5分で絶対に分かるサーバ仮想化5分で絶対に分かる(2/6 ページ)

» 2007年09月18日 00時00分 公開
[@IT 三木泉@IT]

1分 - MacでWindowsを動かすソフトから考える

 アップルのMacで、Windowsのアプリケーション・ソフトウェアが動かせるツールがいくつか販売されています。どうすればそんなことができるのでしょうか。アプリケーションはOS(基本ソフト)の上で動くものであるため、同一のアプリケーションがMacとWindowsの両方でそのまま動作することはあり得ません。マイクロソフトのWordやExcelはWindowsとMacの両方で使われていますが、これらについては、Windows用のものに修正を加えてMacのOSで動くようにした別個のものを、「Mac用の」WordやExcelとして販売しています。1つのソフトウェアパッケージをWindowsとMacの両方にインストールして動かすことはできないはずです。

 では、発想を転換して、WindowsのOSそのものがMacのOSの上で動くようにしたらどうでしょうか。そうすれば、Windows用のすべてのアプリケーションはMac上で使えることになります。電卓やメモ帳などのアクセサリだって、Windowsに付属しているゲームだって動かすことができます。つまり、Macなのに、あたかもWindowsのコンピュータであるかのように使えることになります。便利ですね。 Macユーザーで、仕事上どうしてもWindowsのアプリケーションを使わなければならない人も、Windows用にコンピュータをもう1台買わなくていいのです。ただし、WindowsのOSと、使いたいアプリケーションは手に入れなければなりませんが。

 実際に、この機能を実行するソフトウェア・ツールが「仮想化ソフト」としていくつか販売されています。仮想化ソフトは、Macの上でWindowsを仮想的に実現しているわけです。サーバの仮想化も、基本的な考え方はこれと同じです。

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 通常、PC用の仮想化ソフトは、PCの上にアプリケーションとしてインストールし、さらにこの上に別のOSをインストールして使います。サーバの仮想化でも、PC用の仮想化ソフトと同じように、あるOSの上に仮想化ソフトを入れてからほかのOSを入れるものがあります。そのほかにOSの機能の一部として仮想化が提供されるもの、さらにOSよりも前にサーバ機にインストールし、それからすべてのOSを入れるものがあります。

 この記事では、話を単純化するために、3種類のうち最後の、OSよりも前にサーバ機にインストールするものについて説明します。今後の本格的なPCサーバ仮想化では、最後のものが主流になるからです。OSの機能の一部として仮想化が提供される場合も、メカニズムとしては最後と同様なものが主流になっていくはずです。

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