■3分 - サーバ直結からネットワーク接続へ

 ディスクストレージ・システムとサーバの接続方法にはいろいろあります。まず、個人のPCと外付けディスクドライブを接続するのと同じように、SCSIやSAS、あるいはSATAを使う場合があります。これは「直接接続するストレージ」という意味で「DAS」(Direct-attached Storage)と呼ぶことがあります。これに対し、最近増えているのが「ネットワーク・ストレージ」で、1台あるいは複数のストレージを複数のサーバ機と接続します。現在主流となっている接続技術はファイバチャネル(Fibre Channel)ですが、LANの配線を利用できる「iSCSI」と呼ばれる技術も利用が進んできています。

 なぜ直接接続ではなく、ネットワーク・ストレージを選択する例が増えているのかといえば、ディスクドライブの利用効率が大幅に向上するからです。サーバ1台にディスクストレージ・システム1台(あるいは内蔵ディスクドライブ)という構成の仕方では、アプリケーション運用開始後にディスク容量が足りなくなることを極力防ぐために、最初の時点で大きな容量のディスクストレージ・システムを調達しなければならなくなります。サーバの台数が増えてくると、1台ごとの「無駄」が積み重なって大きな「無駄」になります。これに対して、ネットワーク・ストレージを用い、複数のサーバやアプリケーション用のデータ保管場所を1カ所にまとめることで、余分に調達しなければならない容量を節約できるのです。後で説明しますが、個々の仮想ストレージを、必要な時に必要なだけ拡張できるような技術が登場したことが大きく貢献しています。

 最近注目が集まってきたサーバ仮想化を活用するにも、資源の有効活用や柔軟性の点から、ネットワーク・ストレージの方が適しています。サーバ仮想化では、多数のサーバを少数にまとめ、コンピュータ資源の利用を効率化できますが、サーバを統合するならストレージも統合し、ITインフラ全体の効率化を実現するのが自然な流れです。特に、サーバ仮想化では、ある仮想サーバがダウンすると、別の物理サーバ上で同じ構成の仮想サーバを自動的に立ち上げて代替するという便利な機能が使える場合がありますが、この障害対策機能は複数の物理サーバから同一のストレージを参照できるようになっていないと実現が不可能です。

ネットワーク・ストレージはファイバチャネルやiSCSIなどの手順を使って、コンピュータとの間でデータを「ブロック」単位でやり取り。NASはLAN経由でデータをファイル単位でやり取り

 ディスクストレージ・システムのもう1つの重要な流れとしては「NAS」(Network-attached Storage)があります。DASやネットワーク・ストレージが基本的にはコンピュータの内蔵ディスクドライブの延長線上にあるのに対し、NASはファイル・サーバと同じように振る舞うという違いがあります。 つまり、DASやネットワーク・ストレージの場合、サーバはこれらの機器上のデータを、「データブロック」単位で利用します。これに対してNASの場合、サーバは「ファイル」単位でデータを利用します。NASは文書ファイルや画像などの保管場所として使われるのはもちろんのこと、一部のデータベース製品では直接記憶装置として利用できます。運用のしやすさやパフォーマンスなどの点が評価されているほか、高度な製品では信頼性の高いファイル・システムやデータ管理機能を備えており、一般的なファイルサーバよりも安全・確実なファイル共有手段として利用されています。


「4分 - 『ディスクでバックアップ』が広がっている」

 Index
 5分で絶対に分かるストレージ
  ストレージってえらそうな言葉だけど……
  1分 - ただのハードディスクとどう違う?
  2分 - 多数のディスクドライブを集め、分割して使う
3分 - サーバ直結からネットワーク接続へ
  4分 - 「ディスクでバックアップ」が広がっている
  5分 - 容量の無駄をなくす画期的技術とは

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