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DVD+RWの可能性(前編)

1.そもそもDVD+RW規格とは

澤谷琢磨/デジタルアドバンテージ
2001/12/11

 DVD+RWメディアは、プレスされたDVD-ROMとほぼ同じ物理特性(反射率のみ、DVD-ROMの1層と異なる値)に加えて、高いウォブル精度(CD-ROMの約5.8倍)と、「ADIP(Address In Pre-Groove)」というウォブルに埋め込まれた高精度なアドレッシング情報を備えている。これらにより、DVD+RWは、データの追記をサポートしながら、既存DVD-ROMドライブとの高い読み取り互換性を備えているのが売りだ。

 DVD-RAMやDVD-RWといったほかの書き換え可能DVD規格と比較すると、この特徴が際立っていることが分かる。DVD-RAMは追記をサポートしているが、メディアの物理特性がDVD-ROMとは異なるため、既存のDVD-ROMドライブとの互換性が低い。DVD-RWは、DVD-ROMと物理特性はほぼ同じであるため読み取り互換性は高いが、アドレッシングの精度が低いため、追記は難しいといわれている。DVD+RWは後発だけに、DVD-RAMおよびDVD-RWの欠点をカバーした規格となっているわけだ。

DVD+RWを採用した初のドライブ「MP5120A」
Hewlett-PackardやSony Corporation of America などからもDVD+RWドライブが販売されているが、すべてこのドライブのOEM版である。書き換え型DVDとしては後発なだけあり、追記が可能、事実上フォーマットが不要といった特徴を持つ。

 追記に加えてDVD+RWドライブならではの機能が、バックグラウンド・フォーマット(DVD+RWではDe-inchingとも呼ばれる)のサポートだ。未使用のDVD+RWメディアをDVD+RWドライブに挿入すると、自動的に最低限必要となるリードイン(Lead-In)領域が書き込まれ、約1分後には利用可能になる。アプリケーションからのアクセスがない時間帯に、データが書き込まれていない領域をDVD+RWドライブ側で自動的にフォーマットするのが、DVD+RWのバックグラウンド・フォーマット機能である。データ領域のフォーマットが完了すると自動的にリードアウト(Lead-Out)領域が作成され、メディアの全周がアドレッシングできるようになる。なお、バックグラウンド・フォーマット中でも、ディスクを取り出すことは可能だ。この場合は、フォーマット済領域の直後にテンポラリ・リードアウト(Temporary Lead-Out)領域を作成することで、DVD-ROMとの互換性を確保する。これらの工夫により、DVD+RWはこれまでの光メディアに対して、フォーマット作業に伴う制約が大幅に緩和されている。

 このバックグランド・フォーマットは、そもそもPhilipsを中心として開発が行われている次世代CD-RW規格「Mt Rainier」で採用されたものだ(「キーワード:次世代CD-RWの標準規格『Mt Rainier』」参照)。Philipsは、DVD+RW Allianceでも開発の中心メンバーであり、DVD+RWで先行して採用されたことになる。

B's Recorder GOLD 環境設定のプロパティ-DVD+RW設定
B's Recorder GOLDには、DVD+RW固有の設定を行うプロパティが用意されている。
  「読み取り互換性を重視する。」チェックボックス。これは、書き込みデータの容量が少ない場合、書き込み容量が数百Kbytes以上になるようにダミー・データを書き込むモードだ(通常はオフ)。DVD規格では、中心から約30mm(約1.1Gbytes)の領域までデータが書き込まれている必要があるためだ。

DVD+RWのサポートするファイル・システム形式

 DVDは、ファイル・システムとしてUDF(Universal Disk Format)を採用している。UDFはISO 13346のサブセットであり、OSTA(Optical Storage Technology Association)がその規格の策定にあたっている(OSTAの「UDFの仕様に関するページ」)。注意しなければならないのは、UDFには複数のバージョンがあり、OSによって対応状況が異なることだ。下表にWindows OSの対応状況を示すが、最新のUDF 2.01まで対応しているのは、Windows XPだけだ。UDF Bridgeと呼ばれるUDFフォーマットにISO 9660と同様の管理領域を加えたフォーマットならば、Windows 95でも読み出せるため、最も汎用性が高い。

Windows 95 非対応
Windows 98/Me UDF1.02
Windows 2000 UDF1.02/1.5
Windows XP UDF1.02/1.5/2.0/2.01
Windows OSのUDF対応状況
各Windows OSが読み取り可能なUDFのバージョン。書き込みの対応ではないことに注意していただきたい。

 DVD+RW規格では、ファイル・システム形式は特に定められておらず、データを書き込むソフトウェアに依存する。そこで、評価に用いたMP5120A DVD+RWドライブに添付されているソフトウェアの書き込み形式を以下に示した。実際にバックアップ用途に使えるソフトウェアのB's Recorder GOLDとDrag'n Drop CDはともに、UDF Bridge形式のみサポートしているため、これらで作成したDVD+RWメディアは、ほとんどのOSで読み出せるはずだ。それに対し、B's CLiPはUDF1.5のみサポートしており、UDF Bridgeディスクへの変換はサポートされていない(各ソフトウェアの詳細は後述する)。UDF 1.5の読み出しは、Windows 2000以上ならば問題ないが、Windows 9xなどで読み出すには専用のユーティリティが必要となるので注意が必要だ。

ソフトウェア名 データ ビデオ コピー
B's Recorder GOLD UDF Bridge UDF 1.02 コピー元の形式に準ずる
Drag'n Drop CD UDF Bridge UDF Bridge コピー元の形式に準ずる
B's CLiP UDF 1.5
MyDVD UDF 1.02
付属DVDライティング・ソフトウェア別の書き込み形式
この表は編集部で調査した結果であり、製造元が保証しているものではない。
 
  関連記事(PC Insider内) 
次世代CD-RWの標準規格「Mt Rainier」

  関連リンク 
UDFの仕様


 INDEX
  [特集]DVD+RWの可能性
  1. そもそもDVD+RW規格とは
    2. DVD+RWの使い勝手を検証する
    3. 書き込み速度と互換性の検証
    4. 対応ベンダの動向が業界標準を決める
    5. 将来性が未知のDVD+RW
 
「PC Insiderの特集」

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