特別企画:
「Groove 2.0」登場!
〜 本格始動を始めたPtoPアプリの本命
   新機能と活用術の数々を大紹介!! 〜


吉川満広
ネットマークス
2002/7/11


 PtoP時代を先取りしたグループウェアとして評判の米Groove Networks社の「Groove」に、バージョン 2.0が登場した。製品名も新たに「Groove Workspace」と変更し、有料版も発売されるなど、本当の意味での製品の出荷開始となったわけだ。今回は、このGroove 2.0の新機能と、使用上の注意点、便利な活用術について紹介していこう。また、「Grooveとはどんなアプリケーションなのか?」というGroove入門者の方は、ぜひいちど前回の記事「特別企画:Grooveとは何か?」をご覧いただきたい。

Groove 2.0で何が変わったか

画面1 Groove 2.0のPreview EditionではユーザーごとのRole設定も可能になった

 Groove 2.0とそれ以前のバージョンとで大きく変わった点として大きいのが、機能制限の点だろう。これまで、Preview Editionとして無料で提供されていた製品が、今回の有料版の登場により、いくつかの機能制限が新たに加えられることになった。詳細は後述するが、従来までのバージョンを使い込んでいたユーザーにとって一番困るのが、「作成可能なワークスペース数の制限」だろう。以前までは特に制限のなかったワークスペース数だが、Groove 2.0のPreview Editionでは、作成可能なワークスペース数が3つに制限されたことで、すぐにでも有料版が必要になるように設定されている。だが一方で、Groove 2.0ではPreview EditionにおいてもユーザーごとのRole制限が可能になっており、単純に機能制限が増えたというわけではないようだ。

 ここから先は、現在ダウンロードで手に入れられる「Small Business」「Individuals」の2つのエディションを中心に説明していきたい。まず、Groove 2.0をインストールしてすぐに使用できる基本的な新機能を紹介しよう。

●Welcome Page
 このページはワークスペースの内容を説明するもので、必要に応じてイメージ・ファイルも設定できる。特別な機能というわけではないが、ある程度利用の進んでいるワークスペースに新しいユーザーをInviteする場合など、その内容の説明に便利だろう。

●Microsoft Outlook Integration
 Outlookとの連携が行える機能だ。OutlookにはGrooveを呼び出すボタンが付加され、ワン・ボタンでGrooveとの連携が可能になる。しかし、連携の際に日本語が化けるという問題があり、現状ではまだその使用はお勧めできない。

●Forms Tool
 Forms Toolは、情報入力のための定型フォームを作成する機能である。複数のフォームやビューを設定でき、必要に応じて入力フォームやビューで入力内容を閲覧することができる。ロータス ノーツとほぼ同じインターフェイスなので、ノーツを使用していたユーザーであれば、比較的簡単に使いこなせるのではないかと思う。

画面2 Formsを使用するためには、まずForm内にフィールドを配置する(画面をクリックすると拡大表示します

画面3 フィールドを配置して設定を行うと、Formができる(画面をクリックすると拡大表示します

画面4 フォーム内に入力したデータはViewで参照できる(画面をクリックすると拡大表示します

●Project Management Toolset
 Project Management Toolsetは、その名の通りプロジェクトを管理する機能だ。プロジェクトの進ちょく状況などを管理、共有できるようになっている。インターフェイスが英語なので、実際の業務に使用する場合多少難はあるが、基本的なツールがそろっているので便利に使えるだろう。

画面5 Project Management Toolsetの使用例(画面をクリックすると拡大表示します


●Meetings Tool

 Meeting Toolはミーティングの内容を管理をする機能だ。画面6の例のように一部日本語が文字化けするが、ミーティングの記録をとっておくのには結構便利ではないかと思う。

画面6 ミーティングの内容を管理するMeetings Tool(画面をクリックすると拡大表示します


●Document Review Tool

 作成したドキュメントに対してコメントなどを付加して、レビューを行うツールである。

画面7 Document Review Toolを使用してみたところ(画面をクリックすると拡大表示します


●Explorer

 ユーザーインターフェイスとして従来までTransceiverが提供されていたが、今回新たにExplorerも加わった。Explorerは階層表示になっており、Transceiverよりも全体が見渡しやすいインターフェイスになっているが、提供される機能自体は変わらない。

画面8 ワークスペースの内容を階層表示するExplorer(画面をクリックすると拡大表示します


従来の機能も強化されている

 Groove 2.0では、既存のFiles Tool、Discussion、Notepadについても機能拡張が行われている。Notepadの機能拡張はあまり特筆すべきものがないため割愛するが、ここでは残り2つの機能について紹介していこう。

