ニュース解説

速報:WORLD PC EXPO 2000レポート
―Crusoe搭載ノートPCやBluetoothが登場―

デジタルアドバンテージ
2000/10/19

 2000年10月17日(特別招待日)から21日までの5日間に渡り、東京ビックサイトにおいて「WORLD PC EXPO 2000」が開催されている。今回のテーマは、「e-Everything『PC+インターネット』を超えて」だ。e-Everythingというテーマでも分かるように、企画展示はインターネットを強く意識したものとなっている。特に「ネットライフパーク」と名付けた展示会場では、日本交通公社(JTB)や千趣会、日比谷花壇、コジマなどのネットショッピングを積極的に運営している企業、大和證券や日興ビーンズ証券、東海東京証券といったネットトレーディングを行っている企業などの展示が行われている。

 ここでは、WORLD PC EXPO 2000で展示された、2000年末から2001年前半に注目の製品を中心に紹介する。特に、最近発表されたばかりの各社のCrusoe搭載ノートPCと、各種対応製品が登場し始めた短距離無線伝送技術のBluetoothを中心に取り上げる。

注目のCrusoe搭載ノートPCがついに登場

 ソニーと富士通に続き、2000年10月17日には日本電気からもCrusoe搭載ノートPCが発表された(日本電気のニュース・リリース)。Crusoe搭載ノートPCは出荷前ながら、内蔵バッテリによる駆動時間が長いことや、小型・軽量の本体が実現可能なことなどから注目を集めている。今回のWORLD PC EXPO 2000は、Crusoe搭載ノートPCの実機を実際に見ることができる最初の機会となることもあり、各社のブースともに多くの人を集めていた。

富士通のFMV-BIBLO LOOX Tシリーズ

日本電気のLaVie MX

ソニーのVAIO C1

LOOXには、DVD-ROMドライブを内蔵するTシリーズと、内蔵しないSシリーズの2種類がある。小型で比較的安価なことから、LOOXを体験するコーナーは人だかりとなっていた。LOOX Tシリーズを触った感じでは、Transmeta社の公表性能よりも若干低いような気がした。 Crusoe(TM5600)を採用し、液晶パネルの裏側と本体ヒンジ部分の2カ所にバッテリを搭載したことで、最長11時間のバッテリ駆動を可能にしている。ただ、液晶ディスプレイが反射型のため、明るい場所でないと画面は見にくい。 ビデオ・カメラ搭載で話題となったVAIO C1にCrusoeが搭載されて登場した。形状などは、前モデルとほぼ同じだ。ソニーのブースでは、VAIO C1を自由に触れなかったため、他社のCrusoe搭載ノートPCとの比較はできなかった。

 3社のCrusoe搭載ノートPCを見た限り、思ったよりもCrusoeの性能は高くない、というのが正直な感想だ。LOOX TシリーズでDVDビデオの再生を行うと、ときどき再生がギクシャクするようなこともあった。また、LaVie MXも含め、アプリケーションを起動するような場合に、かなりもたつく印象を受けた(続けて同じアプリケーションを起動する場合は快適なのだが)。これは、Crusoeが採用しているコード・モーフィング(Code Morphing)の影響と思われる。コード・モーフィングとは、ソフトウェアによって、x86命令をCrusoeの内部命令に変換しながら実行を行うという仕組みだ。一度、コード・モーフィングで変換されたx86命令は、トランスレーション・キャッシュに保存されるので、一度変換された命令はキャッシュ内から削除されるまでコード・モーフィングを行わずにトランスレーション・キャッシュから直接実行される。続けてアプリケーションを起動したとき、それほどストレスなく実行できたのはことためだと思われる(コード・モーフィングについては、「ニュース解説:Crusoeはx86プロセッサの新境地を開くのか?」を参照のこと)。

各社がBluetooth対応製品を発表

 今回のWORLD PC EXPO 2000では、Bluetoothを集めた「Bluetoothパビリオン」が設けられていた。このパビリオンでは、主にBluetooth用のチップセットや開発ツール類が展示されており、簡単なデモも行われていた。また、東芝やNTTドコモ、TDKのブースなどでも、Bluetooth対応製品が展示されていた。特に東芝は、2000年7月25日にBluetooth関連製品を発表していることもあり、この分野にかなり力を入れている印象を受けた(東芝のニュース・リリース)。このように急速に対応製品が増えてきていることから、Bluetoothの立ち上がりは意外と早そうだ。

インテルのUSB接続タイプのBluetoothユニット

TDKのBluetooth PCカードと携帯電話用ユニット

NTTドコモのW-CDMA対応携帯電話とBluetoothユニット

東芝のBluetooth関連製品

インテルは、USBに直接接続する小型のBluetoothユニットを参考展示していた。このユニットは、2001年前半に100ドル程度で販売する予定ということだ。 TDKは、BluetoothのPCカードと携帯電話に接続するBluetoothユニットを参考展示していた。現在のところ、TDKが開発しているBluetooth関連製品は、この2つだけだという。 Bluetooth対応の小型カメラで撮影した画像を、Bluetoothを使ってW-CDMA対応の携帯電話に送り、さらにこれを経由して相手に転送する、というモックアップの展示を行っていた。 8月下旬に出荷したBluetooth PCカードやBluetoothを内蔵したノートPCを始め、Bluetooth関連製品を多数展示していた。

気になる参考出品

 最新のマザーボードを台湾ベンダ各社が展示していたほか、インテルのブースではコンセプトPC各種が公開されていた。また、2000年末商戦用のインクジェット・プリンタを各社が出展しているので、製品購入を検討している人は比較のために足を運ぶといいかもしれない。ここでは、そのほか気になった製品を以下に紹介しよう。記事の終わり

NTTドコモのW-CDMA

WAPフォーラム

早くもW-CDMAのデモを行い、第3世代携帯電話(3G)の世界を提案していた。 NTTドコモのiモードに比べると地味な印象を受けてしまうWAP(Wireless Application Protocol)も、対応アプリケーションなどを集めた展示を行っていた。
 

インテルのAnyPoint

インテルのコンピュータ サウンド モーファ

初公開(?)のItaniumプロセッサ

インテルが参考出品した家庭向け無線LAN装置。HomeRF規格に準拠しており、10Mbits/sのデータ転送が可能。米国ではすでに4月に発表されている。 インテルのコンピュータ玩具シリーズ「Intel Play」ブランド第3弾となる製品。サウンドのサンプリングやミキシング、加工などが行える。 Itaniumプロセッサのパッケージが一般に公開されたのは、これがたぶん初めて。非常に大きなプロセッサであることが分かる。
 

松下電器産業のスーパーディスク・ドライブ

ソニーのVAIO GT1

メルコのDDR SDRAMメモリ

10月16日に松下寿電子工業が発表した2HD(1.44Mbytes)のフロッピーディスクに32Mbytesのデータを記録可能にした、次世代スーパーディスク・ドライブ(USB接続)。 68万画素のCCDを搭載し、ビデオの録画が可能な新しいコンセプトのノートPC。CPUには、Crusoeを搭載しており、オプションのバッテリーパック(LLL)で最大17時間のバッテリ駆動が可能だ。 メルコのブースでは、同社が先日発表したDDR SDRAM採用のメモリ・モジュールを展示していた。また、AMDの協力でDDR SDRAMメモリを搭載したPCのデモも行われていた。

  関連記事(PC INSIDER内)
Crusoeはx86プロセッサの新境地を開くのか?
  関連リンク
LaVie MXに関するニュース・リリース
Bluetooth関連製品に関するニュース・リリース
次世代スーパーディスク・ドライブに関するニュース・リリース

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