
第2回 ディレクトリ非表示の意味をもう一度見つめ直す
辻 伸弘
NTTデータ先端技術株式会社
2007/8/22
第1回では、Webサーバ“Apache”のセキュリティ設定によるバナー情報の隠ぺい方法について紹介した。第2回となる今回もApacheのセキュリティ設定でできることをお届けする。今回はおそらく誰もが行っているであろう、ディレクトリ非表示設定についてもう一度チェックしてみたい。
Webサーバのディレクトリリスティングとは
ディレクトリリスティングというのは、Webサーバが持つ便利な機能の1つで、読んで字のごとく、サーバのディレクトリ内容をリスト表示するものである。
Apacheの設定ファイル(デフォルトではhttpd.conf)には、「DirectoryIndex」という設定項目があり、ここではインデックスとなるファイルを設定する。
| DirectoryIndex index.html index.php |
| リスト1 DirectoryIndex設定の例 |
これは、最後が「/(スラッシュ)」で終わるリクエストをWebサーバが受け取った場合、表示するファイルを優先順に記述する個所である。
リスト1で示した例では、アクセスされたディレクトリ内にindex.htmlが表示される。index.htmlがなく、index.phpが存在する場合はそちらが表示される。優先順位は左が高いので、両方存在する場合は、index.htmlが表示されることとなる。
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| 図1 ディレクトリ構造例 |
例えば「www.target-example.jp」というドメインのサイトがあり、図1のようなディレクトリ構造であったとしよう。DirectoryIndexでindex.htmlが設定されている場合、「http://www.target-example.jp/test/index.html」としなくとも、「http://www.target-example.jp/test/」とするだけで同じようにアクセスすることが可能である。
この機能が存在することで、サイト公開側は、トップページを含む特定のディレクトリにアクセスされたとき、ユーザーに見せるページを選択することができ、ユーザーは最後のファイル名まで記述することなくページにアクセスすることができるのである。
あなたの「便利」は攻撃者にも「便利」
それでは、このDirectoryIndexに記述されているインデックス・ファイルになるべきものが存在しないディレクトリへアクセスした場合はどうなるのだろうか。先ほど例に挙げたディレクトリ構造の場合からindex.htmlが存在しない状態でアクセスしたブラウザの画面を見てみよう。
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| 図2 インデックス・ファイルIndex.htmlがないディレクトリの画面表示 |
読者の皆さんも、このようなページに出くわしたことがあるのではないだろうか。これは、静的なコンテンツを公開するときに便利な機能である。
例えば、写真などの画像ファイルやダウンロードファイルを多数格納しているディレクトリで索引となるページを作成しなくとも図2のようにファイル一覧を表示することができるのである。
外部から閲覧されても別段問題のないファイルばかり格納されているディレクトリの中身を公開するために使用する分にはまったく問題はないが、そのディレクトリに格納されているファイルの中に機密情報の含まれるデータファイルが存在する場合はどうだろうか。すぐさま情報漏えい事件となってしまうことだろう。現に、これが原因で情報漏えいが発生した事例も過去に存在している。
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| Index | |
| ディレクトリ非表示の意味をもう一度見つめ直す | |
| Page1 Webサーバのディレクトリリスティングとは あなたの「便利」は攻撃者にも「便利」 |
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| Page2 ファイル名が知られるということの意味 まずは“対策”――ディレクトリリスティングを制限する |
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| Page3 攻撃者の視点とその手法――検索エンジンも武器になる 対岸の火事ではない組み込み機器 対策する意味を考えれば、セキュリティへの理解も深まる |
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セキュリティ対策の「ある視点」 バックナンバー
- 第1回 たった2行でできるWebサーバ防御の「心理戦」
- 第2回 ディレクトリ非表示の意味をもう一度見つめ直す
- 第3回 「Forbidden」「サンプル」をセキュリティ的に翻訳せよ
- 第4回 メールサーバ防御でも忘れてはならない「アリの一穴」
- 第5回 DNS、管理者として見るか? 攻撃者として見るか?
- 第6回 己を知り、敵を知る――Nmapで見つめ直す自分の姿
- 第7回 魂まで支配されかねない「名前を知られる」という事件
- 第8回 魂、奪われた後――弱いパスワードの罪と罰
- 第9回 人の造りしもの――“パスワード”の破られ方と守り方
- 第10回 SNMPコミュニティ名、そのデフォルトの価値は
- 第11回 ハニーポットによるウイルス捕獲から見えてくるもの
- 第12回 プレイバックPart.I:ウイルスのかたち、脅威のかたち
- 第13回 プレイバックPart.II:シフトした脅威の中で
- 第14回 ASV検査、ペネトレテスターの思考を追う
- 第15回 報告、それは脆弱性検査の「序章」
- 第16回 たった1つの脆弱性がもたらすシステムの“破れ”
- 最終回 Q.E.D.――セキュリティ問題を解決するのは「人」
| セキュリティ対策の「ある視点」 連載インデックス |
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