実験


最新チップセットの機能と性能を探る

− Intel 815/815E搭載PCの最適な活用方法 −

デジタルアドバンテージ 島田広道
2000/10/06

 クライアントPCの導入を任された場合、数あるPCの中からどのように選択すればいいのだろうか。メーカー、デザイン、価格、プロセッサの種類と動作クロック、拡張性、グラフィックス機能などなど、非常に多くの項目を検討する必要がある。その中で忘れられがちなのが、「チップセット」の存在だ。最近では、チップセットに多くの機能が統合されるため、チップセットの違いよってPCの性格が大きく異なってくる傾向にある。チップセットは、プロセッサの影に隠れているが、PCを構成する大事な要素なのだ。

チップセットが重要であるワケ

 ここでいうチップセットとは、プロセッサやメイン・メモリ、拡張スロットなどとともに、PCのマザーボードに搭載されている一組の半導体チップのことだ。まず性能面に注目すると、プロセッサやメイン・メモリ、グラフィックス、ハード ディスク、ネットワーク、拡張スロットなどの各サブ・システムを相互に接続するのは、チップセットの役割である。そのため、チップセットの作りが悪ければ、各サブ・システム間のデータ転送が滞るため、たとえ高速なデバイスをつないでも、その性能が十分に発揮されないことがある。

 機能面でも、現在のチップセットは多数のI/Oデバイスとインターフェイスを内蔵しているため、その仕様によってPCにできること・できないことが大きく変わってくる。たとえば、PCの購入後に、グラフィックス機能をアップグレードして性能向上を図りたいと思ったときでも、どれだけ有効なアップグレードができるかは、チップセットごとに大きく異なる。なぜなら、チップセットによってはグラフィックス機能を内蔵しているかわりに、AGPグラフィックス・カードを接続する機能がない、ということもあるからだ。

 厄介なのは、システムが搭載しているチップセットの型番を、カタログなどで確認するだけではすまないことだ。最近のチップセットは数々のオプション機能を実装しているため、同一のチップセットを採用したPCでも、PCベンダによって実装される機能・されない機能が選択されるのが一般的だ。そのため、ほぼ同じ価格で同一チップセットを搭載したPCが数機種あるときでも、機種間で意外なほど拡張性などが異なる場合がある。

 このようにチップセットは、CPUに勝るとも劣らずシステム全体の機能や性能、拡張性に大きな影響を及ぼす。したがってチップセットに対する理解を深めておけば、PC購入時に注意すべき選択のポイントがより明確になり、失敗のリスクを大幅に低減できるだろう。またPCの購入後も、チップセットの機能をよく理解していれば、最もコストパフォーマンスの高いハードウェア拡張を施せるようになる。つまりこれは、PCを適材適所に配置できるかどうか、業務に必要十分な機能や性能を提供できるかということにもつながるので、最終的にはTCO(Total Cost of Ownership)にも影響を及ぼすだろう。

2000年後半の主流はIntel 815/815Eチップセット

 現在(2000年10月初旬)販売中のメインストリーム向けデスクトップPCには、Intel 815/815Eというチップセットの採用例が多い。これはIntelが2000年6月に発表した新しいデスクトップPC向けチップセットで、対応するプロセッサやメモリなどの範囲が広く、また多くのI/Oデバイスを内蔵しているため、さまざまなバリエーションのPCを製造しやすい、という特徴を持っている。Intel以外のチップセット・ベンダも815/815E対抗のチップセットを続々と発表しているが、まだ量産出荷されていないものも多い。実際、各PCベンダの2000年秋冬モデルのデスクトップPCを見ると、Intel 815/815Eを搭載したものが多い。少なくとも2000年内はIntel 815/815EがデスクトップPCの主流チップセットの座に君臨し続けると推測される。そこで本記事では、Intel 815/815Eチップセットの機能を詳細に検証し、このチップセットを搭載したPCを選択する際のポイントを明らかにする。

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 INDEX
[実験]最新チップセットの機能と性能を探る
    1. Intel 815/815Eチップセットの概要
    2. Intel 815/815Eのグラフィックス機能
    3. 内蔵グラフィックスの性能を探る
    4. Intel 815/815Eで使えるメモリの種類
    5. メイン・メモリ アクセス性能
    6. 増えたUSBポートの活用方法
    7. 注意すべきそのほかのポイント
    8. 実験時のテスト環境について
 
「PC Insiderの実験」

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