Oracle VMの世界

Oracle VMの世界(2)

スタンドアロン構成でのOracle VM環境構築


日本オラクル株式会社
中嶋 一樹
2009/2/20

 VM Serverのセットアップ

- PR -

 まずはVM Serverのインストールです。インストールは非常に簡単なのでここでは1つ1つの手順を見ていくことはしませんが、おおまかな流れだけご紹介しておきます。詳しい手順は、スクリーンショット付きでオフィシャルマニュアルに記載がありますので、そちらをご参照ください。

Oracle VMの日本語マニュアル一覧
http://www.oracle.com/technology/global/jp/tech/virtualization/index.html

Oracle VM Server インストレーション・ガイド リリース2.1.2(PDF)
http://www.oracle.com/technology/global/jp/tech/virtualization/doc/B51695-01.pdf

 はじめにOracle VM Serverのインストールイメージを入手します。VM ServerおよびVM Managerのソフトウェアは以下のサイトより無償でダウンロードできます。

E-Delivery
http://edelivery.oracle.com/oraclevm

 インストールする対象のサーバをVM ServerのインストレーションCDでブートし、あとは立ち上がってくるインストーラのウィザードに従って作業していくだけです。このウィザードはほとんどRed Hat Enterprise LinuxやOracle Enterprise Linuxをインストールする手順と変わりません。少し異なるのはVM Agent のパスワード設定があること、インストールするソフトウェアパッケージの選択が省略されていることなどです。VM Agent というのはVM Serverが他のコンポーネントと通信したりするための小さなプログラムです。このVM Agentのパスワードは、後にこのVM ServerをVM Managerに登録する際に必要となりますので控えておいて下さい。

 インストールは概ね10分程度あれば終わる簡単な作業です。インストーラが終了してサーバが再起動すればVM Serverのインストールは完了です。なお、VM Serverのパッチ提供はULN (Unbreakable Linux Network) を通じて行われます。ULNにアクセスするにはOracle VMのサポート契約が必要ですが、現時点の最新バージョンの2.1.2においても17個のアップデートが提供されており、重要なFIXも含まれているため、検証目的であってもできるかぎりこのULNにアクセスして、VM Serverを最新の状態にしておくことをお勧めします。ULNを利用してVM Serverのアップデートを行うには、まずVM ServerをULNに登録する必要があります。ULNへの登録はVM Server上で以下のようにコマンドを実行して行います。

# rpm --import /usr/share/rhn/RPM-GPG-KEY
# up2date --registe
r

 すると以下のような画面が表示されますのでNextを押下して進みます。

図1 ULN登録 -ライセンス

 次にアカウントを入力する画面が表示されますので、必要な情報を入力してNextを押下します。

図2 ULN登録 -アカウント

 次にハードウェアプロファイルを入力する画面が表示されます。Profile nameはULNにおけるこのサーバの識別名です。ハードウェアの情報をULNに送信するかどうかというチェックボックスがありますが、これはチェックした状態のままNextを押下します。

図3 ULN登録 - HWプロファイル

 次にソフトウェアパッケージの情報を入力する画面が表示されます。基本的に変更しないでNextを押下します。

図4 ULN登録 - PKGプロファイル

 システムの情報をULNに送信していいかどうかを確認する画面が表示されますのでNextを押下します。

図5 ULN登録 -プロファイル送信確認

 これで登録は完了です。次に少しだけ設定を変更します。デフォルトではkernelはアップデートの対象からはずされているのでkernelもアップデートされるように変更します。まず以下のようにup2dateコマンドを実行します。

# up2date --configure

 これでup2dateのコンフィグレーションモードに入ります。0〜36番までの設定項目が表示されます。この中の19番でkernel関連のパッケージがアップデートからはずされるように設定されています。

19. pkgSkipList ['kernel*']

 これをクリアするために「19」と入力してこの設定項目を選択し、つづけて「C」と入力します。すると以下のようにkernel関連パッケージをアップデートから除外する指定が取り除かれます。

19. pkgSkipList [ ]

 Enterキーを入力するとこの設定内容を保存して通常のシェルに戻ることができます。これでアップデートする準備が整いました。実際にアップデートするには以下のようにコマンドを実行します。

# up2date --update

 アップデート作業が完了したらVM Serverを再起動してください。

2/3

Index
スタンドアロン構成でのOracle VM環境構築
  Page1
ハードウェア/ソフトウェア要件
Page2
VM Serverのセットアップ
  Page3
VM Managerのセットアップ

Server & Storage フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Server & Storage 記事ランキング

本日 月間