特集
ディスク環境まるごとアップグレード

3.DriveCopyでハードディスクをコピーする

澤谷琢磨
2001/04/26

 ハードディスクの物理的なセットアップが完了したら、次はいよいよDriveCopyを使ったコピー作業である。

DriveCopyのインストール

 DriveCopyのインストール・プログラムはWindows上で実行するが、通常のアプリケーションとは異なり、ハードディスクにはインストールされない。その代わり、セットアップ中に3枚の空のフロッピーディスクが要求され、MS-DOS互換のOpen DOS(DR-DOS)というOSの起動モジュールとDriveCopy本体の実行ファイルなどがコピーされる。そして、1枚目のフロッピーを挿入してPCを起動し、その後、画面の指示に従って2枚目や3枚目のフロッピーに交換していくと、DriveCopyが起動する。つまり、コピー作業を行う場合には、CD-ROMもWindows OSも不要であり、フロッピードライブと3枚のフロッピーディスクだけが必要である(画面もVGAモードで表示されるので、特別なグラフィックス・カードは不要)。逆にいえば、コピーの作業前に、Windows上(2000でなくても9xやNTでもよい)でDriveCopy実行用フロッピーディスクを生成しておかなければならない、ということでもある。

コピー元のファイルシステムをチェック

 生成したインストール用フロッピーディスクでDriveCopyを起動する前に、コピー元のハードディスクにあるファイルシステム(今回はNTFS)にエラーがないか、Windows上で確認しておこう。Windows 2000の場合は、管理者権限を持つユーザー・アカウントでログオン後、エクスプローラからドライブ・アイコンを右クリックしてプロパティを選び、[ツール]タブから[エラー チェック]を実行すればよい(管理者権限についてはWindows 2000 Insiderの「Windows 2000 TIPS:Administratorとは?」を参照していただきたい)。

コピー元/コピー先ハードディスクの選択

 DriveCopyはハードディスクのコピーに機能を絞った製品であるため、ユーザー・インターフェイスも簡素化されており、分かりやすい。ただ、やはり作業上注意しなければならない点がある。ここでは特に注意すべき点について、画面写真を中心に解説しよう。

 DriveCopyの起動後、3つ提示される選択肢のうち、「ディスク間コピーの実行」を選択するのだが、以下の「元のドライブと対象先のドライブの選択」画面が表示される場合がある。まずここで注意が必要だ。

DriveCopyの初期メニュー画面
この画面から先はWindowsの同様なウィザード形式で進められる。
  今回は「ディスク間コピーの実行」を選ぶ。→
 
コピー元/コピー先ディスクの選択画面
コピー先のハードディスクが完全に空ではない場合、この画面が表示される。コピー先にあるパーティションはこのあとのウィザードで削除するかどうか聞かれるので、事前にパーティションを削除するといった対処は必要ない。
  コピー元ハードディスクの選択枠
容量の小さい方がコピー元ハードディスクだから、ここでは「ディスク2」を選ぶ。
  コピー先ハードディスクの選択枠
容量の大きい方がコピー先ハードディスクだから、ここでは「ディスク1」を選ぶ。

 当然だが、コピー元のハードディスク(「元のドライブ」)とコピー先のハードディスク(「対象先のドライブ」)は絶対に取り違えてはいけない。容量を増やすために作業しているのだから、表示容量の小さいハードディスクから大きいハードディスクへコピーするよう選択すれば間違いはない。

「アップグレード」と「バックアップ」、どちらを選ぶか?

