連載 サハロフ秋葉原経済研究所(特別編)

第2回 サハロフ・レポート:2001年夏のPCパーツ価格総決算

2. 価格下落が止まらないメモリ・モジュール

サハロフ佐藤
2001/08/29

 PC向けとして広く販売されているメモリ(メモリ・モジュール)には、SDR SDRAMを使ったDIMMPC133PC100)、DDR SDRAMを使ったDIMM(PC2100)、それにDirect RDRAMを使ったRIMMPC800)の3種類があります。

メモリ種別 規格・仕様 容量 最安値 中心価格帯
SDRAM PC133 CL3 512Mbytes 5480円 6000円前後
256Mbytes 2779円 3000円前後
128Mbytes 1449円 1600円前後
SDRAM PC133 DIMM CL2 256Mbytes 3380円 3500円前後
128Mbytes 1890円 2000円前後
SDRAM PC100 DIMM CL2 256Mbytes 2779円 3000円前後
128Mbytes 1449円 1600円台
DDR SDRAM PC2100 DIMM CL2.5 512Mbytes 1万2980円 1万6000円台
256Mbytes 4400円 4700円前後
128Mbytes 1940円 2400円前後
Direct RDRAM PC800 RIMM 256Mbytes 1万1200円 1万1000円台
128Mbytes 5180円 5800円前後
メモリ・モジュールの価格
ここではデスクトップPC向けのメモリ・モジュールを選んでみた。SDRAM/DDR SDRAMはECCのないUnbuffered DIMM、またDirect RDRAMはECCなしのRIMMをそれぞれ選んでいる。

 このうち最も身近なのがPC133/PC100で、PC133 CL3の256Mbytesなら3000円前後、512Mbytesという大容量のメモリでも6000円前後と安価です。もはや「来るところまで来た」との感が強いのですが、店頭価格はまだジリジリと下がり続けています。すでにメモリ・ベンダは赤字でチップを出荷している状態にもかかわらず、それでもまだ値下がりするというのは何とも不思議なものです。

DDR SDRAM DIMMとRIMMが大幅下落

 PC2100は単に「DDRメモリ」と呼ぶ方が通りやすく、ショップの値札もそのようになっているのを見かけます。256Mbytesが4700円前後と手頃ですが、ここ1〜2週間で512Mbytesの在庫を持つショップが急増、価格も極端に下がって、8月18日には1万3000円を割るまでになりました。なお、PC2100にはCL2とCL2.5の2タイプがあり、CL2の方がより高性能ですが、価格差はわずかです。

 PC800 RIMMはPentium 4のところでも述べたように、128Mbytesが5800円前後、256Mbytesが1万1000円台となっています。かつての高値が嘘のようですが、その需要を支えるはずのPentium 4は、Intel 845チップセットの投入でPC133 DIMM対応へ向かっており、今後のRIMMの動向が気掛かりです。一方で、メモリ・ベンダはDirect RDRAMを増産しているという情報もあります。9月以降の価格動向に注目です。

  SDRAM
(PC133-CL3)
DDR SDRAM
(PC2100-CL2/2.5)
Direct RDRAM
(PC800 RIMM)
  512M
bytes
256M
bytes
512M
bytes
256M
bytes
256M
bytes
128M
bytes
最低価格(8月18日) 5477円 2779円 1万2980円 4400円 1万1200円 5180円
最低価格の変動 ▼1103円 ▼501円 ▼1万4820円 ▼1050円 ▼4260円 ▼1800円
最低価格の変動率 ▼16.8% ▼15.3% ▼53.3% ▼19.3% ▼27.6% ▼25.8%
平均価格(8月18日) 6220円 3162円 1万9703円 4769円 1万2513円 6080円
平均価格の変動 ▼1109円 ▼356円 ▼1万8079円 ▼1308円 ▼5091円 ▼1951円
平均価格の変動率 ▼15.1% ▼10.1% ▼47.9% ▼21.5% ▼28.9% ▼24.3%
主なメモリ・モジュールの価格変動(7月28日〜8月18日調べ)
価格変動は最近4週間、つまり約1カ月にわたって調査した結果である。特に512Mbytes DDR SDRAM DIMMの値下がりが著しいことが分かる。
 

 INDEX
  [連載]サハロフ秋葉原経済研究所(特別編)
  第2回 サハロフ・レポート:2001年夏のPCパーツ価格総決算
    1.嵐の前のプロセッサ価格
  2.価格下落が止まらないメモリ・モジュール
    3.大容量化著しいハードディスクは40Gbytesがお得?
    4.新製品が続々登場中のマザーボード
    5.定番が決まりつつあるドライブ類やグラフィックス・カード
 
「連載:サハロフ秋葉原経済研究所」


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