連載 サハロフ秋葉原経済研究所(特別編)

第2回 サハロフ・レポート:2001年夏のPCパーツ価格総決算

1. 嵐の前のプロセッサ価格

サハロフ佐藤
2001/08/29

Pentium 4: 安くなったRIMMを後目にSocket 478/Intel 845待ち

 8月中旬現在、Pentium 4の動作クロックは1.3GHz〜1.8GHz*1の6種類にわたっており、一部の動作クロックでは、RIMM同梱の有無によって、128Mbytes RIMMを2枚同梱(合計256Mbytes)したもの、64Mbytes RIMMを2枚同梱(合計128Mbytes)したもの、および(ほかのプロセッサと同様に)RIMMを同梱しないという、3種類のリテール・パッケージが用意されています。なお、現行のIntel 850チップセット搭載マザーボードはRIMMを2枚単位で搭載する仕様であるため、Pentium 4のリテール・パッケージに同梱されるRIMMの枚数も、それに沿った形となっています。

*1 8月28日にPentium 4-1.9GHz/2.0GHzが発表された(インテルの「Pentium 4-2GHz発表のニュースリリース」)。

 Pentium 4の発売当初、RIMMは非常に高価だったうえ、比較的品揃えのよい秋葉原でさえ扱うショップが少なかったため、プロセッサへの同梱は歓迎される形態でした。ユーザーへの説得力もあったようで、ショップによれば、RIMM同梱パッケージの後にRIMMなしのパッケージが発売された後も、売れ筋はRIMM同梱パッケージの方だったそうです。しかし、今ではRIMMが潤沢に流通するようになったおかげで入手がすっかり容易になり、価格も128Mbytes RIMMが5800円前後、256Mbytes RIMMが1万1000円台まで下がってきました。

 一方、Pentium 4に注目すると、在庫店数が最も多い1.7GHzの中心価格帯は、128Mbytes RIMM 2枚同梱で5万5000円前後、64Mbytes RIMM 2枚同梱で4万4000円台、メモリなしで4万円前後となっています。単純に比較すると、いまやRIMM同梱パッケージは価格面でのメリットが小さく、むしろ高くつく場合もあるわけです。そうした状況を踏まえ、インテルもRIMMの同梱を止める方向に転換してきており、最近発売された1.6GHzと1.8GHzにはRIMMなしのパッケージしか用意されていません。

製品名 対応ソケット 最安値 中心価格帯
Pentium 4-1.8GHz Socket 423 6万4700円 6万6000円前後
Pentium 4-1.7GHz
(メモリ256Mbytes付属)
Socket 423 4万9999円 5万5000円前後
Pentium 4-1.7GHz Socket 423 3万9400円 4万円前後
Pentium 4-1.6GHz Socket 423 3万2980円 3万3000円前後
Pentium 4-1.5GHz
(メモリ256Mbytes付属)
Socket 423 3万7999円 4万3000円前後
Pentium 4-1.5GHz Socket 423 2万9999円 3万1000円台
Pentium 4-1.4GHz
(メモリ256Mbytes付属)
Socket 423 3万1999円 3万4000円前後
インテル製プロセッサ(Pentium 4)の価格
Pentium 4は、ほぼすべてがCPUクーラー同梱のリテール・パッケージで販売されている。

 そして現在、Pentium 4には新しいSocket 478タイプの新製品投入と、価格体系の見直し、Intel 845チップセット投入によるSDR SDRAM DIMM対応マザーボードの発売など、環境の激変が訪れています。当代最高クロックのプロセッサを、ユーザーは性能とコストのどちらで料理するのか、秋葉原のPCパーツ市場に、その答えを見出せるかもしれません。

Pentium III/Celeron: キャッシュ512KbytesのPentium III-Sに注目、従来モデルは値上がり傾向

 現在のPentium III系プロセッサは、1GHz以下がCoppermineコアの従来モデル、1GHzより上がTualatinコアの最新モデルに分かれています。このうち、Tualatinの最上位にはサーバ向けのPentium III-Sがあります。このうちPentium III-Sは1.26GHzが4万8000円台、1.13GHzが3万9000円前後(いずれもリテール・パッケージ)で、Pentium 4に匹敵する高値ですが、2次キャッシュの容量は従来のPentium IIIの2倍、512Kbytesを実装しているという特徴に注目が集まりました。バルク品だけが細々と出回っていた発売初期には、現在のリテール・パッケージより高額だったにもかかわらず、たびたび品切れを起こしていたほどです。

 一方、デスクトップPC向けTualatinには1.2GHzと1.13A GHzがあり、多数のショップで販売されています。しかし、下位の1.13A GHzでも3万3000円前後と、CoppermineコアのPentium III-1.0B GHzから1万円近くも跳ね上がるため、割高感は否めません。加えてTualatinコアのPentium IIIを使うには、Intel 815EP B-stepなどのTualatin対応チップセットを採用したマザーボードが必要で、手持ちのパーツを活かしたアップグレードには不利な点も気になります。

 価格動向としては、Tualatin系の新型モデルが緩やかな下落を続けているのに対し、Coppermine系の従来モデルはほとんど値動きがありません。むしろ、全プロセッサのうち店頭在庫が最大多数を誇る1.0B GHzなど、一部のモデルには値上がり傾向さえ現れています。

