DVD+RWの可能性(前編)

3.書き込み速度と互換性の検証

デジタルアドバンテージ
2001/12/11

 使い勝手がある程度分かったところで、「2. 既存DVD-ROMドライブとの互換性」について検証してみよう。DVD+RWをデータの配布メディアとして見た場合、既存のDVD-ROMで読み出しが行えることは重要な要素となる。DVD+RWがデータ配布メディアとして利用可能なのかどうかは、互換性にかかっているともいえる。また、データのバックアップに要する時間も気になるところだ。そこで、ここでは書き込み速度と互換性の両面を見ていくことにする。

フォーマット済か否かで書き込み時間は変化する

 バックアップ用途として用いる場合、B's CLiPを使ってエクスプローラやxcopy経由でのファイル・コピーがおそらくもっとも使い勝手がよいだろう。しかし、前述のとおり、B's CLiPでは書き込みに失敗する場合があったため、今回はより安定性の高いB's Recorder GOLDを用いて書き込み速度測定を行った。

 テストは、CD-ROM約1枚分に相当する650Mbytesのファイルを用いて、その書き込み速度を測定した。書き込みイメージを作成しないオンザフライ形式に変更した以外は、B's Recorder GOLDの設定は変更していない。

メディアの種類 処理時間 平均転送レート
フォーマット済メディア 3分21秒(うち終了処理3.6秒) 3.2Mbytes/s
フォーマットの完了していないメディア 4分13秒(うち終了処理50秒) 2.6Mbytes/s
コピー速度テストの結果

 フォーマット済メディアとそうでないメディアの場合、650Mbytesのデータを書き込むのに要した時間はほぼ変わらないが、終了処理に要した時間が大きく異なる。これは、フォーマットの終了していないメディアの場合、テンポラリ・リードアウト領域を作成する時間が必要になるためと考えられる。

 現在主流の書き込み速度が10倍速のCD-RWドライブの実効転送レートが1Mbytes/sであることを考えると、MP5120Aの方が3倍程度速いことが分かる。それでも容量4.7Gbytesのバックアップには、30分ほどかかることになるが、5万円前後で購入可能なバックアップ装置の中では最も高速だ。

思ったよりも低い互換性

 DVD-ROMドライブなどほかのDVDドライブにおけるDVD+RWメディアの読み出し互換性については、実際に読み出してみて確かめるしかないのが実状である。DVD+RWメディアの読み出し互換性は、リコーもホームページを通じて公表しているものの、基本的には無保証の情報だからだ。そこで編集部でも独自に読み出し互換性を確認してみた。互換性テストに用いたファイル・システムの形式は、MP5120Aに付属するソフトウェアで作成可能なファイル・システムのうち、UDF BridgeとUDF 1.5の2種類である。DVD-ROMとの互換性を高めるため、いずれも1Gbytes超のデータを書き込んだ状態でテストを行った。また、OSはすべてWindows 2000を用いている。

書き込みソフトウェア ファイル・システム
B's Recorder GOLD UDF Bridge
B's CLiP UDF 1.5
互換性テストに用いたフォーマット形式

 互換性テストの結果は、下表のとおりである。たとえリコー製のDVD-ROMドライブといえども、古い製品では再生できない場合があるようだ。日立製作所製のGD-7500については、リコーの読み出し互換リストでは、製造時期の違いによって再生できない場合があるとされている。編集部にあったGD-7500は、2000年7月に出荷された初期型の製品であるためか、やはりDVD+RWディスクの再生ができなかった。このように同じDVD-ROMドライブでも、製造時期などにより、読み出しが行えない場合がある点に注意したい。これは何も過去のドライブに限らず、ファームウェアの変更などにより、これから製造されるDVD-ROMドライブでも読み出しが行えなくなる可能性があることを示すからだ。

ベンダ 製品名 リコーによる互換性確認の有無 B's Recorder GOLD(UDF Bridge) B's CLiP(UDF1.5)
Samsung Electronics SD-612
コンパック(パイオニア) DVD-114
-
パイオニア DVD-106
パイオニア DVD-116R/WD
リコー MP9120
ロジテック(リコー) RW9060
-
×
×
LG電子 DRN-8080B
-
×
×
ソニー DDU220E
-
×
×
AOpen DVD-9632R
-
日立製作所 GD-7500
×
×
アイ・オー・データ機器(日立製作所) GD-8000
-
再生互換性のテスト結果

 すべてのDVD-ROMドライブで再生テストを実施したわけではないので、互換性についてはあくまで「印象」ということになるが、DVD-RWの読み出しを明確にサポートしているドライブでは、DVD+RWの読み出しも行えるようだ。現時点でのDVD-ROMドライブとの互換性については、よい方からDVD-R、DVD-RW、DVD+RW、DVD-RAMの順となるだろう。ただ、この状況はあくまで既存のDVD-ROMドライブにおける互換性であり、今後販売されるドライブに関しては状況が変わりそうだ。その点については、政治的な動きなども絡む「4.採用ベンダの動向」と関係してくる。これについては、次項から検証していくことにする。


 INDEX
  [特集]DVD+RWの可能性
    1. そもそもDVD+RW規格とは
    2. DVD+RWの使い勝手を検証する
  3. 書き込み速度と互換性の検証
    4. 対応ベンダの動向が業界標準を決める
    5. 将来性が未知のDVD+RW
 
「PC Insiderの特集」

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