連載特集 企業インタビュー・シリーズ

第1部 プロセッサ会社からの脱皮を図る「Intel」

デジタルアドバンテージ
2001/05/15

 インターネットの普及により、企業が大きく変わろうとしている。その変化は、緩やかだが、確実に仕事のスタイルを変えていく。1970年代から1980年代に工場がロボット化によって大きく変わったように、2000年代はインターネットが企業に変革をもたらす。これまでの電話とFAXによる受発注が、電子メールや電子商取引に変わりつつあるように、多くの企業間取引がインターネットをベースとしたものに変わってくるはずだ。さらに、こうした電子商取引と連動したSCM(サプライ・チェーン・マネージメント)やCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント)の導入によって、社内の業務形態も変わってくるだろう。すでに、大企業を中心にこうしたシステムの導入が始まっている。SCMなどの導入によって、企業は大幅なコスト・ダウンの実現が可能であるともいわれている。つまり、この流れに乗り遅れることは、企業間競争での敗北をも意味する。

 こうした変革のとき、多くの企業がどのように対応し、システムの導入を行っていけばいいのか。本特集では、先進的な企業の役員ならびに現場担当者に、変革に対する対応や取り組みなどについて話を聞いていく。

 まず、最初の企業としてインテル株式会社を取り上げる。インテルの本社である「米Intel社」は、世界最大の半導体企業であると同時に、eビジネスの先進企業でもある。2年ほど前には、いち早く「プロセッサ・カンパニー」から「インターネットのビルディング・ブロック・サプライヤ」への脱皮を宣言。インターネットのビルディング・ブロックを、「クライアント・プラットフォーム」「サーバ・プラットフォーム」「ネットワーク・インフラストラクチャ」「ソリューションとサービス」の4つのフォーカス・エリアに分け、事業の再編を行ってきた。2001年に入り米国経済が急速に減速する中、Intelはこの4分野を「コンピューティング・クライアント」「ハンドヘルド・コンピューティング」「ネットワークとコミュニケーション」「サーバ」にさらに再構築し始めている。この再構築は、同社が最も強い半導体技術とコンピュータ/コミュニケーション技術を中心にしたものである(「ニュース解説:Intel勝利の方程式を語る」参照)。

大きな図へ
Intelが再構築しはじめたビルディング・ブロック(大きな図:58Kbytes
景気減速の中、いち早く方針を転換し、Intelが強い半導体技術とコンピュータ/コミュニケーション技術を中心とした分野にビルディング・ブロックの再構築を始めている。こうした「身の軽さ」がIntelの成功の秘訣でもある。

 なぜ、Intelは「プロセッサ・カンパニー」から脱皮をしなければならなかったのか。一方で景気後退の中、Intelの最も競争力のある分野として「半導体」を挙げ、半導体を中心とした事業への集中投資を宣言している。その真意はどこにあるのか。主にインテル株式会社の役員、現場担当者を中心にインタビューすることで、こうした疑問を解消していこうと思う。先進のIT企業であるインテルlの戦略を知ることで、次のコンピュータ環境の姿だけでなく、eビジネス時代の企業の姿も見えてくるはずだ。なお、本稿では米Intel本社および一般名称としては「Intel」、インテル株式会社は「インテル」と基本的に表記させていただく。

  関連記事(PC Insider内) 
Intel勝利の方程式を語る
   
     

 第1部 プロセッサ会社からの脱皮を図る「Intel」

  第1回 Intelがサーバ環境を変えていく--2001/05/15
クライアントPC向けプロセッサで圧倒的なシェアを誇るIntelも、ハイエンド・サーバ市場はこれから。この市場をどう切り崩していくのか、インテルの eマーケティング本部長 佐藤宣行 氏に聞いた。
  第2回 インテルのソリューション・サービスは顧客志向で--2001/07/24
インテルのサービス事業の1つ、「インテル・ソリューション・サービス」の目的はどこにあるのかを、責任者の小鷲英一 氏に聞いた。インテル・ソリューション・サービスが手がけたカブドットコム証券の事例とともに、なぜインテルがこうしたサービスを提供するのかを明らかにする。
  第3回 戦略を大きく転換したアプライアンス・サーバ事業--2001/11/29
これまでIntelは、「NetStructure」ブランドでアプライアンス・サーバを販売してきた。しかし、2000年末からOEM供給に切り替え、現在では自社ブランドでの販売を中止している。この判断の裏に何があるのか、Intelでアプライアンス・サーバを担当するリチャード・リントン氏に話を伺った。
 
「PC Insiderのインタビュー」

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