 次に、「コピー種別の選択」という画面が表示される。これは、コピーの終了後、新旧どちらのハードディスクを利用するのかを選択するためのものだ。

「コピー種別の選択」画面
DriveCopyはデフォルトで、コピー終了後に新旧どちらかのハードディスクを不可視(非表示)状態にするため、新旧どちらのハードディスクを不可視にするか、ここでユーザーに選択させる(後述するように、このあとの設定で両方とも可視状態で残すことも可能)。
  アップグレード
コピー元のパーティションを不可視(非表示)に設定するモード。
  バックアップ
これから作成するコピー先のパーティションを、コピー後に不可視に設定するモード。

 なぜこのような設定項目が設けられているかというと、DriveCopyではハードディスク間のコピー終了後、コピー元とコピー先のハードディスクを両方ともPCに装着したまま、OSを起動することを想定しているからだ。もし両ハードディスクのパーティションが見えている状態でOSを起動すると、元の状態からパーティション数が2倍に増えるため、ドライブ名の割り当ても変わってしまう。すると、アプリケーションはおろか、OSの動作すら不安定になる可能性がある。例えば、まったく同じ内容のCドライブとDドライブができてしまい、さまざまな不都合が生じる場合があるのだ。Windows 2000環境で簡単な実験を行ったところ、いったんドライブ名の割り当てが変わると、片方のハードディスクを取り外してもそのドライブのドライブ名は元に戻らず、手動でも変更できない、という症状が確認された。

 そこでDriveCopyは、OSから見てコピー前後でパーティション構成が変わらないよう、デフォルトでは、一方のハードディスクのパーティションを不可視状態にしてしまうのだ。さもないと、コピー完了後にハードディスクから起動する際に、古いハードディスクを取り忘れた場合、上述のドライブ名が変更されるというトラブルが発生する。この「不可視」の機能は、こうしたミスを未然に防ぐためのものと思われる。

 話を本筋に戻そう。ここではハードディスクを交換するのが目的なので(つまり、不可視にするまでもなく、古いディスクは物理的に取り外してしまうため)、コピー先のパーティションが残る「アップグレード」モードを選べばよいのだが、万一トラブルが生じたときには、すぐにコピー元の古いハードディスクに取り替えて復帰できるようにしておきたい。つまり、どちらのハードディスクも不可視にする必要はないのだ。そこでデフォルトの設定を変更し、両方のハードディスクともパーティションをそのまま残すようにする。それには、ウィザードの最後に現れるメニューで設定内容を変更すればよい(以下の画面)。

コピー開始直前に現れる画面
  このボタンを押すと、ウィザードで設定してきた内容を個別に変更できる。→
 
各種オプションの設定画面
不良セクタの確認や書き込み後の検証など、重要なオプションが並んでいる。
  コピー元を不可視にするチェックボックス
「アップグレード」モードを選んだ場合、上の画面のようにここがチェックされる。今回は、手動でチェックをオフにして、コピー元のハードディスクのパーティションをそのまま残す。
  コピー先を不可視にするチェックボックス
「バックアップ」モードを選んだ場合は、こちらがチェックされる。今回は、これもオフになっていることを確認しておく。

コピー後の確認

 オプション設定を変更した後、ウィザードを進めると、以下のようにコピーが実行される。

コピー実行中の経過を示す画面
「全体の処理状況」というバーが100%になるとコピー作業は完了する。
  コピー時の平均データ転送速度
ハードディスクの種類などハードウェア構成にもよるが、だいたい100M〜250Mbytes/m(分)ぐらいの速度でコピーされる。

 コピーが完了したら、コピー先のハードディスクの情報を表示させてみよう(以下の画面)。今回の例では、ハードディスクの全領域にわたって単一の起動パーティションが作成されているはずだ。

コピーの完了した新しいハードディスクの情報
コピー完了後に表示されるダイアログ・ボックスにて、パーティションの情報を表示するよう指示すれば、この画面が表示される。パーティションのサイズや使用中の容量、ボリューム名などは確認できる。

