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日本CA、バックアップはどう変わるべきか


三木 泉
@IT編集部

2008/9/23

バックアップに求められることは、時代とともに大きく変化してきている。パソコンLAN普及初期に大ヒットとなったバックアップソフト「ARCserve」も、ビジネスにおけるITの重要性の高まりを反映して機能を強化している

 バックアップソフトウェア「ARCserve」は、PCベースのサーバOSの普及期に、圧倒的な人気を博した。一時は国内市場を席捲(せっけん)したといっても過言ではない。現在でも、当時導入したARCserveをそのまま使っている企業が少なからず存在するだろう。しかし、データバックアップを取り巻く環境は変化してきている。ARCserveはこの変化にどう対応しているのか。そしてARCserveを販売する日本CAは、現在のデータ/システム保護の課題にどう応えているのか。日本CA マーケティング部 フィールドマーケティング マーケティングマネージャの小川直樹氏に聞いた。

 ディスクとテープの使い分けを改めて考える

 バックアップソフトウェアは、一度入れてちゃんと動くとそのままに使い続けるというケースも多い。とはいえ、企業のビジネス要件は最近、大きく変わってきている。このため、当社ではデータ保護の底上げをしましょうというメッセージを出している。

 そのなかでポイントになるのは、法規制がかなりITに影響を与えるようになってきていることだ。従来だと、法規制といってもビジネスプロセスだけの話で、会社としてどう管理をしていくかということだったので、あまり気にされていなかった。しかし最近は、ITがビジネスに必要不可欠なツールになってきていて、ビジネスプロセスと切り離すことができない。

 ITそのものももちろんだが、お客様が資産として考えていくのはデータである。顧客データや財務データなど、会社の根本を成すというか、なくしてはいけないようなデータの価値が上がってきている。このため、データを守る、管理していくという観点でいま一度見直していく必要がある。

 日本CAでは、データをまずディスクドライブにバックアップし、その後にテープに移行するDisk to Disk to Tape(D to D to T)の運用を再構築することが重要だと考えているという。

 コンプライアンスや法規制という観点でいえば、データがものによってはある程度の長期保存を求められる。流れとしては、ディスクが大容量化し低価格化してきた、テープより管理も楽ということで、D to Dのニーズがある。しかし、長期保存を考えていくと、やはりテープというメディアが一番安全で、可搬性があって保管しやすい。このため、D to D to Tが必要になる。

 データをテープに落として保護することは、ITを使った犯罪、情報漏えいや改ざんが増加していることからも必要だ。ディスクを使う際にも上書き禁止機能のあるものを使うなど、何らかの底上げを考えなければならない。

 事業継続という観点でいうと、従来のバックアップは、データをコピーするのが目的に終わっているケースが大半だった。しかし最近は何かあったときにすぐ戻す必要性が高まっている。これは災害復旧でも重要視されてきているし、監査対象の書類についても、監査が行われる際に、データを出せと言われたらすぐ戻せるような機能が必要になる。ここでもD to D to Tでディスクとテープをうまく使い分けながら、リストアを迅速化する仕組みが求められる。

 地震や浸水などの災害からの復旧を考えても、オンラインのディスクだけだと危険だ。ここでもテープを使う必要性が再確認できる。しかし、テープを使いながらも迅速にリカバリしなければならない。ソフトウェアとしては、従来よりももっと簡単に早く戻せるような機能拡張が必要だ。また、誰が戻すかというと人間なので、あわてずにすぐに戻せるようにソフトウェアがどれだけ支援できるか。従来とは違う底上げが必要だと考えている。

 
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日本CA、バックアップはどう変わるべきか
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ディスクとテープの使い分けを改めて考える
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リストアの迅速化ニーズにどう対応するか

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