製品名 対応ソケット 最安値 中心価格帯
Pentium III-S-1.26GHz Socket 370 4万7800円 4万8000円台
Pentium III-S-1.13GHz Socket 370 3万7400円 3万9000円前後
Pentium III-1.2GHz Socket 370 3万5480円 3万7000円前後
Pentium III-1.13A GHz Socket 370 3万2750円 3万3000円前後
Pentium III-1.0B GHz Socket 370 2万3390円 2万4000円前後
Pentium III-933MHz Socket 370 2万300円 2万1000円前後
Pentium III-866MHz Socket 370 1万8400円 1万9000円台
Celeron-900MHz Socket 370 1万480円 1万円台
Celeron-850MHz Socket 370 8880円 9000円前後
Celeron-800MHz Socket 370 7180円 7000円台
インテル製プロセッサ(Pentium III/Celeron)の価格
Pentium 4と同様、Pentium IIIやCeleronも、ほとんどはCPUクーラー同梱のリテール・パッケージで販売されている。

 CeleronDuronとの間で激しい価格競争を繰り広げており、目下最上位の900MHzでも1万円台、800MHzは7000円台まで値下がりしました。ショップの品揃えはFSB 100MHz版(800〜900MHz)に切り替わり、長らくCeleronの中心を占めてきたFSB 66MHz版 (766MHz以下)は店頭から消えつつあります。

Athlon/Duron: AthlonはFSB 266MHz版が主流、バルク品の値下がりが目立つ

 AthlonはFSB 266MHz版が主流になり、FSB 200MHz版は勢力が下がってきました。デュアルプロセッサ対応のAthlon MPは1GHzと1.2GHzが発売済みですが、在庫を持つショップは一般のAthlonと比べて少なめです。

Slot AタイプのAthlon
登場当初から昨年発表の1GHz版まで、Athlonはこのようなカートリッジ型のパッケージを採用していた。今ではほとんど見かけない。

 価格面ではバルク品の下落が特に目立ち、多くのモデルが直近の4週間で平均10%前後値下がりしました。最高クロック品であるFSB 266MHz版1.4GHzでさえ1万8000円前後、1GHzなら1万円を割るショップすら見つけることが可能です。PC史上初めての1GHz プロセッサ、Slot Aタイプ(右写真)のAthlon-1GHzが店頭デビューを果たしたのは2000年4月でしたが、当時の価格が17万円前後だったことなど、現状からは想像もつかないでしょう。

 Duronは最上位の950MHzがAthlon-1GHzと競合する価格帯にあるものの、800MHz〜900MHzのバルク品は5000〜7000円台と廉価です。下位の700MHz〜750MHzは4000円前後ですが、最近ではあまり見かけなくなりました。

製品名 販売形態 対応ソケット 最安値 中心価格帯
Athlon MP-1.2GHz バルク品 Socket A 2万7100円 2万9000円前後
Athlon MP-1GHz バルク品 Socket A 2万2800円 2万4000円前後
Athlon-1.4GHz リテール・パッケージ Socket A 2万4470円 2万4000円台
Athlon-1.4GHz バルク品 Socket A 1万7100円 1万8000円前後
Athlon-1.33GHz リテール・パッケージ Socket A 2万400円 2万1000円前後
Athlon-1.33GHz バルク品 Socket A 1万3980円 1万5000円前後
Athlon-1.2GHz バルク品 Socket A 1万3300円 1万3000円台
Athlon-1GHz バルク品 Socket A 9780円 1万円前後
Duron-950MHz リテール・パッケージ Socket A 1万2520円 1万3000円前後
Duron-950MHz バルク品 Socket A 9570円 1万円前後
Duron-900MHz リテール・パッケージ Socket A 9900円 1万円台
Duron-900MHz バルク品 Socket A 7460円 7000円台
Duron-800MHz バルク品 Socket A 5280円 5000円台
AMD製プロセッサの価格
Athlonは、リテール・パッケージもバルク品も、すべてFSB 266MHz版を選んで表示している。

 なお、店頭販売されているインテル製プロセッサはほぼすべてがリテール・パッケージであるのに対し、AMDはバルク品も多数出回っているのが特徴です。バルク品がプロセッサ単体なのに対し、リテール・パッケージにはCPUクーラーが同梱されます。今のところ、リテール・パッケージとバルク品の差額は大きく、Athlonで4000〜7000円以上、Duronでも2000〜3000円と、決して無視できません(一般的なCPUクーラーの価格は1000〜4000円程度)。自らPCを組み立てる力量がある人は、バルク品とCPUクーラーを別々に購入し、導入コストを下げる方がいいでしょう。プロセッサの取り付け時に生じやすいコア部分の破壊を防ぐため、「コア欠け防止板」(プロセッサのパッケージにかぶせて、コアとCPUクーラーとの接合を安定させるパーツ)も用意しておきたいものです。

クリックで拡大グラフへ
プロセッサのクロック周波数と平均価格の関係(拡大グラフ:48Kbytes
このグラフは、横軸をプロセッサのクロック周波数、縦軸を平均価格として、クロックと価格の関係を図式化したものだ。クロック向上にともなう価格の上昇度が、プロセッサによって異なることがわかる。
 

 INDEX
  [連載]サハロフ秋葉原経済研究所(特別編)
  第2回 サハロフ・レポート:2001年夏のPCパーツ価格総決算
  1.嵐の前のプロセッサ価格
    2.価格下落が止まらないメモリ・モジュール
    3.大容量化著しいハードディスクは40Gbytesがお得?
    4.新製品が続々登場中のマザーボード
    5.定番が決まりつつあるドライブ類やグラフィックス・カード
 
「連載:サハロフ秋葉原経済研究所」


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