INTEROP TOKYO 2011 プレSHOWレポート

ネットワークのパラダイムシフトが見えてきた


三木 泉
@IT編集部
2011/6/7


クラウドは管理・運用に焦点が移行

 「クラウド/仮想化ソリューション」カテゴリでノミネートされているデルの「Dell Advanced Infrastructure Manager」は、物理・仮想環境を、サーバやストレージといったITリソースを含め、一括して管理できるソフトウェア。物理か仮想かに区別なくITリソースをプール化して、ワークロードを割り当て/移動できるという。デル以外のハードウェアも、幅広く管理対象とすることができるのは、一般的なサーバベンダによる管理ツールと異なる部分。ハイパーバイザについてもVMware、Hyper-V、Xenなどをサポートする。

 NTTコミュニケーションズの「Bizマーケティング CoTweet」はTwitterやFacebook上の自社ブランドや自社製品に関する声を、企業内のチームとしてリアルタイムにモニタリング・対話・分析・連携することが可能な、Webベースのサービス。カスタマーサポート、ブランド露出の増大、マーケティングキャンペーンの管理、PR効果の最大化、風評監視、製品開発などに活用できるという。

「Bizマーケティング CoTweet」のサービス紹介ページ

 「ファシリティ関連製品」でノミネートされた富士通の「ファシリティキューブ」は、空調・消火・電源・監視、サーバ用ラックスペースを、複数のラックにオールインワンでパッケージングしたシステム。サーバの冷却は、密閉されたスペース内で行うため、冷却効率が高いという。省スペースで、運用コストも低減できるとする。必要な機能や規模を取捨選択して構成できる。

 フルーク・ネットワークスの「Fiber QuickMapエンタープライズ・ファイバー・トラブルシューター」は、マルチモード・ファイバの接続や破損箇所を特定する装置。テスト・ボタンを1回押すだけで、チャネルの接続性を確認できる。想定されるファイバ障害要因やネットワーク・パフォーマンス低下原因箇所までの距離を簡潔に示せるという。

マルチモード・ファイバの接続や破損箇所を特定できる「Fiber QuickMapエンタープライズ・ファイバー・トラブルシューター」

 サイバートランス ジャパン/オプティクロスの「CFP-501PM/CFP-501PS/IP-LED Server」は、PoE(Power over Ethernet)を使ったLED照明給電システム。ネットワークを通じて給電だけでなく制御も行える。照明のグルーピング、調光、スケジューリング、人感センサや照度センサと連動した自動制御が可能。場所ごとの照度設定や照明の消し忘れ防止で、電気代を節約できるという。

セキュリティは可視化、未然防止がますます大きなテーマに

 「情報セキュリティ」カテゴリでは、DTSの「SWAF V1.74 セマンテックWebアプリケーションファイヤウォール」などがノミネートされた。Webアプリケーションの侵入検知は、既知の攻撃手法に関するデータベースとのマッチングを基にして判断するのが普通。同社では、意味的に類推、判断、検出を行うため、未知のアタックも検知可能という。

 同カテゴリでノミネートされたクリアスウィフトの「CLEARSWIFT SECURE Email Gateway 3.3」は、ゲートウェイ型のオールインワン・電子メールセキュリティ製品。ウイルスやスパムへの対策、コンテンツ・フィルタリングの一方、誤送信や情報漏洩を防止する機能、暗号化機能も備えている。今回のバージョンでは、従業員が社外に送信するメールの宛先(To、cc、bcc)に、上長を自動的に追加する機能が加わった。従業員と上長の関連付けは、テキストファイルあるいはActive Directoryから取り込むことでアップデートできるようになったという。

 「ネットワークセキュリティ」カテゴリでノミネートされたパロアルトネットワークスの「Palo Alto Networks PA-5000 シリーズ/次世代ファイアウォール」は、ファイアウォール、IPS、アンチウイルスの機能を備えた製品。すべての機能を同時に動かしても最大10Gbps出せるという。同社では、アプリケーション制御のためにアプリケーションを可視化する際、ほとんどのメーカーは、IPSをベースとしてこれを行うが、パロアルトではファイアウォールをベースとして行うため、パフォーマンスの劣化が少ないとしている。また、常にアプリケーションの識別をしているため、予期しないアプリケーションに対しても容易に対処できるという。

