ケーブル&コネクタ図鑑について

− 目的と今後の予定 −


デジタルアドバンテージ
2000/05/22

 PCの後面や内部を見ると、さまざまな形状のコネクタが並んでいて、ケーブルを介して周辺機器やパーツ、あるいはPC同士と接続されている。どのコネクタやケーブルも、PCとほかの機器を接続して何らかのデータや信号のやり取りをする、という目的では一致している。しかし、たとえばそのケーブルやコネクタを通るデータの転送速度はインターフェイスによって異なる。大雑把な傾向としては、高速なら高品質(つまり高価格)のケーブルやコネクタが必要になるし、逆に低速なら低品質(低価格)のもので事足りるので、速度によって異なるコネクタが採用されることになる。またコネクタに必要なピン数も、そのインターフェイスの機能によって変わってくる。インターフェイスの標準規格化が遅れたせいで各メーカーが独自のコネクタを製品に採用してしまい、その結果コネクタの種類が無駄に増えてしまっているものもある。

 以上のような理由から、現在PCに使われているケーブルやコネクタの種類は非常に多くなってしまっている。慣れないユーザーにとっては、正しいコネクタとケーブルの組み合わせを見つけるだけでも苦労することだろう。また経験豊富なユーザーにとっても、形状はまったく同じで機能が異なるコネクタの存在や、速度によって異なるケーブルの選択方法など、注意すべきことは多い。

 多種多様になってしまったPCのコネクタやケーブルの数と種類を減らして、もっとPCを使いやすくする、という動きもある。最近登場したUSBやIEEE1394がその一例で、コネクタの種類をなるべく少なくし、またさまざまなタイプの周辺機器を同時に何台も接続できる仕組みを備えている。実際、シリアル/パラレル ポートなど転送速度の遅い既存のインターフェイスを利用していた周辺機器は、USBに移行しつつある。この流れが続けば、PCの後面に並ぶコネクタの数と種類は次第に減っていくだろう。

 だからといって、既存のインターフェイスが今すぐ新しいものに置き換えられて消滅するわけではない。つまり、PCのユーザーは依然として既存のケーブルやコネクタと付き合わざるを得ないのだ。むしろ新しいインターフェイスが増えた分、面倒が多くなっているともいえる。特にPCのシステムをセットアップする機会の多いIT技術者にとって、ケーブルやコネクタの知識はとても重要である。

 この「ケーブル&コネクタ図鑑」は、数多いPCのケーブルとコネクタについて、図や写真を交えつつ用途や機能、使用上の注意点などを解説することで、PCを扱うIT技術者を手助けすることを目的としている。現時点では、PCや周辺機器でよく用いられる50種類のコネクタをリストアップし、簡単な紹介と拡大写真を掲載しているが、今後は後述のように質・量ともに拡充していく予定である。

今後の拡充予定について

 ケーブル&コネクタ図鑑では、以下のようにその内容を拡充していく予定である。

■各コネクタ/ケーブルに関する詳細な解説を追加

 コネクタやケーブルごとに、その機能や別名、特徴、使用上の注意点などを解説する。また関連する規格についても触れる。たとえば、ケーブルを購入する前にその名称や仕様を確認する場面などで役立つだろう。

■掲載するコネクタ/ケーブル数の増加

 CPUソケットやメモリ ソケット、拡張スロット、PCカード スロットなど、パーツを直接装着するスロット/ソケットも追加していく。もちろん、すでに掲載しているカテゴリも拡充する予定だ。そのほか、PC-9800シリーズやMacintoshシリーズのコネクタも追加していく予定である。

■アクセサリ/オプションを追加する

 たとえばSCSIには、ターミネータやコネクタ変換アダプタなど便利なアクセサリやオプションが数多く市販されている。これらも紹介し、その機能や使用上の注意点などを解説していく。

信号線の一覧表

 コネクタの各ピンには、何らかの信号線や電源が接続されており、それぞれに名前(信号名)が割り当てられている。この信号名の一覧を各コネクタごとに作成していく。ケーブルの自作などに役立つだろう。記事の終わり

「ケーブル&コネクタ図鑑」


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