CloudStackによるプライベートクラウド構築術

CloudStackによるプライベートクラウド構築術(1)

クラウド構築で注目が集まるCloudStackとは?


一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA)
理事 荒井 康宏
クリエーションライン株式会社
シニアエンジニア 飯塚 雅之
2011/8/11

CloudStackは、オープンソースベースのIaaSクラウド構築・運用ソフトウェア。使いやすく、機能が充実していることなどから、大規模なデータセンター事業者や組織での導入が相次いでいる。本連載では、このソフトウェアをプライベートクラウド構築に活用する方法を紹介する

連載:CloudStackによるプライベートクラウド構築術 INDEX

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 近年、「クラウド」という言葉がテレビコマーシャルでも流れるようになり、クラウドコンピューティングへの関心と利用が、IT業界のみならずほかのさまざまな業界に広がってきています。

 クラウドコンピューティングは、インターネットを介して必要な計算機リソースやアプリケーションを、オンデマンドで利用することができるコンピューティングとサービスの利用モデルです。

 クラウドを利用する側のメリットとして、必要な時に必要な分だけサーバを借りたり、ソフトウェアを使ったりすることができるため、新規ビジネス開始時のITコストの軽減や、ビジネスの規模に合わせた柔軟性のあるITシステムが構築できる点が挙げられます。

 Amazon Web Services、Google Appsをはじめとしたクラウドサービス(パブリッククラウド)が広く認知されるにつれ、企業社内のインフラにおいても、セキュリティを確保しつつ、同様の柔軟性、利便性を提供するためのプライベートクラウドの要望が高まってきています。その中でも特にオープンソースのクラウド利用については、近年のオープンソース活用の流れもあって注目が集まっています。

 オープンソースでプライベートクラウドを構築することで、ベンダによるロックインを避け、カスタマイズ可能なクラウド環境を持てるほか、パブリッククラウドと同じような利便性や柔軟性を享受し、さらにパブリッククラウド・サービスと連携可能なインフラ基盤を整備することができます。

 オープンソースIaaSクラウドソフトウェアの背景

 仮想サーバやストレージ領域を提供するクラウドサービスは、 IaaS(Infrastructure as a Service)に分類されます。このIaaSクラウドサービスの代表が Amazon EC2です。オープンソースのIaaSクラウドソフトウェアもAmazon EC2の登場が大きな引き金になり、開発が活発に行われるようになりました。

 代表的なIaaSクラウドソフトウェアとしては、 Eucalyptus、 OpenStack、 OpenNebula、 OpenQRM、 Abiquo、 Apache VCL、CloudStackなどがあります。

 各ソフトウェアは、さまざまな開発動機や方向性を持っており、開発の開始時期やリリース時期も異なります。図1に、代表的なソフトウェアと、これらに影響を与えたパブリッククラウド・サービスのリリースについて、時系列で図示しました。

図1 代表的なIaaSクラウドソフトウェアと関連クラウドサービスに関する時系列図(クリックで拡大)

 

 主なクラウド構築・運用管理ソフトウェア

 主なソフトウェアのプロジェクトについて、以下に概略を記載します(下の表は2011年7月現在の情報に基づきます)。

Eucalyptus

公式サイト:http://www.eucalyptus.com/
背景:カリフォルニア大学サンタバーバラ校で学内クラウド環境用に開発される。2009 年4 月「Eucalyptus」のサポートとハイブリッドクラウド・ソリューションを提供するために投資を受け、米 Eucalyptus Systemsをベンチャーとして設立
方向性:Amazon EC2/S3 互換のプライベートクラウド基盤
開発主体:Eucalyptus Systems、Canonical
ライセンス:GPLv3(Community Edition)
最新バージョン:v2.0.3(2011年5月)
有償版の有無:
ディストリビューション:Community Edition、Enterprise Edition
派生商品: Ubuntu Enterprise Cloud(UEC)

OpenNebula

公式サイト:http://www.opennebula.net/
背景: 2005年に スペイン マドリード・コンプルテンセ大学の分散システムアーキテクチャ研究プロジェクトとして、イグナシオ・リョレンテ氏、 ロビン・モンテーロ氏らによって開発開始。EUがスポンサーの「EU RESERVOIRプロジェクト」の支援を受ける。2008年3月にオープンソース・プロジェクトとして公開
方向性:幅広い種類のデータセンタインフラを統合管理可能な標準的なクラウドコンピューティングツールの提供
開発主体:C12G Labs
ライセンス::Apache License 2.0
最新バージョン:2.2.1(2011年6月)
有償版の有無:
ディストリビューション:OpenNebula(オープンソース)、OpenNebulaPro(有償版)

OpenStack

公式サイトhttp://www.openstack.org/
背景:NASA とRackspace Hosting が主体となって設立、仮想サーバインフラ(OpenStack Compute)は NASA がコード提供、分散オブジェクトストレージ(OpenStack Storage)はRackspace Hosting がコード提供
方向性:クラウド基盤のデファクトスタンダード(クラウドのLinux)
開発主体:OpenStack project、Rackspace Hosting、NASA
ライセンス:Apache License 2.0
最新バージョン:Cactusリリース(2011年4月)
有償版の有無:
ディストリビューション:Community Editionのみ
派生プロジェクト: Project Oympus(Citrix)、MidoStack(ミドクラ)

Wakame

公式サイト:http://wakame.jp/
背景:あくしゅが開発開始、2009 年4 月にWakame-fuelリリース、2010 年4 月にWakame-vdc リリース、2010 年11 月に「Wakame Software Foundation」を設立
方向性:開発者から見た透過的なデータセンターの実現
開発主体:Wakame Software Foundation(WSF)
ライセンス:Apache License 2.0
特徴:国産OSSクラウド
最新バージョン:11.06(2011年6月)
有償版の有無:
ディストリビューション:Community Editionのみ

CloudStack

公式サイト:http://www.cloud.com/
背景:VMOps 社がVM Instance Managerを開発、2010 年5 月にcloud.comドメイン取得に併せて、社名・プロダクト名を変更しリリース
方向性:クラウド基盤・サービスの高速な提供、ハイパーバイザに依存しない仮想化基盤の提供
開発主体:Cloud.com ※2011年7月12日 Citrixが買収
ライセンス:GPLv3(Community Edition)
最新バージョン:2.2.8(2011年7月)
有償版の有無:
ディストリビューション:Community Edition/Enterprise Edition

 
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Index
クラウド構築で注目が集まるCloudStackとは?
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主なクラウド構築・運用管理ソフトウェア
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CloudStackはなぜ注目されるか

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