Master of IP Network
第6回 読者調査結果発表
〜2002年度のネットワーク重点課題とプロトコル利用状況〜


小柴豊
アットマーク・アイティ マーケティングサービス担当
2002/4/2


 2001年度はADSLサービスが急速に普及し、拠点間接続におけるIP-VPN広域イーサネットが話題になるなど、ネットワーク環境に大きな変化の兆しが見えた。年度も変わって、これからのネットワーク分野では何が課題となり、どのようなサービスが求められるのだろうか? Master of IP Networkフォーラムで行った第6回読者調査から、読者の意見を集約してお届けしよう。

2002年度のキーワード「ブロードバンド&セキュリティ」

 まずは、読者がかかわるネットワークにおける、2002年度の重点課題から見ていこう。3つまでの複数回答でプライオリティを尋ねた結果、「インターネットやLAN/WAN接続回線の高速・広帯域化」および「認証/暗号/アタック対策などのセキュリティ向上」の2点が、全体の過半数から支持を集めた(図1)。2001年はブロードバンド化が進むと同時に、Nimdaウイルスをはじめとするさまざまな災禍がネットワーク上を飛び交った。ネットワーク構築/管理に携わる読者にとって、安全性が不確かなままブロードバンド化を進めることは、自分の首を絞める結果につながりかねない。2002年度の通信ネットワークでは、「セキュアなブロードバンド」がキーワードとなりそうだ。

図1 2002年度のネットワーク重点課題(3つまでの複数回答 N=238)

 では、通信回線サービスの選択について、2002年度はどのような傾向が予想されるだろうか? 読者がかかわるネットワークで「現在導入済み」のサービスおよび「2002年度に導入が予定される」サービスを聞いた結果が図2だ。導入済みと予定を比べると、いままでさまざまなネットワークを支えてきたISDNや高速デジタル回線/フレーム・リレーといったサービスの導入予定は進んでいない一方、xDSL/FTTHやIP-VPN/インターネットVPN/広域LANなどの新しいサービスは着実に市場を拡大する見込みだ。新興サービス群に共通する特徴は、「既存のサービスよりも安価に広帯域化を実現できること」だが、前述の課題で見られるように、利用者の意識はコストよりもセキュリティに重きを置いている。ネットワーク環境の更新が実際に進むかどうかは、これら新サービスのセキュリティ対応状況にかかっているといえそうだ。

図2 通信回線サービス導入状況/導入予定 (複数回答 N=238)


「すべてをIPへ」〜高まるプロトコルのIP統一化意向

 さて後半では、ネットワークにかかわる各種プロトコルの利用状況について紹介していこう。図3は、読者のネットワーク上に現在流れているプロトコルの種類を聞いた結果だ。TCP/IPについてはほぼ100%の利用率が示され、IPがネットワークの標準プロトコルとなったことをあらためて裏付けた。IP以外ではWindowsネットワーク用のNetBEUIやNetWareのIPX、メイン・フレーム/基幹業務用のSNAなどもそれぞれ一定の割合で利用されている。

図3 ネットワーク・プロトコル利用状況 (複数回答 N=238)

 ネットワーク・プロトコルといえば、管理コストの削減やシステム連携のために、今後IPによる統一が進むといわれている。その状況を確認するため、読者がかかわるネットワークにおけるIP統一動向を聞いたところ、全体の4割弱が「プロトコルはすでにIPで統一済み」であった(図4)。また、現在は複数プロトコルが混在している環境でも、「IP以外は順次廃止し、将来的にIPで統一したい」「既存プロトコルはカプセル化でIPに対応したい」といったIP化意向が高く、「重要なプロトコルはネイティブのまま利用したい」を大きく上回った。こうしたプロトコルのIP統一化傾向は、IPパケット専用のネットワークである「IP-VPN」の普及を後押しする要因にもなりそうだ。

図4 プロトコルのIP統一化状況 (N=238)

 最後に、パケット中継の経路情報を管理する「ルーティグ・プロトコル」の利用状況を紹介しよう。読者がかかわるネットワークでのルーティング・プロトコル利用率を聞いた結果、「スタティック・ルーティング」が約6割でトップとなった(図5)。ダイナミック・ルーティング系では「RIP(Routing Information Protocol)」利用率が5割弱に上ったほか、RIPの後継として開発された「OSPF(Open Shortest Path First)」についても利用が進みつつあるようだ。

図5 ルーティング・プロトコル利用状況 (複数回答 N=238)


調査概要

  • 調査方法:Master of IP Network サイトからリンクした Webアンケート
  • 調査期間:2002年2月12日〜3月11日
  • 有効回答数:321件(うちネットワーク関連職従事者238件に絞って集計)

 

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