
第13回 プレイバックPart.II:シフトした脅威の中で
辻 伸弘
NTTデータ先端技術株式会社
2008/10/24
| ※ご注意 本記事に掲載した行為を自身の管理下にないネットワーク・コンピュータに行った場合は、攻撃行為と判断される場合があり、最悪の場合、法的措置を取られる可能性もあります。また、今回紹介するツールの中には、攻撃行為に利用されるという観点から、ウイルス対策ソフトにウイルスとして検出されるものも存在します。このような調査を行う場合は、くれぐれも許可を取ったうえで、自身の管理下にあるネットワークやサーバに対してのみ行ってください。 また、本記事を利用した行為による問題に関しましては、筆者およびアイティメディア株式会社は一切責任を負いかねます。ご了承ください。 |
第12回「プレイバックPart.I:ウイルスのかたち、脅威のかたち」に引き続き、コンピュータウイルスの過去を振り返ろう。Part.IIではいったんその歴史から離れ、コンピュータウイルスの進化、そして道具としてのコンピュータウイルスにフォーカスを当てたいと思う。
| 【関連記事】 |
コンピュータウイルスの進化、そして道具へ
自身の複製をあらゆる経路から世界中に、そして自由に広げることができるようになり生命体とも呼べるレベルとなったコンピュータウイルスだが、本当の生物界に食物連鎖があるように、彼らには皆さんがご存じの天敵「ウイルス対策ソフト」が存在する。ウイルスは「ウイルス対策ソフト対策」という進化をしない限り、絶滅の危機にひんしてしまうのである。コンピュータウイルス作成者、またはそれを改造し、広めようとする者もそのことには気付いており、実際に「ウイルス対策ソフト対策」が行われているのである。
その対策の初歩として、彼らはウイルス対策ソフトの基本動作に着目した。ウイルス対策ソフトは、基本的にパターンマッチングという手法を用いて、検査対象のファイルがコンピュータウイルスであるか否かということを判別している。
この手法を逆手に取ると、既知のウイルスパターンにさえ合致しなければ、コンピュータウイルスではない、と判断されるということだ。
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| 図1 ウイルス対策ソフトはパターンマッチングでウイルスかどうかを判断している |
そのパターンマッチを回避するために、コンピュータウイルスは以下のような方法で進化を遂げることとなる。
ポリモーフィック――暗号化でパターンマッチを回避
ポリモーフィック(Polymorphic)とは、「多形の、多様な形の、多形態の」といった意味を持つ言葉で、生物学でも用いられる言葉である。
コンピュータウイルスの世界では、自身の一部をランダムな暗号化コードで暗号化することでパターンマッチを回避するものである。当然、暗号化されているので実行される際には、復号コードを用いるのだが、この復号コードがウイークポイントとなる。つまり、復号コードを検出することで、コンピュータウイルスであるということも検出できてしまうのである。
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| 図2 ウイルス部分を暗号化しパターンマッチを回避するポリモーフィック |
メタモーフィック――機能はそのままに、変身
メタモーフィック(Metamorphic)とは、「変形の、変態の、変成の」という意味を持つ言葉で生物学、地学などでも用いられる言葉である。ポリモーフィックと大きく異なるところは、ポリモーフィックが自身の一部に暗号化という部分的な変化を加えるのに対し、メタモーフィックでは、自分自身全体に変化を加えるという手法を取る。
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| 図3 無意味なコードの挿入や順序変更、コード自体を書き換えることでパターンマッチを回避するメタモーフィック |
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| Index | |
| プレイバックPart.II:シフトした脅威の中で | |
| Page1 コンピュータウイルスの進化、そして道具へ ポリモーフィック――暗号化でパターンマッチを回避 メタモーフィック――機能はそのままに、変身 |
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| Page2 パッキング――実行可能なまま圧縮 シーケンシャル攻撃――続けて攻撃することの意味 ウイルスの歴史に見る、目的と手段のシフト ボットによる被害の増大 |
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| Page3 目的のシフトによる変化――「見えない化」 ルートキットと標的型攻撃 |
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| Page4 脅威の潜む場所、それは |
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セキュリティ対策の「ある視点」 バックナンバー
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- 第4回 メールサーバ防御でも忘れてはならない「アリの一穴」
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- 第6回 己を知り、敵を知る――Nmapで見つめ直す自分の姿
- 第7回 魂まで支配されかねない「名前を知られる」という事件
- 第8回 魂、奪われた後――弱いパスワードの罪と罰
- 第9回 人の造りしもの――“パスワード”の破られ方と守り方
- 第10回 SNMPコミュニティ名、そのデフォルトの価値は
- 第11回 ハニーポットによるウイルス捕獲から見えてくるもの
- 第12回 プレイバックPart.I:ウイルスのかたち、脅威のかたち
- 第13回 プレイバックPart.II:シフトした脅威の中で
- 第14回 ASV検査、ペネトレテスターの思考を追う
- 第15回 報告、それは脆弱性検査の「序章」
- 第16回 たった1つの脆弱性がもたらすシステムの“破れ”
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