パロアルトネットワークスの「Palo Alto Networks PA-5000 シリーズ/次世代ファイアウォール」

 シスコシステムズの「Cisco ASA 5585-X 適応型セキュリティアプライアンス」は、ファイアウォールをベースに、VPN、IPS、コンテンツセキュリティなどの機能を提供できるハードウェア製品。従来機の「Cisco ASA5580」に比べ、サイズが4Uから2U へと小型化し、定常出力800Wが320Wへ減少したという。最大スループット40Gbpsのファイアウォール、5Gbps(クラスタリングにより最大50Gbps)のVPNに加え、新たに最大10Gbpsのスループットに対応したIPSモジュールを拡張スロットに搭載できるようになったという。

 「セキュリティソリューション」カテゴリでノミネートされたNECの「インシデント可視化ソリューション」は、見えない脅威を可視化することに重点を置いたソリューション。添付ファイルのマルウェアを検知する「標的型メール攻撃検知センサ」、悪意を可視化するという「マルウェア可視化エージェント」データ転送の「一方向性を担保」する「アクセス包囲網」、外部等へ流れる通信データを記録し「通信可視化モジュール」などで構成される。

 ネットエージェントの「みんなの通報窓口」は、企業の内部通報を受け付けるSaaS形式の通報窓口サービス。パソコン、携帯電話、スマートフォンからの通報が可能。通信経路を暗号化するほか、通報情報を暗号化して受信・保管するという。

 富士通の「長時間残業抑止ソリューション(IDリンク・マネージャー 勤怠連携版)」は、勤怠打刻とPCログオンを連動させることで、退勤打刻後にPCを強制シャットダウンさせるシステム。労働基準監督署の抜き打ち検査で勤務時間外のPC操作が発覚し、サービス残業と認定されてしまうようなケースを防止できるという。PCの消費電力削減、空調・光熱費の削減にもつながるとしている。

 「ユニファイドコミュニケーション」カテゴリでノミネートの、NEC「UNIVERGE Sphericall コンシェルジュR2」は遠隔地をリッチメディア(音声、映像、アプリケーション共有)で接続し、対面しているのと同じ感覚で相談サービスを受けられるシステム。相談者はタッチパネル型の相談端末から、ワンクリックで相談セッションを開始できる。受信側は、内容に応じてこれを転送することで、エスカレーションも可能。

 まほろば工房の「MAHO-PBX」は、「MAHO-PBX Personal」「MAHO-PBX Entry」「MAHO-PBX Enterprise」で構成。MAHO-PBX Personalは、個人ユーザー向けの無償仮想アプライアンス。MAHO-PBX Entryは、小規模オフィス向けの製品。「MAHO-PBX Enterprise」は中規模以上のオフィス向けで、仮想アプライアンス版のVirtualizedも提供。

 「ネットワークマネジメント管理製品」カテゴリで、東陽テクニカが出展する「Anue 5273 Net Tool Optimizer」は、ネットワーク監視/管理装置へのトラフィックデータのフィードを「最適化」するスイッチ。すなわち、VLAN IDやIPアドレス、ポート番号単位で不要なトラフィックを除外したり、複数のスパンポートやタップから取得したデータを集約したりできる。10Gbpsイーサネット×24ポートを搭載する。

 「評価関連製品」カテゴリでノミネートされたイクシアコミュニケーションズの「IxLoad-Attack」は、L4-L7プロトコルエミュレーション製品「IxLoad」に実装した、セキュリティ製品向けのテストソリューション。約6000種類の攻撃パターンを標準で搭載するという。IxLoadでエミュレーションできる通常のアプリケーショントラフィックとともに、攻撃シミュレーション・トラフィックを送出することもできる。

 同じくイクシアコミュニケーションズの「Xcellon-Flex AP」は、1モジュールで10Gbpsイーサネット×16ポート、または40Gbpsイーサネット×4ポートと10G bpsイーサネット×16ポートを提供できるテストモジュール。ポート密度と柔軟なテスト環境の実現がウリとなっている。

イクシアコミュニケーションズのテストモジュール「Xcellon-Flex AP」

 東陽テクニカが出展の「Spirent TestCenter HyperMetrics mX 40/100 Gigabit Ethernetテストモジュール」は1モジュールで40G Gbpsイーサネットを4ポート、100Gbpsイーサネットを2ポート、シャーシ当たりではそれぞれ4ポート、12ポート実装できるテストモジュール。各ポート16384ストリームの送信ができ、65535ストリームのリアルタイム受信解析が可能だ。

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Index
INTEROP TOKYO 2011 プレSHOWレポート
ネットワークのパラダイムシフトが見えてきた
  Page1
イーサネットスイッチのパラダイムシフト
ネットワークの仮想化、ネットワークのための仮想化
ストレージはインテリジェンスで進化する
Page2
クラウドは管理・運用に焦点が移行
セキュリティは可視化、未然防止がますます大きなテーマに

「Master of IP Network総合インデックス」


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