●Files Tool
 Grooveのファイル共有ツールに、ファイルの同時編集機能が加わった。例えば、従来までは「あるユーザーがファイルを保存して閉じる」→「その後、ほかのユーザーが当該ファイルを開いて編集」といったように、ファイルに同時に触れるのは1ユーザーのみだった。Microsoft Wordを例にとれば、「Start Co-Edit」ボタンを押すことで、複数のユーザーが1つのファイルに対して同時に作業を行うことが可能になった。使い方としては、チャット・ウィンドウが同時に立ち上がるので、チャットや音声を駆使して編集作業を進める。ここで行った変更は、ほかのユーザーの作業内容にも反映される。

画面9 Microsoft Wordにおける同時編集の様子

 Microsoft PowerPointでは、ワークスペース内のユーザーにリアルタイムでプレゼンテーションが行える。PowerPointのファイルを選択すると、「Start Presentation」ボタンが選択できるようになる。このボタンを押すことで、ワークスペース内の選択したユーザーに対してリアルタイムでプレゼンテーションが行える。Wordのときと同じようにチャット・ウィンドウが立ち上がるため、チャットや音声を使用してのプレゼンテーションが可能である。

画面10 複数のユーザーに同時にプレゼンテーションが行える(画面をクリックすると拡大表示します

 またGroove 2.0では、ファイルを開かずに内容をプレビューすることが可能になった。これは、Word、Excel、PowerPointといったアプリケーションがインストールされていなくても、ファイルの内容を確認したり印刷することもできるものだ。いくつか確認してみたが、Adobe Acrobatをはじめとするほかのアプリケーションでは機能しなかった。現在のところ、上記の3製品のみに対応しているようだ。

画面11 Files Toolで、Excelのファイルをプレビューしているところ(画面をクリックすると拡大表示します


●Discussion

 Discussionには、RTF(Rich Text Format)形式でのエクスポート機能が追加された。RTF形式でエクスポートすることにより、Wordでファイルとして保存することができるようになった。画面12はディスカッションをエクスポートしたものだが、題名の1文字が重複しているのが分かる。それ以外は日本語でも全然問題ないようだ。

画面12 Discussionの内容を、RTFで出力したところ。題字の部分に一部重複が見られるが、ほぼ問題なく日本語が扱えていることが分かる(画面をクリックすると拡大表示します


有料版の入手

 前述のように、無料版であるPreview Editionには、Groove 2.0から機能制限が加わっている。グループウェアの基本的な機能は備えているので通常は問題ないが、本格的に使用したり企業単位での導入を考えるのであれば、有料版を使用したほうがいいだろう。

画面13 Preview Editionでは、ワークスペース数が上限である3つに達すると、上記のような警告のダイアログが表示される(画面をクリックすると拡大表示します


●2つの有料版

 Groove Networks社のWebサイトにはGroove Storeが開設されており、Groove製品のダウンロード販売が行われている。

http://www.groove.net/shop/

 ここでは、「Professional Edition(99ドル)」「Standard Edition(49ドル)」の2つの有料版が提供されている。それぞれの違いの詳細については下記のURLで確認できる。ここで、Professional EditionとStandard Editionのどちらを選ぶか悩む人がいるかもしれない。前者はMicrosoft Projectとの連携やマクロ、スクリプトの簡単な開発機能が付け加わっているだけなので、通常の用途であるワークスペースの共有だけなら、Standard Editionでも十分だと思われる。

http://www.groove.net/products/all/workspace/comparison.html


●実際に購入してみる

 それでは、実際に有料版を購入してみよう。購入は、GrooveのHome画面から「Order Now」ボタンを押すことにより行う。「Order Now」ボタンを押すと、先ほども説明した各Editionの機能の違いが説明される。決済はクレジットカードで行う。

画面14 Groove起動時に表示されるHome画面で、「Order Now」ボタンを押して購入する(画面をクリックすると拡大表示します

画面15 購入が終了すると、電子メールでActivation Keyが送られてくるので、そのKeyを入力する。アクティベーションが終了すると、Home上から「Find out more」「Order Now」のボタンが消える(画面をクリックすると拡大表示します


特別企画:Groove 2.0登場!
Page.1 Groove 2.0の強化点/変更点
・Groove 2.0で何が変わったか
・従来の機能も強化されている
・有料版の入手
  Page.2 Grooveの活用法と今後の展望
・Groove活用の際のポイント
・Grooveをどういった場面で使う?
・Grooveの今後の展望
 


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