ネットワーク・ストレージの新潮流を学ぶ
特集:IP技術者のためのSAN入門
辻 哲也
ブロケード コミュニケーションズ システムズ
2002/8/31
| Part.5 SANの最新トレンド |
最後に、最新のSAN関連の技術動向について見ていきましょう。
■ストレージ仮想化(Storage Virtualization)
複数のベンダのディスクをネットワーク接続して仮想的な「ストレージ・プール」を作成し、サーバ(あるいはそれを使用するシステム管理者)からストレージの物理構成を隠ぺいするようにしたものです。「ストレージ・バーチャリゼーション」などと呼ばれることもあります。ストレージ仮想化技術を使用することで、ストレージの物理的な構成に依存することなく、柔軟にストレージ空間の割り当てや再配置などを行えるようになります。
ストレージ仮想化を考えるうえでは、SANのどのレイヤで仮想化を実現するか、つまりどのレイヤからアプローチするかが重要なポイントになります。現在、ストレージ仮想化には、以下のようなアプローチがあります。
- ストレージ・ベース
- ホスト・ベース
- SANアプライアンス/ホスト・ベース(非同期型)
- SANアプライアンス・ベース(同期型)
- ファブリック・ベース
![]() |
| 図15 複数あるストレージ仮想化のアプローチ(図版をクリックすると拡大表示します) |
アプローチの仕方によって、対応する製品にも違いが出てきます。ストレージ仮想化のための製品は、最近になり少しずつ出てきていますが、まだどのアプローチが主流になっていくのかははっきりしていません。
■IP-SAN
IP(主にTCP/IP)を使用して、SANを構成する概念の総称です。IP-SANと呼ばれる技術には、以下のようなものがあります。
●FCIP
ファイバ・チャネルのフレームを、TCP/IPパケットにカプセル化して伝送する技術です。この技術を使用することで、ファイバ・チャネルSAN(FC-SAN)の長距離接続が可能になります。
●iFCP
iFCPは、ポート・アドレスとIPアドレスのマッピングを行い、ファイバ・チャネル・フレームを適切なあて先アドレスにルーティングするための、ゲートウェイ間のTCP/IPベースのプロトコルです。iFCPでは、iFCPゲートウェイと呼ばれる装置がこれらの処理を行います。この技術により、ファイバ・チャネル対応のストレージ・デバイスやFC-SANを、IPネットワークに接続することが可能になります。
●iSCSI
SCSIブロックをIPパケットにカプセル化して送る技術です。SCSI技術を長距離に拡張することができるソリューションとして期待されています。しかし、提案段階ベースの仕様では、サーバのCPUでSCSIブロック・アクセスやTCP/IPパケットの処理を行うようになっているため、パフォーマンスの低下が懸念されています。そのため、一部ベンダはTOE(TCP/IP
Offload Engine)と呼ばれる専用チップを開発し、これらのオーバーヘッドを軽減しようとしています。対応製品は、現在少しずつ出始めている段階です。
![]() |
| 図16 ファイバ・チャネルとiSCSIとの違い |
IP-SANの技術は、まだまだ発展途上のものが多いといえます。ファイバ・チャネル技術との共存も考慮して、今後も引き続き注目していく必要があるでしょう。
|
| Index | |
| 特集:IP技術者のためのSAN入門 | |
| Part.1 SAN導入のメリットとは? ・従来技術とSANの違い ・DASと比較した場合の4つのメリット |
|
| Part.2 SANの基本要素と用語を整理する ・HBA、GBIC/SFP、ケーブル ・ファイバ・チャネル・スイッチ ・ゲートウェイ/ストレージ装置 |
|
| Part.3 ファイバ・チャネルとは? ・ファイバ・チャネルのメリット ・ファイバ・チャネルの5つのレイヤ ・TCP/IP、イーサネットとの違い |
|
| Part.4 SANの導入事例を見てみよう! ・サーバ・フリー・バックアップ ・ストレージ統合 ・マルチノード・クラスタリング ・リモート・ミラーリング |
|
| Part.5 SANの最新トレンド ・ストレージの仮想化 ・IP-SAN(FCIP/iFCP/iSCSI) |
|
| 「Master of IP Network総合インデックス」 |
TechTargetジャパン
- 「ネットワーク仮想化」がもたらすもの (2012/5/25)
キャリアイーサネット網で展開されているVPNサービスをSPBに置き換えると、どんな変化が起こるのか - 「Meteor」で来れ、1億総Webアプリ開発者の時代 (2012/5/16)
文系人間の筆者でも、「これならWebアプリ開発、できるかも」と思わせてくれるフレームワーク、Meteorの可能性を予想してみたい - ついに来た? 「真のIPv4アドレス在庫枯渇」 (2012/5/14)
IANAやAPNIC/JPNICが管理するIPv4アドレスの在庫が枯渇してから1年。いま、水面下で「真の枯渇」が始まりつつあります - SLB-PTでWebサーバをさくっとIPv6対応に (2012/4/26)
いくつか存在するIPv6移行ソリューションの中から、SLB-PTを用いて、さくっとWebサーバをv6対応させる方法を説明
|
|
キャリアアップ
スポンサーからのお知らせ
- - PR -
イベントカレンダー
- - PR -



