送信ドメイン認証技術解説

電子署名を使うDomainKeysの設定方法

末政 延浩
センドメール株式会社
テクニカルディレクター
2006/1/12

 dk-milterを導入してみよう

 ここからは実際にDomainKeysを導入する方法について説明する。dk-milterは、sendmail MTAと同様のライセンスでオープンソースとして公開されており、送信側での電子署名、受信側の認証の両方に利用できる。

 dk-milterはsendmail MTAのプラグインとして動作するメールフィルタで、オープンソース版sendmail 8.13.0以降か商用版Sendmail 3.1.6以降で動作する。dk-milterのバージョンは原稿執筆時点(2005年12月14日)で0.3.2である。以下のURLからダウンロード可能である。同時にsendmail MTAの最新版もダウンロードしておこう。

dk-milter
http://sourceforge.net/projects/dk-milter/

sendmail MTA
http://www.sendmail.org

 dk-milterのビルド

sendmail MTAのソースとdk-milterのソースをダウンロードして適当なディレクトリに展開する。site.config.m4.sampleをコピーしてdevtools/Site/site.config.m4を作成し、

APPENDDEF(`confENVDEF', `-DMILTER')

を追加する。そのほか必要に応じてオプションを追加/削除したうえで、ソースのTOPディレクトリで「./Build」を実行してから、さらにroot権限で「./Build install」を実施する。これでmilterに対応したsendmail MTAがインストールできる。

 次にlibmilterをコンパイルおよびインストールする。まずlibmilterディレクトリに移動して「./Build」を実施し、コンパイルに成功したらroot権限で「./Build install」を実施する。

 そしてdk-milterのソースディレクトリのTOPにおいて「./Build」を実行してから、さらにroot権限で「./Build install」を実施する。以上でdk-filterが利用可能になる。

 なお、すでにOS付属のlibmilterなどが存在し、そのlibmilter.aを作成したコンパイラとdk-filterをコンパイルするgccのバージョンが異なるとコンパイルに失敗する場合がある。その場合はdk-filter/Makefile.m4を編集し、新たに作成したlibmilter.aファイルを直接指定すると回避できる。

 DomainKeys用の鍵の作成と公開

 鍵の作成はOpenSSLのツールを利用する。dk-milterのソースに含まれるINSTALLに手順の簡単な説明があるので一読しておくことをお勧めする。一連の作業を実施する「gentxt.csh」というコマンドが「(dk-milterのソースのTOPディレクトリ)/dk-filter」以下にあり、これを用いて、秘密鍵、公開鍵、およびDNSに登録するTXTレコードのサンプルを簡単に作成できる。

 ここではセレクタを「k1」に、DomainKeysで認証可能にする送信ドメインを「sm-ex.co.jp」とする。

# cd dk-filter
# ./gentxt.csh k1 sm-ex.co.jp

k1._domainkey IN TXT "g=; k=rsa; t=y; p=MFwwDQYJKoZIhvc
NAQEBBQADSwAwSAJBANm1IZUEICVj7
N1KEQVxOgpGWDB2NkWxkvgVBEWZ9WYOB8VK9mntghacav
OILo8KkshxGmCh6SOyLlQqmrMCzpkCAwEAAQ==" ;
----- DomainKey test for sm-ex.co.jp

 実行すると、秘密鍵をk1.privateに、公開鍵をk1.publicにそれぞれ出力する。また、コマンドの結果としてDNSのzoneファイルにそのまま記述可能なTXTレコードのサンプルが出力されるので、これをDNS上に公開する。

 デフォルトでは鍵長512bitの鍵が作成される。必要に応じてgentxt.cshの32行あたりを編集し鍵長を調整するといいだろう。

 サイトポリシーの公開

 DomainKeysでは公開鍵のほかにドメインポリシーを公開できる。ドメインポリシーには、認証結果を受信者にどのように扱ってほしいかを記述する。ドメインポリシーは送信ドメインに「_domainkey」を追加したFQDNに対するTXTレコードとして公開する。例えば、

_domainkey.sm-ex.co.jp.TXT "t=y; o=~"

となる。「t=y」は試験的な運用であることを示している。「o=」は電子署名の実施について表示するもので、値が「-」の場合はすべてのメールに署名を実施する。また「~」の場合は署名してあるものもないものもあるという意味になる。

 ドメインポリシーはDomainKeysの認証に失敗した場合にのみ参照すべきとされている。また、参照時に値が得られなかった場合はデフォルト値「~」と判断するように定義されている。ほかにもタグが存在するが詳しくはドラフトを参照してほしい。

3/4

Index
電子署名を使うDomainKeysの設定方法
  Page1
電子署名方式で最も普及しているDomainKeys
DomainKeysのヘッダ
DomainKeysレコード
  Page2
DomainKeysはメールの転送に強い
DomainKeysはメーリングリストが苦手
送信サーバと受信サーバにおける注意点
ほかのメール暗号化方式との関係
Page3
dk-milterを導入してみよう
dk-milterのビルド
DomainKeys用の鍵の作成と公開
サイトポリシーの公開
  Page4
dk-milterの起動とsendmail MTAの設定
認証結果
送信ドメイン認証の今後

ドメイン認証技術解説
  Sender ID:送信者側の設定作業
  Sender ID:受信者側の設定作業

電子署名を使うDomainKeysの設定方法

TechTargetジャパン

Security&Trust フォーラム 新着記事

@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

RSSフィード

キャリアアップ

- PR -
@IT Sepcial

イベントカレンダー

PickUpイベント

- PR -
もっと見る
- PR -

お勧め求人情報

ホワイトペーパーTechTargetジャパン

@IT Sepcial
ソリューションFLASH