連載 PCメンテナンス&リペア・ガイド

第7回 電源ユニット選びと実際の交換作業

3. 電源ユニットを交換する

林田純将
2002/03/21

 前ページまでで 、交換用の新しい電源ユニットを選ぶポイントはつかめたと思う。次は、実際に電源ユニットを交換する作業に移ってみよう。

 電源ユニットの交換作業は、まず、PCへの電源を遮断することから始めるが、ATX電源は、PCの電源がオフになっていても、Wake On LANなどの電源管理機能の実現のため、マザーボードに微弱な電力を供給し続けている。そのため、PCの電源を落とした後、背面にある電源ケーブルを抜く必要がある(詳細は「PC TIPS:PCパーツの着脱時にはPCの電源ケーブルを抜く」を参照)。

 次に、ケースを開け内部へアクセスする(その前に、金属などを触れて、静電気を体から逃がしておくことを忘れずに)。電源ユニットからマザーボード、CD-ROMなどのドライブ類に接続されているケーブルをすべて外す。この際、どの電源コネクタにどのケーブルが差さっていたかを記録しておくため、付箋紙などでマークしておくとよい。後で新しい電源ユニットと各パーツを接続する際、古い電源ユニットのケーブルと照らし合わせていけば迷わずに済む。ケースの開け方については本連載の第2回、ケーブルの取り扱いについては第4回が参考になるだろう。

 次は電源ユニットの取り外しだ。基本的に電源ユニットは、背面の4本のネジを外すだけでケースから取り外すことができる(以下の写真を参照)。ケースによっては、それ以外の個所でもネジなどで固定している場合もあるが、多くの場合数本のネジで固定されており、簡単に取り外せるはずだ。そのため不用意に作業すると、ネジを抜いたとたん電源ユニットが落下して、マザーボードなどを破損してしまう場合がある。電源ユニットを外すときは、手で電源ユニットを支えるなどして、落下させないように注意しよう。タワー型ケースの場合は、ケースを横に倒して作業する方が安全だ。

電源ユニットの取り外しのポイント
左写真のように、ATX対応電源ユニットなら、赤線で囲った4本のネジを外せばケースから取り外せることが多い(SFX対応電源ユニットなら3本)。右の写真は、電源ユニットを取り外すためにタワー型ケースを横に倒して作業しているところだ。ネジを緩めていく段階から、電源ユニットがぐらつかないよう空いている手で押さえるなどして固定しておき、ネジを全部取り外しても落下しないよう十分注意しよう。

 最後に、新しい電源ユニットを取り付ける。ネジでしっかり固定して、電源ケーブルを各コネクタに差し込む。電源ケーブルとコネクタの対応は、以下の写真を参考にしていただきたい。ここでコネクタとケーブルが正しく接続されているかどうか、しっかり確認しておこう。特に3.5インチ・フロッピードライブ用電源コネクタは誤装着しやすく、かつ電源のショートを招いてパーツや電源ユニットを破損しやすいので十分注意したい(以下の写真参照)。また、電源ユニットによっては、ドライブに接続する電源コネクタが足りないことがある。これは市販の電源分岐用ケーブルを利用すれば解決できる(詳細は「PC Hints:PC内部の電源ケーブルを増設するには」を参照)。

 ケーブルの接続を行ったら、事前に外しておいたコンセントからの電源ケーブルを背面にあるメイン電源コネクタへ差し込めば作業は完了だ。ただし、ケース内部の電源ケーブルの装着ミスといった可能性があるので、無事PCが起動して問題がないことを確認するまでは、ケースは閉じない方が効率的である(詳細は「PC TIPS:ケースを開けたPCは、動作テストが済んでからカバーを閉じる」を参照)。

各種ドライブ用電源ケーブル/コネクタ(大)
各種ドライブの電源コネクタ/ケーブルの対応
ドライブに接続する電源コネクタは、写真上側の大きめのもの(ハードディスクとCD/DVDドライブ用)と写真下側の小さめのもの(フロッピードライブ用)の2種類からなる。大きさ/形状がまったく異なるので、取り違えて装着する心配はない。
各種ドライブ用電源ケーブル/コネクタ(小)
 
ATXマザーボード用電源ケーブル/コネクタ
マザーボードの電源コネクタ/ケーブルの対応
写真上側のATX電源コネクタは、SFXやFlexATXに対応するマザーボードにも存在する。中段はPentium 4システム向けに追加された12V専用コネクタなので、それ以外のプロセッサを搭載したPCではこれがない。下側は予備あるいは追加の電源コネクタで、ATX電源コネクタだけでは電力が足りないような場合に追加される。これがないマザーボードの方が多い。
ATX12V電源ケーブル/コネクタ
予備電源ケーブル/コネクタ(AUX Power)
 
ATX電源コネクタの外し方
このようにATX電源コネクタには脱落防止用のツメが付いている。これを指で押して緩めてから、ケーブル側コネクタを引き上げて外す。
 
3.5インチ・フロッピードライブ用電源コネクタの外し方
このコネクタは、下側にあるツメで固定される。そこで取り外す際には、写真のようにケーブル側コネクタを少し上側に傾けてから後方に引き抜く。コネクタ自体の強度はたいしたことがないので、無理に引っ張らないよう気を付けること。
 
3.5インチ・フロッピードライブ用電源コネクタの誤装着の例
3.5インチ・フロッピードライブの電源コネクタは、この写真のように1ピンずらして装着したり、逆差ししたりすることが比較的容易である。ほかのドライブについても同じだが、しっかり目視で正しく接続されていることを確認しよう。
  
  関連記事 
第6回 意外に故障の多いパーツ『電源ユニット』の基礎
第2回 PC本体にアクセスしてハードウェア構成を調べる
第4回 PCのケースを開けて実際にメモリを増設してみる
PCパーツの着脱時にはPCの電源ケーブルを抜く
PC内部の電源ケーブルを増設するには
ケースを開けたPCは、動作テストが済んでからカバーを閉じる
資料
ケーブル&コネクタ図鑑
 
  関連リンク 
デスクトップPC「Dimension」シリーズの製品情報ページ
 
 

 INDEX
  [連載]PCメンテナンス&リペア・ガイド
  第7回 電源ユニット選びと実際の交換作業
    1. 電源ユニットのスペックを把握する(1)
    2. 電源ユニットのスペックを把握する(2)
  3. 電源ユニットを交換する
    4. 電源ユニット交換後のトラブルシューティング
 
「連載:PCメンテナンス&リペア・ガイド」
 


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