 あとは、DriveCopyを終了させ、いったん電源を切ってから、古いハードディスクを取り外す。取り外さないと、前述のようにWindows上でのドライブ名の割り当てが変わってしまい、トラブルを引き起こすので、忘れないようにしたい。コピーのためにCD-ROMドライブを外したりしていた場合は、忘れずに元に戻しておく。そして新しいハードディスクからOSを起動し、従来と変わらずアプリケーションなどが利用できることを確認する。もちろん、空き容量が増えていることもWindows上のエクスプローラなどで確認しておきたい。なお、コピー後の古いハードディスクは、取り外した後、新しいハードディスクの動作確認が終わるまで、バックアップとして大切に保存しておこう。

DriveCopy 3.0使用上の注意点

 DriveCopyでは、パーティション構成が複雑だったりOSのインストレーションが特殊だったりすると、本文では触れていないトラブルに遭遇することもある。ここではその代表的なものと、その対策法を考える。

■HDDインターフェイスを変更する場合はデバイスとして認識されていることを確認
 
Windows 2000において、例えばSCSIディスクからIDEディスクなどというように、異なる種類のディスク・インターフェイスをまたいで移行する場合、コピー先のIDEハードディスクからの起動に失敗する場合がある。この問題は、IDEインターフェイスがWindows 2000のデバイスとして認識されていない場合に発生する。この状態では、IDEインターフェイスをコントロールするデバイス・ドライバがセットアップされていないため、このままDriveCopyでSCSIハードディスクからIDEハードディスクへコピーしてIDEからブートすると、Windows 2000の起動時にIDE用デバイス・ドライバが見つからず、Window 2000本体をブートできないのだ。DriveCopy実行前には、コピー先ディスクのインターフェイスがWindows上で認識されていて、デバイス・ドライバが正しくセットアップされていることを、デバイス・マネージャで確認しておきたい。

■ドライブ・オーバーレイ・ソフトウェアとの併用には実行オプションが必要
 ディスクBIOSがハードディスクの全容量を認識できない場合(例えば8.4Gbytesしか認識しない場合)、BIOSアップデートやIDEカードの導入ではなく、ソフトウェアのみで解決する手法がある。Ontrack Data International社のDisk Manager(Ontrackの製品情報ページ)が代表的で、パーティションを操作し、PCの起動中にディスクBIOSを差し替えるなどのテクニックを駆使して、OSからは全容量を認識させる、というものだ。こうしたユーティリティを利用中なら、DriveCopyをコマンドライン・オプション付きで実行するなど、特殊な対応が必要になる(詳しくはDriveCopy付属小冊子の、トラブルシューティングの項を参照していただきたい)。このように余計な手間が増えるため、筆者としては、この種のドライブ・オーバーレイ・ソフトウェアの使用はあまり勧めない。可能ならば、BIOSの更新や、それが不可能ならIDEカードの増設によって解決するのがよいだろう。

大容量ハードディスクではパーティションを分割した方が便利な場合も

 本稿は、1つのハードディスクに起動パーティションのみ存在する状況を想定して作業手順を示した。しかし、大容量のハードディスクでは、1ドライブを1つの巨大な起動パーティションに設定してしまうよりも、複数のパーティションに分割した方が、後々の作業の都合上便利な場合がある。次の機会には、パーティション分割がどのような場合に必要となるのかについて考察したい。記事の終わり

  関連記事(PC Insider内) 
PCメンテナンス&リペア・ガイド:
第1回 Windows上で調べられるPCのハードウェア構成
PCメンテナンス&リペア・ガイド:
第2回 PC本体にアクセスしてハードウェア構成を調べる
ハードディスクに簡単バックアップ「StandbyDisk 2000 Pro」
最新ディスク関連用語集
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  関連リンク 
Windows 2000 TIPSAdministratorとは?
「Disk Manager」の製品情報ページ
「DriveCopy」の製品情報ページ


 

 INDEX

  [特集]ディスク環境まるごとアップグレード
    1.ファイル・コピーじゃ引っ越せない
    2.新しいハードディスクをセットアップする
  3.DriveCopyでハードディスクをコピーする
 
「PC Insiderの特集」

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