第3回 バーコードでは個体管理できないという誤謬


株式会社イー・ロジット
コンサルティング部
2007年12月26日


 携帯電話1台ごとの管理もバーコードで実現

 さて、2つ目の事例は携帯電話の代理店における物流現場となります。この代理店では携帯電話1台ごとの単品管理を行っているのですが、この管理についてもRFID(13.56MHz帯)や2次元コードではなく、バーコードで管理しています。

 この代理店の店舗数は約200店舗です。現在のシステムでは、物流センタ側では、店舗への出荷履歴や店舗からの返品履歴を製造番号単位(メーカーで製造した時点で割り振られた電話1台ごとの番号。製造番号バーコードが貼付された状態となっています)で管理しています。商品情報は各プレーヤ間で共有化されており、携帯電話会社から送信される入荷予定情報の中には、品番コードのほかに製造番号が含まれた状態となっています。

 代理店の物流センターでは、ハンディターミナルを活用して製造番号バーコードを読み取り、入荷情報と付け合わせて品番と製造番号のひも付けを行い、検収作業を完了させます。入荷検品を終えると商品はSKU(Stock Keeping Unit)カラー単位でロケーションを分けて、保管棚へと格納します。

 出荷業務は各店舗からの補充要請に従い、商品をピッキングします。間違いなく指示どおりに品ぞろえできているか出荷検品を行いますが、このときも製造番号バーコードをスキャンすることで行います。入荷時に製造番号と品番のひも付け情報はデータベース化されているので、この製造番号をスキャンすることで出荷検品と、どの店舗にどの電話機を発送したかの履歴が残っています。

 在庫の店舗間移動も、いったん物流センターを経由させることで、どの店舗のどの電話機をどこの店舗に移動したか履歴を残しています。店舗間移動の場合は、商品が入荷した時点で発送先の店舗が確定しているため、入荷検品で製造番号をスキャンすると、納品伝票と送り状が出力され、即出荷ができるように工夫されています。

 将来的なRFID導入にも対応できる柔軟なシステム

 上記2つの運用事例は、どちらも個体管理です。ですがそれぞれの事例を見ても分かるとおり、それぞれの商品特性と入荷形態の違いにより、運用方法は異なります。

 今回は、あえてバーコードでも個体管理ができるということを述べるために、紹介した事例はバーコードを採用したものとなったわけですが、弊社はRFIDに対して否定的な見方をしているわけではありません。

 中古本についても、現在、検討が進んでいる書籍業界でのRFIDの導入が始まったときには、専用のバーコードラベルを貼付せずに、中古本に付けられた状態となっているRFIDを利用した仕組みに置き換えることも念頭に置いています。また、商品特性や運用形態によって、個品管理でのRFIDの魅力はあると考えています。

 始めにシステムありき、RFIDありきではなく、それぞれの商品特性と入荷形態など、物流動向をきちんと踏まえた対応で、バーコード、2次元コード、RFID、最適な仕組みを導入していく姿勢で、これからも臨んでいきたいと考えます。次回は、弊社社員がかかわったアパレルの導入事例の詳細を述べていきたいと思います。

3/3
 

Index
バーコードでは個体管理できないという誤謬
  Page1
同一商品でも値付けが変わる中古本リサイクルを迅速に
センター内の棚移動を含めた履歴管理を徹底
  Page2
現場に適した作業手順・作業ルールづくりが基本
2種類のピッキングパターンを細分化して最適化
Page3
携帯電話1台ごとの管理もバーコードで実現
将来的なRFID導入にも対応できる柔軟なシステム

Profile
株式会社イー・ロジット
コンサルティング部

通販物流をはじめとする多品種少量多頻度の物流、いわゆる「小口高回転物流」でビジネスを行う会社を、アウトソーシング、コンサルティング、システム導入支援という3つの側面で全面支援。

「センター立上げ支援」「物流現場改善」「物流システム導入支援」など、多くの経験値を持っている。

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