 第1回 後輩のツール君曰く、コマンドはもう古い!?
- 第2回 勝手にネットにつないでるマシンを探せ!
- 第3回 私用メールする子にお仕置きを
- 第4回 OSやアプリケーションの箱がなくなっても大丈夫?
- 第5回 俺の「パスワード:*****」って何でしたっけ?
- 第6回 ユーザー名と同じ安易なパスワードを撲滅せよ!
- 第7回 いきなりナウでヤングなWebサイトを管理しろって……
- 第8回 「POPFile」でスパムと無駄な時間は除去じゃ!
- 第9回 それはスパムか否か、POPFileの振り分けを鍛える
- 第10回 情報漏洩防止のためにPC監視!?「WatchYourPC」
- 第11回 とにかく社内でWinnyの起動をやめさせたい
- 第12回 USBでコピーデータを家に持ち帰らせたくない
- 第13回 パスワード、記憶に頼っていて大丈夫?
- 第14回 サーバ異常をメールで知らせる統合監視ツール
- 第15回 メールサーバがいっぱいですよ、と警告されたら
- 第16回 出張中のメール送信にご用心!
- 第17回 安いホスティングに引っ越しって簡単にいうけど
- 第18回 WebサーバにFTPできないんですけど……
- 第19回 PC環境の移行。あなたならどうする?
- 第20回 サーバのリモートバックアップをさせたい
コマンドを使ってトラブルシューティング
社内のPCが突然、メールを受信できなくなり、Webも見られない環境になってしまった。そんなとき、どのように対処するべきか
- 第1回 LANから外に出られない!?
- 第2回 どうして課長だけプリントできない?
- 第3回 ネットワークに同じIPアドレスが2つある?
- 第4回 同じメールしか受信できない!?
- 第5回 ファイルがアップロードできない?
- 第6回 私だけネットワークにつながらない!?
- 第7回 特定のサイトにだけアクセスできない
- 第8回 無線LANでメールがたまに受信できない?
- 第9回 外部を勝手に攻撃しているのは誰?
- 第10回 夜になるとネットワークが遅くなる?
- 最終回 怪しいサイトに飛ばされるんだけど
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